身代わりの身、捕らわれの身？

第13話 看病

アラン目線

俺は、チマリがすごく 心配だった。
看病も、ただ座って、汗を拭くくらいだが、
夜中ずっと、手を繋いでいた。
時折、うなされていたが、頭をなでたり、
おでこの布を、何度も冷たい水につけ、
こまめに交換した。
こんな事をしたのは、初めてだったが、
自分が、守ってるという満足感？
独占欲？保護欲？看病するのが、
なぜだか、嬉しかった。
チマリが、苦しんでるのをみるのは、
つかかったが、時間を追うごとに、
穏やかな、顔つきになり、ますます、
守りたい気持ちが、強くなってきた。
今までにない、感情に、自分自身
戸惑いを感じていた。

チマリの熱は、３日目で、ようやく
下がったが、ほとんど、眠っていたので、
食事も満足に、食べれなかった。
さらに、痩せてしまい、熱が下がった
今でも、ベッドから起き上がるだけでも、
かなり、体力をうばわれてい利用だった。
本当に、風邪なのか？

チマリ目線

最近、起き上がるのも、つらい。
スープを飲むだけで、すぐ眠くなるし、
水を飲んだだけでも、眠くなるわ。
このままでは、いけないので、
なるべく、体を起こし、眠らないよう
頑張っているけど、いつのまにか、
眠ってしまうことが、多くなりました。
体力も、かなり落ちて、歩いて、
トイレに行くのも、ふらふらしてます。

身体も、自分で拭いているけど、
髪の毛洗いたいし、やはり、
ゆっくり、お風呂に入りたい。
一度入りたいと思ったら、お風呂の
事しか考えれず、ずっと、
付き添ってくれている、アラン隊長に
「お風呂、お風呂って寝言で、言って
たぞ。お風呂に、入りたいのか？」
と言われました。
一人では、ふらふらして危ないし、
メイドに、してもらうわけにも
いけないので、薄衣をつけて、
お風呂に入る事にしました。

なぜか、アラン隊長が、お風呂の
付き添いを、してくれることに
なりました。
薄衣着てるし、お風呂に入りたかった
私は、あまり？特に、
何も気にしなかった？
気に、しすぎなかったのでした。
浴室で、薄衣が邪魔で、前だけ隠して、
身体や頭を、ゴシゴシ洗ってしまいました。
湯船に浸かり、これもまた、
前だけかろうじて、前を隠す程度で、
ゆっくり湯船に、浸かって、久々の
お風呂を楽しんでいました。
あー。身体の疲れが、取れそうだわ。
気持ちいいわ。

アラン目線

俺は、試練を受けているのか？
彼女、チマリは、俺の性別、もしくは、
自分の性別を忘れたのか？
なぜだ。薄衣を脱いで、細い足、
細いくびれ、背中をゴシゴシ、
洗っていた。
慌てて、後ろを向いたが、ヤバイ。
試されているのか？
無言で、出て行けという事か？
ジャパー、ザザー。

お湯を流す音が、何度も、
鳴り響いていた。
俺は、精一杯がまんした。
彼女は、湯船に、浸かっている
みたいだった。
少しなら、大丈夫だよな。
「少し、離れるが、すぐ戻る。」
俺は、我慢できなかった。
頭を冷やすためにも、一旦浴室から
離れ、彼女の寝ていたベッドのそばに
ある、水を飲んだ？飲もうとした。

味に違和感を覚えた。
水なのに、味がわずかについている。
この味は、たぶん、まちがいない。
メイドに、これは誰が準備したのか、
聞いたあと、ぬるくなっているので、
取り替えて欲しいと、頼んだ。

ふらつきながら、出てきた彼女の、
髪を拭いたり、俺と一緒の食事を、
チマリと一緒に食べるように、
していった。
すると、みるみるうちに、元気になり、
食欲も、戻ったようだった。