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第14話 疑惑

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チマリ目線

今日も、朝ご飯から、夕ご飯まで
アラン隊長と、ほぼ、一緒にいました。
晩御飯を食べかけている時、
お仕事しなくても、いいのかなぁと思い、
「アラン隊長、お仕事行かなくても、
大丈夫なんですか?サボってたら、
怒られますよ?」
アラン隊長は、笑いながら、
「俺を怒る人なんて、限られるし、もう
すでに俺は、仕事してるぞ。」
ん?仕事してる?

「あぁ。俺の仕事は、君の護衛だよ。」
えっ?あっ。アラン隊長は、仕事だから、
こんな私のそばに、いてくれてたんだ。
一瞬、勘違いしそうなくらい、優しいし、
実の兄のように、優しいから、つい。
私に、お兄ちゃんや兄弟が、いたら
こんなかんじなのかな?って、
思ってしまったわ。
なんだか、居心地いいし、あったかいって、
勘違いしてしまった。
このままでは、未練が残るから、
気を引き締めないとね。
なんだか、あったかかったものが、
急に、冷やされたような感覚になり、
なにも、感じなくなりました。
「すみません。お手数お掛けしてます。」

「いや、俺が好きで仕事してるだけだから、
気にしないでくれ。」
「すみません。」
ガチャ。
「私のかわいい、我が弟リマーニよ。
ご機嫌いかがかなぁ?」
ストルグ王子が、入ってきました。
私を守るように、アラン隊長は、
私とストルグ王子の間に、
入ってくれました。

アラン目線

チマリから、少しはなれ、小声で、
「アラン、今日も、べったりだね。」
ストルグ王子が、楽しそうに、
話しかけてきた。
「俺は、守るのが、仕事ですから。」
「仕事を命じたのは、僕だけど、君、
1人がずっーと、守らなくても、
いいんだけどね。」
そんな事は、わかっている。だが、
「私が好きでしてる事ですし、チマリとの
信頼関係も築きあげていきたいので、
これは、護衛責任者として、私なりの
護衛の仕方なんです。」
「好きで、してる事なんだねー。」
ストルグ王子は、ニコニコしながら、
話していたら。
「そろそろ、儀式の練習を再開して、
欲しいんだがなぁ。」
「本物のリマーユは、どこに、
行ったんだろう。やはり、私を…。」
「リマーユ様の行方も、引き続き、
探してますので、儀式までには、
間に合わしたいです。」
「アラン……。」
「はい。なんでしょう。ストルグ王子。」
「ふっ。お前は、誰の味方で、誰を、
信じる?」
「私は、中立の立場を、貫きたいです!」
「一度信じた者が、間違った事を
していれば、とことん話をして、
解決したいです。」
「ストルグ王子、俺…私は、乳兄弟であり、
親友だと、ストルグ王子の事を、
思ってます。間違いをおかしてないと、
信じてます。」
「……アラン。」

ストルグ王子と話していると、チマリは、
食べ始めた食事をやめて、立ち上がり、
食堂から出ようと、していました。
俺は、慌てて、追いかけると、
「まだ、食べ始めたばかりですよ。」
「すみません。もう、お腹いっぱいに、
なりました。」
ちゃんと、毒味したし、食事に問題は、
なさそうだが、
「具合、悪いのか、大丈夫か?」
急に、気分が悪くなったのか?
「私は、大丈夫ですから、ほっといて
下さい。」
怒ってるのか?
「早く、ストルグ王子様と、話し合い
してきて下さいね。」
んっ?もしかして、すねてるのか?
かわいい。にやけそうに、なってしまった。
表情を、引き締めて、
「すまない。話し込んでしまった。
君の体調管理や食事面が、気になるし、
あとひと口だけでも、いいから、
食べてくれないか?」
「すみません。もう、食欲ないです。」
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