【完結・R18】28歳の俺は異世界で保育士の仕事引き受けましたが、何やらおかしな事になりそうです。

カヨワイさつき

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第一章 2人の約束

18、マーチン国王目線

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*マーチン・メルディ・リストン(国王)目線

本日は総帥からのリクエストで
肉料理になる事を聞いた。
お城の使用人や獣人族、肉好きな
使用人が行く城内の食堂の料理人
ジャー・コッテン料理長に
相談をして、アヤワ料理長が
色々試行錯誤したらしい。

肉料理が、こんなにあったんだと
改めて思ったのが本日、何度目かの
驚きだった。
正直、肉料理の匂いだけでお腹が
いっぱいになりそうだ。

ナオクル・チロメドゥル総帥と
カズミ アカイケ、この2人に
驚かされてばかりだ。
総帥が、食事の席にいる事も
初めての事で驚いた。
あまり顔には出ない方だが、
2人を見ていると国王としての仮面を
ちゃんと貼り付けられているか、心配になる。

カズミが神子たちに似た限りなく
黒に近い黒髪に、瞳の色は少し茶色がかった
色をしていた。
時々、光の加減なのか金色に光っていた
気がしたのだ。パッと見は黒髪黒目の双黒。
マコト様はワザと脱色された金色の髪が
毛先に残っていているが、それと同じ
感じなのか?
異世界では、金色にするのはよくある事なのか?
ハルト様も髪の毛を伸ばされ、
麗しく艶を帯びた黒髪は腰辺りまであるらしい。
カズミは、神子と同じ日本から来たらしいが
どこかの国が召喚を行なったのか?
色々と疑問ばかりが募っていった。
今回の件の協力者を招いての夕食会。
何から聞き出そうか?
「さあ、食事を始めよう。」

私は皆に声をかけ、視線が集まるのを
感じながら神子式の食事の挨拶をした。
「手を合わせて、いただきます。」
「「「「「「いただきます。」」」」」」
「……!!」
カドゥミ、カドゥ、カズミ。
練習を重ねた結果、発音しづらいが、
ゆっくりならなんとか言えるようになった。
先程、目があったが何やら驚いた顔を
しているがどうしたのだろうか?

「カズミ、いただきます、は?」
「えっ?あっ?い、いただきます。」
手を合わせたカズミに
「よく、出来た。」
えっ?笑ったのか?
総帥?ナオクル…総帥?
カズミの頭に手を置いてポンポン
しているのは、誰だ?

「カズミを抱くと、気持ちいいな。」
「…ゴフッ。」
ゴフッ!!国王として、食事中に
出してはいけない音だか、出てしまった。
普段では詰まりにくい食事が
先程から、やたらと詰まる気のだ。

「んっ?可愛いな。あとで抱いてやるから
今は、食べろ、」
「「「「「「……。」」」」」」
ゴブッ。
なんとか堪えたが、スープですら
つまりそうになる。
「そんな目で見るな。食べさせれなくなる。」
「……。」
なんだ?今日、逢ったばかりだと聞いたが
新婚なのか?あれは誰なんだ?
まさか、総帥のニセモノ?
ハルト様たちは、妊娠中だから
魔力を注ぐためにも毎日"イチャラブ"
というのをしているらしいが……。
総帥とカズミ?

「疲れたなら、部屋に戻るか?」
「……。」
カズミは首をブンブン振ったあと
目を回しているように見えた。
首が痛くなりそうだ。
「…やだ…。戻りたくない。」
ガハッ。激甘だ。
しかも、あれは噂の上目遣いに
甘えた声、新婚や婚姻前の恋人とやらが
よくするやりとりなのか?
「あっ、えーっと、み、みんなで食べた方が
美味しく感じると思うから…みんな…食べたい。」
「「「「「「……。」」」」」」
みんな?
「みんな?」
あっ、ナオクル総帥も同じ事思ったのか。
中腰であの体勢、まさか……。
大事な部分が……。直撃する言葉が…。
どこに、なにに……。
なかなか治らないのか、ナオクル総帥は
中腰のまま指示を出していた。
「全て、少量ずつ。」
一斉に動き出した使用人に部屋が
慌ただしくなったが、ナオクル総帥の
目の前のテーブルには、ぎっしりと
料理が並べられたのだった。
アヤワ料理長とジャー・コッテン料理長
をはじめとし、他の使用人も満足げな表情だった。

「どうかしたのか?」
すごいスピードで食べているカズミに
すごいスピードで一口弱に切っている
ナオクル総帥。2人ともすごいが、
急に動きが止まってしまったのだ。

「お、俺(怪我を)治してくれた人に
お礼したいんだ。」
「礼はいらん。」
「でも、ちゃんと(治療)してくれた人に
(お礼を)したいんだ。」
「わかった。貰おう。」
ちゅー。
「「「「「「「……。」」」」」」」
ゴフッ、ガハッ。
「……んっ。」
クチュ、クチュ。
「フッ……すまない。止まらなくなった。」
「ぷはぁ、はあ、はあ、はあ……。」
目の前の出来事が、幻ではなく
現実なのだと思った。
夢や幻かと思い、こっそり自分の足を
自分でふんだり、手をつねってみたのだ。
痛い……。痛すぎる。

「カズミは、美味しいな。」
「「「「「「「……。」」」」」」」
これは現実か、はたまた総帥の偽物なのか
確かめなければならない。

「ナオクル・チロメドゥル総帥……私の
名前を言えるか?」
「…マーチン・メルディ・リストン。」
「あぁ。合ってる。」
「……なにか?」
合っている、合っているが、他に
確かめる方法はあるのか?
総帥……。
そういえば長年生きているらしい
ナオクル総帥の種族を知らない事に
気づいたが、今更聞けなかったのだ。
「いや、確かめたかっただけだ。気にするな。」

「……な、なんで?」
「礼はもらった。」
「えっ?じゃあ、ナオクルさんが
俺を治してくれたの?」
「……あぁ。」
「本当にありがとうございました。
お陰様でどこも痛くないです。
身体も暖かいし、痛みもなく、なんだか
身体が軽くなりました。ナルクルさん、
ありがとうございます。」
「私もカズミを抱くと、身体がスッキリする。」
「「「「「「……。」」」」」」
スッキリする事をしたのか?

「あ、あの、そろそろ…
たち…そう……だから。」
「わかった。戻ろう。」
潤んだ目をしたカズミと目があったが、
ナオクル総帥が無意識にだろうか?
視線を遮るように、カズミを胸に抱き上げ
部屋を立ち去ったのだ。
あまりの出来事に、部屋は物音一つしなかった。
食事は、しばらく皆呆けていたので
再会されるまで、時間がかかったのだ。
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