不幸体質の私、トリップ先は○○ですか?!強面男性と童顔女性の物語。

カヨワイさつき

文字の大きさ
7 / 61

祈り?

しおりを挟む
俺は朝昼晩の三神に毎日毎日、祈っていた。

「朝の神様、昼の神様、晩の神様、
その他色々いるかもしれない神様。
どうか俺のお願いを聞いてくれ。
あの少女を助けてくれ。
まだ目覚めないんだ。
早く目覚めさせてくれ。頼む。
お供えのお酒や旬の食べ物もある。
早く願いを聞いてくれ。」
俺は必死に祈っていた。

「……。」
背後に気配を感じた。
「ゼルン、なんだ?急用か?」

ゼルンは俺の執事。
あの説教が長く、俺をからかう為だけに
お坊ちゃんや、お坊ちゃま呼びする
あの執事だ。
俺より5歳年上なのに、俺より若く見える。
けっして俺が老けてるわけではない、はずだ。
俺は祖父に似ているだけで、顔のつくりが……。

まぁ、兄たちや妹みたいに
余計な女や、子どもたちに囲まれ
きゃーきゃー言われながら
まとわりつかれないだけ
良しとしよう。あれは、うらやまし…
うっ、うるさいだけだ。
仕事の邪魔だ。

俺は32歳、ゼルンは37歳だ。

「いえ、朝の挨拶をしようと思いましたが、
お坊ちゃまは、神様を脅してる最中でしたか。」
「お、脅し?脅してないぞ。」
「では、脅迫ですね。」
ゼンは、すました顔で執事スマイルを
貼り付けていた。

「俺は、健気に神に祈りを捧げていただけだ。」
「はあ~。ハイハイ。冗談は、怖くてイカツイ
顔だけにして下さい。」

「最近、お前生意気だぞ。」
「すみません。以前から生意気で可愛げない
性格なんです。更にわたくしも、
お坊ちゃまのように、面の皮が厚く、
根がよく正直者なんですよ。」
「……。」
こいつの口には負ける。
勝つ気もない。お説教が始まると
早く終われって神頼みする。

ちゃんと聞いとかないと、たまに
「聞いてるんですか?お坊ちゃま。
わたくしは……。」
という感じで確認され、聞き流してるのが
バレると更にお説教という名の話が
かなり長くなる。めんどい奴だ。


ゼルンは、俺が入隊したばかりの頃、
違法売買により、とある貴族に捕らわれていた。
人族と何かの獣人族の混血児の孤児、
それがゼルンだった。

その頃、成人してるとは思えないくらいか弱く、
下手すれば女にも見える容貌だった。
町で買い物中に攫われ、更にとある貴族に
買われたらしい。
いかがわしい行為をされようとすると
頭の回転がいいのと、多少の魔力や
体術が使えるらしく、難をかわしていたらしい。
ちなみに、そのとある貴族は、
ゼルンを助けると同時に壊滅してしまった。

今では、すっかり可愛げなく育ち
遠慮なくネチネチネチネチ説教をたれてくる。
甘やかして育てたのが悪かったのか?

「もう、17年も経つんですね。」
「んっ。あっあぁ、お前が可愛かった時から
可愛げがなくなった年数、ウグッ。」
ドスッ。
うっ。
ゼルンの肘鉄が綺麗に決まった。

可愛い、女の子みたい、などの言葉は
ゼルンにとって禁句である。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます

ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。 前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。 社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。 けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。 家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士―― 五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。 遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。 異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。 女性希少世界の社交界で、自分の幸せを選べるようになるまでの ほのぼの甘い逆ハーレム恋愛ファンタジー。

怠惰令嬢の玉の輿計画 昼寝してたら侯爵様と面倒なことになりました

糸掛 理真
恋愛
頑張りたくない 働きたくない とにかく楽して暮らしたい そうだ、玉の輿に乗ろう

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ
恋愛
教師との悲恋、そして突然の死をもって転生をした少女、シャーロット・ジェム。凍れる国にて、小さな魔法屋を営んでいた。名門学園からの推薦状が届いたことにより、平和だった日々に暗雲が訪れるように。 今世も彼女に死は訪れる――未来を望むには二つ。 ――ヤンデレからもたらされる愛によって、囲われる未来か。そして。 ――小さくて可愛いモフモフ、女神の眷属と共に乗り越えていくか。 鳥籠に囚われるカナリア色の髪の少女、ヤンデレホイホイの彼女が抗っていく物語。 生きていく物語。 小説家になろう様でも連載中です。

異世界転生したらアザラシ? でした〜白いモフモフでイケメン騎士たちに拾われましたが、前世の知識で医療チートしています〜

恋愛
ネットでアザラシを見ることが癒しだった主人公。 だが、気が付くと知らない場所で、自分がアザラシになっていた。 自分が誰か分からず、記憶が曖昧な中、個性的なイケメン騎士たちに拾われる。 しかし、騎士たちは冬の女神の愛おし子を探している最中で…… ※小説家になろう、Nolaノベルにも投稿しています ※完結まで毎日投稿します

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

処理中です...