【完結・R18】28歳の俺は異世界で保育士の仕事引き受けましたが、何やらおかしな事になりそうです。

カヨワイさつき

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第一章 2人の約束

40、ナオクルの過去

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*ナオクル・チロメドゥル総帥目線

まだ若かりし頃、私はわがままで
意地っ張り、頑固で、暴れん坊だった。
手に負えない問題児だった。
兄弟と比較され優劣を付けられるのは
当たり前で、変なプライドだけは高く
向こう見ずの嫌な性格。
容姿と肩書きは良かったからか、
来るものは片っ端から食べ捨てた。
周りのものからも冷ややかな目で
見られていた…がその時は気づかなかった。
怖いもの知らずの私は、誰の言う事も
聞き入れず、兄弟に負けたくない一心で
自分の力を示す為に無謀な事を繰り返していた。
尻拭いを父や兄弟たちがしてくれているのを
全く知らなかった。
色々な世界を巡り自分の力を見せつけ
暴れまくっていた。
悪い感情、悪意、妬み、嫉み、瘴気
と呼ばれるモノが身体にまとわりついても
すぐに払い除ける力があるからと、自分だけは
…大丈夫だと自分の力を過信していた。
知らないうちに溜めすぎたモノにより
手を付けられない状態になってしまった。
好き勝手していた私に優しい手を
差し伸べるものは居なくなっていた。
結局は理性を飛ばし、暴れまくった結果、
その場をおさめる為父や兄たちに力で
ねじ押さえ込まれ、チャベツ神が作りだした
失敗した世界、最初に作られた世界に落とされた私。
荒れ果てた地、空気は淀み生命が死んでいく場所。
ほとんどが魔物で言葉が通じないものが
うようよと住む世界。
争い事ばかりの失敗した世界で、
私のわずかな力は暴走し、その世界を
更地にしたのだった。

私の力を完全に削ぎ落とす為でもあり、
父たちが私に与えた罰でもあった。
ほとんどの力を使った私は、
死を覚悟した。
そんな私に寂しそうな表情のチャペツ神が
沢山の種族を慎重に生み出し、
何か夢中になれる事を見つけて欲しいと
言ってくれたのだった。
死に損ないの嫌われ者の私の為に、
丁寧に作り上げた世界、2番目の世界。
チャベツ神も若手に入る部類で、
まだまだ足りない力を他の神や
他の世界から力を借り行き場を
失いかけた生命を呼び寄せ、
この世界を作る手助けになるように導いていた。
呼び寄せられ巻き込まれた魂の中の
一つがカズミの魂だった。
……カズミ。
カズミに出会った瞬間、一気に
私の世界が変わった様に思え、
何物にも代えがたい存在になった。
愛しいと初めて思った存在。
なのに、慣れた頃自分の悪いクセが出た。
私の我を通そうとした。
カズミを失った時、私も死にたかった。
だが、カズミは私が後を追うことを
許してくれなかった。

後悔しながら長い年月をまるで
死んだかのように長々と生きていた、数百年。
チャべつ神、この世界を作った神が
何かを話かけていたが、何もする気が
おこらなかった数百年。
輪廻転生?生まれ変わるための輪に、
カズミが入った様だと知らせを受け
また逢えると喜んだ百年。
どんな生き物でも意思疎通出来るなら
うれしいと感じ始めたのが
百年足らず。
ワクワクしていた期間ともいえるのも
百年足らず……。
生まれてこない魂にイライラ感がつのった
百年……。
似た様な魂すら生まれてこない事に
やる気無さや悔しさ、絶望感、
自ら瘴気にのまれそうになるのが
数百年?
自暴自棄になり、手当たり次第
当たり散らしそうになったのが百年足らず。
チャべつ神が、違う世界で似た魂を
見つけたかもしれないと言われたのが
数十年前。
確認すると言われ、毎年なかなか
その世界に行けなかった。
チャベツ神が整えているこの世界を
知ってもらおうと、カズミが生まれた世界に、
この世界の事を縮めた様な、疑似恋愛?
イマイチわからないが、私たちに似た人物と
恋愛できる様な物を作り、その世界に
ばらまいたそうだ。
違和感をもたれないためにも、必然的に
狡猾なやり方で、紛れ込ましたそうだ。
今度こそという期待感からか、
身体中から震えがきた。
1000年を過ぎた今、こことは違う
異世界、ニホンで生まれたカズミは
スクスク成長し、チャべつ神が
見守る魂として、色々な神から注目を浴びていた。

子どもに携わる仕事につき、心優しい性格に
育ったカズミ……。
人に殴られたタイミングで倒れた時に
頭をぶつけたカズミを助けようと
ちょうどくしゃみしてしまったチャベツ神と
ともべちゅ神、キチマリーチェ女神が
同時に動いたらしい。
3神同時に手を差し伸べた時の力は半端なく、
頭をぶつけたカズミの魂が
スッポリと抜け飛んでいってしまったのだ。
少しの間見失ってしまい、身体と魂が
別物になってしまったのだ。
見つけた頃には、どうすることも出来ず、
3神の力を合わせて魂の器、身体を作り
魂を入れ、神力が薄くなった神たちは
カズミを私のいるリストン王国に
転生させたのだった。
信仰心が薄まったこの異世界で神力を
補うことは難しく、一度はこの世界を
離れたそうだ。
カズミに加護も祝福もつけずに
転生させた神々に文句を言いたかった。

カズミと再び出逢い息を吹き返した様な私。
そして、再び失いかけた私。
カズミに辛い思いをさせたモノを
生かしてはおけない。
気づけばまた理性を失っていた。
神々と神子、そして愛しいカズミに助けられた。
力を失った時の私は、カズミの世界にいた
"ワニ"に似ているらしいが、
私は"ワニ"ではない。
龍神族だ……。
誰も私を信じてはくれない世界、
龍神の事すら知らない世界に
落とされた私は神としての力を
失ったのだろう。
私はカズミを恋しがり、欲する者。
カズミが居なければ、存在しない者。
カズミが欲しいと言うならば、
なんでも与えたくなる者、
それが世界であれ、私の命であれ、
何でも与えたい。
優しく愛しいカズミは、
望まないだろうがな……。

            **

「ナオクルさん、あっちのお店何かな?」
「カズミのような、甘いお菓子が置いてる店だな。」
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