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第38話 捕らわれ人

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地下牢に行き、暗闇の中、叫ぶストルグ王子。
「アラン、アランどこにいる?」

無数の檻、無数の死体の埋まった檻。
地下牢、罪人のお墓。
奥に行くほど、死体の、上に盛り土をし
さらに死体を土に埋めていた。
最奥に、土をかぶせてない罪人達の死体が、
数体放置されていた。
なんとも言えない、こびりつくような腐臭。
こもった空気、空気穴も、最低限しかなかった。

後から来た者が、地下牢のドアを開け
空気が、少し揺らいだ。
あかりを付け、壁に設置してくれていた。
一番奥、すでに罪人が埋まっている上に、
土を被せた状態の牢屋。檻。

手枷、足枷をつけられ、横たわるアラン。
鍵を開けさせ、ストルグ王子自ら、
アランの手枷、足枷を外した。
地下牢からアランを出し、部屋に
連れて行った。

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チマリの日記

◇◇◇
深夜、アラン隊長が、いつもとは違う
雰囲気をまといながら、部屋に
やってきまた。
思わず私は、寝たふりをしました。
すると、アラン隊長は、
私を好きだとか、愛してると言ってくれました。
うれしい。
寝てるふりをしていたけど、タイミングを
逃し、そのまま、寝たフリをしていたら、
朝まで寝てしまったわ。

◇◇◇
朝方、プロポーズの練習を無意識だろうけど、
アラン隊長は、練習していました。

アラン隊長、私、チマリも、あなたを
愛してます。
プロポーズ、練習中だったけど、
すごくうれしいです。
私も、アラン隊長と、一緒に居たいです。

◇◇◇
アラン隊長が、連れていかれました。
無実だから、すぐ戻るって……。
早く、戻ってきて欲しい。
私、アラン隊長に監禁されてないし、
毒も盛られていないわ。
むしろ、私をあらゆるものから、
守ってくれていたわ。
なぜ、私に薬を盛っていたかは、
わからないけど、薬を盛っていた人は、
別の人物なのに。

◇◇◇
2日目
アラン隊長は、無実です。
警備の人が、ジーっとみるので、
あまりかけません。

◇◇◇
3日目
アラン隊長は、無実です。
なのに、まだ、戻ってきません。

◇◇◇
4日目
アラン隊長は、無実です。
薬など盛られていません。
監禁も、されてません。
アラン隊長は、心配をして、安全な、
お水、安全な食べ物を一緒に食べたし。
処分されるはずの、私、チマリ。
リマーユ様代わりの私。
私が、まだ、生きているから、
アラン隊長は、罪になったのね。

◇◇◇
5日目
アラン隊長は、無実です。
久々に、夢を見ました。
アラン隊長だったら、嬉しかったんだけど、
いつもの、両親の夢。
疲れ果て帰ってきて、眠るように亡くなった、
シモンお父さんと、シュナお母さん。
私も、お父さん、お母さんの様に、
アラン隊長と、一緒になりたかったけど、
たぶん、無理そうです。
アラン隊長、愛してます。

◇◇◇
アラン隊長を助けてください。
アラン隊長は、無実です。
私は、リマーユ様の身代わりを引き受け、
皆を、騙した罪人です。
もっと早くに、処分されるはずなのに、
しぶとく、生きてしまいました。

二つの蝶のあざの、奇跡が、起きるなら、
アラン隊長を助けてください。
私、チマリが代わりになります。
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