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第1話 ~俺、転生!
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………ここは何処だろうか? …俺は一体どうなったんだ? 意識を覚醒させた俺は、見覚えのない天井を見詰めて考える。確かあの時……、
────────────────────
俺は強面だ、しかもヤンキー顔を通り越してマフィア顔と言われている。そのせいで俺は女子から敬遠され、男子からは喧嘩を売られるか無駄に慕われるかのどちらか。生まれてから…、一度もモテたことのない童貞である。
身長は190cm以上の細マッチョでマフィア顔、喧嘩無双だけではなく頭のなかなかに良いハイスペック。付いたあだ名というか二つ名がインテリヤクザ、…嬉しくもない物騒な二つ名である。こんなのでも俺は優しいんですよ? …と言っても、誰も信じない。
今日も喧嘩を売ってきた奴等をぶちのめし、俺を慕う奴等は盛り上がり女子からは敬遠されまくる。…………はぁ、……一度でいいからモテてみたい。だけど、今更女子受けをする生き方なんて出来やしない。生き方を変えてまではモテたくはない、…難儀なもんだよな。
モヤモヤとした感じで歩く俺、当然のことながら道行く人達は俺を避ける。人で混み合う場所とは無縁ですよ? 誰もが俺に道を譲る、…開けてくれるから。ククク……、目から汗が流れそうだぜ。
誰もが俺を避ける中、聞こえてきたのが……、
「ムフフフフフ、…遂に入手したわよこのゲームを! Ⅰ、Ⅱを何度もクリアして全てを知り尽くした、それでもやり続ける私が待ち望んだ続編!『エレメンタルナイツⅢ ~永遠の愛を君に…~』をこの手に…! 情報未公開故に内容が分からず、新キャラがどんなイケメンなのかは分からないけれど。きっと…きっと……!!」
何て声が耳に届いた。俺の周囲には人がいない、けれど俺の範囲外には大勢いる。少なくない喧騒がここにある、…ここまで鮮明に声が俺の耳に届くのか? 不思議なものだ。
そう思い、声の聞こえる方へ顔を向ければ……、
「………えっ?」
目の前に女子がいた、正確には自転車に乗った女子だ。俺は目を見開く、…これは避けられないと。…そして自転車の女子と目が合い、
ガシャァァァァァァァァァンッ!!!
当然…派手にぶつかったわけで。体感する痛みに対し、喧嘩の時とは比べ物にならないな…。そう思いながら目の前には地面、そして俺の意識は黒に染まって………。
────────────────────
……で、今に至るわけで。…うん、…俺は自転車にぶつかり意識を失ったようだ。たかが自転車、されど自転車ってヤツだな。自動車やバイクと変わらない危険な乗り物ってわけだ、我が身で味わい知ったよ。これからは自転車にも気を付けて行動せねば、考えようによっては一番危険な乗り物なんじゃないか?
…ってなわけで、俺は今…病院にいるってことになるのか? 事故ったわけだし。…う~む、そう考えるのが普通だよな? …だが違和感を拭えない俺がいる。何かこう…俺なんだけど俺じゃないっていうか、怪我をしているからかもしれないが身体にかなりの違和感。全体的に縮まったような、それでいて力が全然出ないというか。…とりあえず、視線を天井から自分の手に向けてみよう。
自分の手を見ようとしても見れない、首が動かんのです。手は動いているのに視界に入らない、かなりの違和感。俺はむちうち症にでもなったのか? と思うよりも先に、不快感に何故か涙が…。この程度で涙とかって、…俺ってばこんなに涙脆かったっけ? 最後にそう思った瞬間。
「オギャァァァァァァァァァッ!!?」
俺、泣き喚きました。俺の声が甲高い、オギャアッ! とかって赤子かい! と自身にツッコミながら泣いた。
泣き喚いていると、見知らぬおっさんとおばさんが現れた。…というか見下ろしている、…デカッ! 巨人族か何かですかね? そう思っていると、
「ふむ、元気になって何より。…眠り続けていたが故に心配していたが、見た限りだと大丈夫のようだ。」
見知らぬおっさん、モノクルを付けたナイスミドルなおっさんが破顔した。
「起き抜けに元気な泣き声、フフフ…健康に育つことでしょうね。」
見知らぬおばさん、上品な微笑みが人の良さを物語っている。…この巨人達は一体、…だが日本語だからここは日本の病院で間違いない…よな?
泣くのを止めて呆然とする俺を、巨人のおばさんが抱き抱える。…ここに大きな違和感、抱き抱えられて気付いたのは俺の身体が小さい。相手が巨人ならば当然ではあるのだが、そうじゃないんだよそうじゃ…。何ていうか、俺自身が赤子になったような? モヤモヤと違和感について考え、そんな馬鹿なことなどある筈がない…そう笑い飛ばそうと思ったんだが、
「あの愚かな馬鹿息子夫婦に『気持ち悪いからいらない。』と言われて引き取ったが、赤子とは思えぬ程の良い面構えよ。この子は良い男に成長するぞ? 今から楽しみで仕方がない。」
そう言ったおっさんが、俺の頬を指で軽くつついてくる。……赤子? 赤子と言いましたよね?
「…あなた、…あの人達とは縁を切ったのだから息子ではないのですよ? こんな可愛い子をいらないと言う人達は身内にはいりません。…ねぇ、私達の可愛い赤ちゃん。」
………俺は赤子らしい、どういうことだろうか? …意味が分からん、分からんのですよ。…それ以上に何か眠い、…………ぐぅ~。
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俺は強面だ、しかもヤンキー顔を通り越してマフィア顔と言われている。そのせいで俺は女子から敬遠され、男子からは喧嘩を売られるか無駄に慕われるかのどちらか。生まれてから…、一度もモテたことのない童貞である。
身長は190cm以上の細マッチョでマフィア顔、喧嘩無双だけではなく頭のなかなかに良いハイスペック。付いたあだ名というか二つ名がインテリヤクザ、…嬉しくもない物騒な二つ名である。こんなのでも俺は優しいんですよ? …と言っても、誰も信じない。
今日も喧嘩を売ってきた奴等をぶちのめし、俺を慕う奴等は盛り上がり女子からは敬遠されまくる。…………はぁ、……一度でいいからモテてみたい。だけど、今更女子受けをする生き方なんて出来やしない。生き方を変えてまではモテたくはない、…難儀なもんだよな。
モヤモヤとした感じで歩く俺、当然のことながら道行く人達は俺を避ける。人で混み合う場所とは無縁ですよ? 誰もが俺に道を譲る、…開けてくれるから。ククク……、目から汗が流れそうだぜ。
誰もが俺を避ける中、聞こえてきたのが……、
「ムフフフフフ、…遂に入手したわよこのゲームを! Ⅰ、Ⅱを何度もクリアして全てを知り尽くした、それでもやり続ける私が待ち望んだ続編!『エレメンタルナイツⅢ ~永遠の愛を君に…~』をこの手に…! 情報未公開故に内容が分からず、新キャラがどんなイケメンなのかは分からないけれど。きっと…きっと……!!」
何て声が耳に届いた。俺の周囲には人がいない、けれど俺の範囲外には大勢いる。少なくない喧騒がここにある、…ここまで鮮明に声が俺の耳に届くのか? 不思議なものだ。
そう思い、声の聞こえる方へ顔を向ければ……、
「………えっ?」
目の前に女子がいた、正確には自転車に乗った女子だ。俺は目を見開く、…これは避けられないと。…そして自転車の女子と目が合い、
ガシャァァァァァァァァァンッ!!!
当然…派手にぶつかったわけで。体感する痛みに対し、喧嘩の時とは比べ物にならないな…。そう思いながら目の前には地面、そして俺の意識は黒に染まって………。
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……で、今に至るわけで。…うん、…俺は自転車にぶつかり意識を失ったようだ。たかが自転車、されど自転車ってヤツだな。自動車やバイクと変わらない危険な乗り物ってわけだ、我が身で味わい知ったよ。これからは自転車にも気を付けて行動せねば、考えようによっては一番危険な乗り物なんじゃないか?
…ってなわけで、俺は今…病院にいるってことになるのか? 事故ったわけだし。…う~む、そう考えるのが普通だよな? …だが違和感を拭えない俺がいる。何かこう…俺なんだけど俺じゃないっていうか、怪我をしているからかもしれないが身体にかなりの違和感。全体的に縮まったような、それでいて力が全然出ないというか。…とりあえず、視線を天井から自分の手に向けてみよう。
自分の手を見ようとしても見れない、首が動かんのです。手は動いているのに視界に入らない、かなりの違和感。俺はむちうち症にでもなったのか? と思うよりも先に、不快感に何故か涙が…。この程度で涙とかって、…俺ってばこんなに涙脆かったっけ? 最後にそう思った瞬間。
「オギャァァァァァァァァァッ!!?」
俺、泣き喚きました。俺の声が甲高い、オギャアッ! とかって赤子かい! と自身にツッコミながら泣いた。
泣き喚いていると、見知らぬおっさんとおばさんが現れた。…というか見下ろしている、…デカッ! 巨人族か何かですかね? そう思っていると、
「ふむ、元気になって何より。…眠り続けていたが故に心配していたが、見た限りだと大丈夫のようだ。」
見知らぬおっさん、モノクルを付けたナイスミドルなおっさんが破顔した。
「起き抜けに元気な泣き声、フフフ…健康に育つことでしょうね。」
見知らぬおばさん、上品な微笑みが人の良さを物語っている。…この巨人達は一体、…だが日本語だからここは日本の病院で間違いない…よな?
泣くのを止めて呆然とする俺を、巨人のおばさんが抱き抱える。…ここに大きな違和感、抱き抱えられて気付いたのは俺の身体が小さい。相手が巨人ならば当然ではあるのだが、そうじゃないんだよそうじゃ…。何ていうか、俺自身が赤子になったような? モヤモヤと違和感について考え、そんな馬鹿なことなどある筈がない…そう笑い飛ばそうと思ったんだが、
「あの愚かな馬鹿息子夫婦に『気持ち悪いからいらない。』と言われて引き取ったが、赤子とは思えぬ程の良い面構えよ。この子は良い男に成長するぞ? 今から楽しみで仕方がない。」
そう言ったおっさんが、俺の頬を指で軽くつついてくる。……赤子? 赤子と言いましたよね?
「…あなた、…あの人達とは縁を切ったのだから息子ではないのですよ? こんな可愛い子をいらないと言う人達は身内にはいりません。…ねぇ、私達の可愛い赤ちゃん。」
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