偽お嬢?は、偽ダメ男に周囲を固められました。逃げる事は可能でしょうか?、

カヨワイさつき

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コレだ。

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私は今、強面の男3人を目の前に
高級なレストランで豪華な
お食事をしていた。
会話はない。

高級なフカヒレスープ、ツバメの巣は
当たり前、飲茶もあり、美味しいんだけど
周りからの視線が痛かった。
ヒソヒソ話は、日本語じゃないのに
言ってる事がわかる気がした。
高級な味なんだろーけど、なんか
違う。食べたかった肉まんの味
じゃあなかった。

お化粧室を出て、強面の男3人から
自由を勝ち取ろうと思ったけど失敗。
「お嬢、ご無事でしたか?」
「すいやせん。目を離して
しまいそうになりました。」

チッ。
私から目を離せよ。
心の中で悪態をついた。
舌打ちしたかったが出来なかった。
3人とも土下座する勢いで、
謝ってきた。また、注目を集めそうだわ。
早く立ち去りたい。

「わ、私も悪かったわ。少し迷ってしまって。」
お化粧室から出て、真っ直ぐ出入口に向い、
外に行こうとしたのだ。
食事代は、前払いだから食い逃げではない。

「お嬢は、昔っから方向音痴やからなあ、
俺らが、しっかりひっつてるから安心して
旅行を満喫してください。」
「あ、ありがとう。」
強面集団から離れたかっただけだ。
昔っからよく、わざと皆がいない方へ行く為、
私は方向音痴と決めつけられてしまったのだ。
今回も、他人のフリ作戦失敗だ。

「肉まんないかな?」
小さくため息をついた。
「お嬢、あちらにそれっぽい屋台が
ありやすぜ。」
「あっ、あれ、ちょっくらチビっこいけど、
肉まんっぽいですぜ。」
「おい、お前確かめてこい。」

こんな感じで、数件味見した家の者は
お腹を膨らましていた。

私は高級中華を食べたっきり、
歩き続けるだけだった。
買い物も、あれこれ口を出され
好きな物が買えなかった。
安物だけど、可愛いピン留めに
心惹かれたのに、買えなかった。

ピピ、ピピ、ピピ。
誰かのアラーム?が鳴った。
「お嬢、すいやせん、定時連絡しますので
少し、失礼しやす。」
「ハイハイ、ゆっくりどうぞ。」

あっという間に、もう夕暮れ。
お腹も空いてきた。
夜はツアーのホテル内の、中華バイキング
らしい。
まだ時間があるし、屋台の買い食いは
自分もしたかった。
だけど、結局は出来なかった。

お腹を空かせたままの私と
強面の男3人ともツアーより、
ワンランク上のホテルでの
中華の食べ放題。
悔しいから、ヤケ食いしてやる。

そう、思い込んで一通り、全種類制覇
するつもりで皿に盛っていった。
何これ、カラフルなギョウザ。
赤、緑、黄色のギョウザ。
小さな小籠包からエビチリ、
何皿も使い、たくさん盛りつけた。

「お嬢は、食べ盛りですな。」
「ワシらは、もうお腹いっぱいですから、
お嬢の為、なんか取ってきましょうか?」
「肉まん系が食べたい。」
「分かりやした。」
そう言って、私の前には蒸し器に
乗った、たくさんの小籠包や肉包が
並んでいた。

やはり、また視線を感じた。
でも、ヤケ食いだ。
食べ尽くしてやる。

1口サイズの肉包を口に入れた瞬間
顔がニヤけた気がする。
やっぱ本場の肉まんは最高。
あの時の、味に似ている。
なんだかんだで、泣きそう。

「お嬢?」
「お腹、どうなさいやした?」
「不味いんですか?」
スっと差し出されたハンカチ。
私はあの時の味に似た、肉包に
泣いていたのだった。
「美味しくて、美味しすぎるから
泣けてきたの、ごめん。」

「そんなに美味しいんですか?」
そう、言いながら1人は味見をした。
「悪くない味ですが、俺には
少々、味が濃い感じがします。」
「…そう。」
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