身代わりの身、捕らわれの身?

カヨワイさつき

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第41話 秘密

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アランの横に、寝椅子に、横たわるチマリ。
かろうじて呼吸はしているが、かなり、
危険な状況だった。
意識のまばらな、チマリに世話係が、
水分や栄養高いスープを、少しずつ、
根気よく与えてつづけて、くれていたから、
死なずにいてくれました。
ストルグ王子は、チマリが、生きてくれて
いた事と、世話係に、心から、感謝していました。

チマリの横には、リマーユ王子。
リマーユ王子は、しばらく2人を、
見つめていました。
チマリの手と、アランの冷えきった手。
なぜかは、わからないけど、なんとなく、
手が寂しそうに、感じたリマーユ王子は、
2人の手をそっと、重ねてあげました。

手を重ねてあげると、冷たくなったアランと、
意識のないチマリの表情が、やわらぎ
喜んでいる気がしました。

リマーユ王子は、ストルグ王子に問いかけました。
「なんなんだ?この状況は?」
「すまない。私のせいだ。」
「はっ?どうゆう事だよ。なんで…なんで、
こんな風に、なったんだ?これは、なんなんだよ。」

ストルグ王子は、自分の犯したミス、
罪を、すべて話をしました。
同時に、王妃の事、自分自身が、
不義の子で髪色も王妃に、言われた通り、
王の髪色に、似せて染めていた事など、
全部話しました。

「私の父親は、だれかは、わからない。」
「だが私の父親となったものが、
王族の血筋だったからか、目だけは、
運良く、王族特化の色を宿していたから、
俺は、いや、私は、生きてこれたんだろう。」
「私が生まれた後も、王妃の周りには、
何かを企むものは、たくさんいたし、
王妃が、癇癪を起こしたあと、
慰めにきた王の後も、ほかの者にも、
慰めてもらっていたのを、
見てしまった事もあるからな。」
「王妃が流行病で、亡くなるまでは、王族とは、
それが、当たり前だと、思っていた。」

「私に、お、俺に色々、教えてくれた、
アランがいないなんて、耐えれない。」
「アラン。」
枯れたはずの涙を、また、流していました。

最後に、王の手紙と、チマリの手紙を、
リマーユに、渡したあと、
「アランすまない。私は、アランがいないと、
ダメなんだ。」

持っていた護身用の刀で、ストルグは、
自ら胸を突いてしまった。
あたりに、無数の赤い蝶が飛び散った。

赤い蝶に、ストルグ王子、チマリ、
リマーユ王子、アランは、飲み込まれるように、
前が見えなくなってしまいました。

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