不幸体質の私、トリップ先は○○ですか?!強面男性と童顔女性の物語。

カヨワイさつき

文字の大きさ
8 / 61

イライラとフラフラ

しおりを挟む
少女は、なぜ目覚めないんだ?
あんなにも儚くか弱い少女を
診せたくはなかったが、医療行為だと
自分に言い聞かせて、医師に少女の
治療をしてもらった。

栄養失調に、軽い捻挫、擦り傷、
打撲、擦過傷などだった。
こんなも…なぜ、この少女は…。
俺が、もう少し早ければ
こんな目に合わなかったのか?
守ってやりたい。

少女の柔らかで、すぐにでも
折れてしまいそうな手足の傷は
数日で目立たなくなっていた。
打撲痕も色が変わり、
若干薄くなっていた。

それでも目を覚さない少女。
医師の腕が悪いのか?
誤診だといけないので
俺はかなり我慢して、
よりすぐりの医師たちに
少女を診てもらった。

今日で10日目。
「おはよう。出会って今日は10日目だ。」
ゆりは眠り続けていた。
「お前…君の目は何色なんだろうな。
髪色と同じ、綺麗な茶色なのか?」
淡々と話しかけていた。
「いつ起きるんだ?食事をまともに
食べてないが、本当に大丈夫なのか?」

「早く目を合わしながら
お前…じゃなくて、君と会話がしたい。
頼む、早く起きてくれ。」

少女を連れ帰ってから俺は、
なるべく一緒にいた。
書類などの仕事も、少女の様子が
よく見える位置に机を置き
仕事をさばいていた。
俺は、食事もここで摂っていた。
少女には、口を濡らす程度の水分や
スープを与えようとしていたが、
ほとんどこぼれ落ちていた。

少女の身体を綺麗にしたり、
服を交換する時だけ
当たり前だが、女性の使用人に任せて
俺は渋々、席を外していた。
初めのうちは使用人たちに、
呆れられていたが
今では諦めたのか、ゼルン以外
何かを言う者はいない。
まぁ、身分的に俺に直接言う者はほぼ
いないが、まわりにわまわって…
遠回しに伝わる事は、
たまにあった気がする。
簡易ベッドももちろん運び済みだ。


コンコン。
「旦那様、長官が到着しました。」
「あぁ。」
一通りの挨拶を交わしたあと、早速
少女を診てくれていた。

「意識…魂の核…不安定。」
ポツポツこぼす長官にイライラする。
ついつい殺気が出てしまったのか、
「力を弱めて下さい。彼女が、怯えて
こちらに来れません。ついでに
顔つきが険しいです。」
俺は、すぐに殺気をひっこめた。
最後の言葉は余計だ。

「か、彼女は無事なのか?」
「まだ、捜索中です。」
「はぁ?どうゆう事だ。」

「彼女と私、同じ感じがします。」
「はあ?意味がわからん。魔法省と
魔術省の長官だろ。わかりやすく説明しろ。」

「言葉そのままなんですが、
わかりやすくですか?長くなりますよ。」
「わかりやすく簡潔にしろ。」

「魔法と魔術の違いは、科学、化学の力で
実現できるかどうかです。」

「魔術では一瞬で出来て、科学や化学では
凄まじい時間がかかるとしても、
科学や化学で可能なら魔術と言われます。
なので、魔術と魔法は本質的には
同じもので、現在では魔術と言われるものも
昔はひっくるめて魔法と言われていましたが
二代前、あなたの祖父の代で
魔法省と魔術省に分けられ、
皆が戸惑い、2つの違いを
理解する者が少なく、
運悪く現れたワタクシ、マキ・ジンノが
兼任する事になり、ワタクシは
毎日毎日毎日毎日毎日毎日、あぁ~。
…はあ~、すっごく、かなり忙しいです。
寝る間も惜しむくらい、
ハイハイって感じで無理をしてます。
もうふらふらです。ええ加減、
誰か代わって欲しいのよ。」

「…あっ、あぁ。」
長い。最後あたりは愚痴だよな?
「彼女は…どうなんだ?」
俺は恐る恐る聞いた。
「…意識というか、魂の核がこの世界に
ありません。手繰り寄せるため、私の
助手を呼びましたので、しばらく……。
あっ、来ました。」

核がない?彼女は大丈夫なのか?
色々質問をぶつけたいが、なんとなく
邪魔出来ない雰囲気だ。

「では、よろしくお願いします。」
光の球と闇の球?が浮いていたのが、
長官の声に応じて、彼女に近づくと
吸い込まれるように、スーッと消えた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます

ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。 前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。 社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。 けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。 家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士―― 五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。 遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。 異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。 女性希少世界の社交界で、自分の幸せを選べるようになるまでの ほのぼの甘い逆ハーレム恋愛ファンタジー。

怠惰令嬢の玉の輿計画 昼寝してたら侯爵様と面倒なことになりました

糸掛 理真
恋愛
頑張りたくない 働きたくない とにかく楽して暮らしたい そうだ、玉の輿に乗ろう

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ
恋愛
教師との悲恋、そして突然の死をもって転生をした少女、シャーロット・ジェム。凍れる国にて、小さな魔法屋を営んでいた。名門学園からの推薦状が届いたことにより、平和だった日々に暗雲が訪れるように。 今世も彼女に死は訪れる――未来を望むには二つ。 ――ヤンデレからもたらされる愛によって、囲われる未来か。そして。 ――小さくて可愛いモフモフ、女神の眷属と共に乗り越えていくか。 鳥籠に囚われるカナリア色の髪の少女、ヤンデレホイホイの彼女が抗っていく物語。 生きていく物語。 小説家になろう様でも連載中です。

異世界転生したらアザラシ? でした〜白いモフモフでイケメン騎士たちに拾われましたが、前世の知識で医療チートしています〜

恋愛
ネットでアザラシを見ることが癒しだった主人公。 だが、気が付くと知らない場所で、自分がアザラシになっていた。 自分が誰か分からず、記憶が曖昧な中、個性的なイケメン騎士たちに拾われる。 しかし、騎士たちは冬の女神の愛おし子を探している最中で…… ※小説家になろう、Nolaノベルにも投稿しています ※完結まで毎日投稿します

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

処理中です...