【完結・R18】28歳の俺は異世界で保育士の仕事引き受けましたが、何やらおかしな事になりそうです。

カヨワイさつき

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第一章 2人の約束

39、カズミと総帥

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*カズミ目線

さっきまで、俺キチマリーチェ女神様や
ともべちゅ神様?キャベツ…じゃなくて、
チャベツ神様?と話してたよね?
神の力……。
信じる事が、神の力になる…?
現実に戻ったようで、大きなナオクルさんに
俺はしがみつくことしか出来なかった。
ナオクルさんの叫び声や、黒いモヤが
身体から吹き出し、みるみるうちに
人の姿ではなくなっていった。
怖い…怖いけど、ここで手を離したら
もうダメな様な気がした。
ピクッピグッと唸り声をあげながら
ナオクルさんの身体が変化していった。
某マンガや某アニメに出てくるような
ドラゴンそのものの姿になっていた。
天井を突き破るような大きさで、
ナオクルさんに抱きついていたのに
両手では抱きしめられない大きさになり
顔つきや骨格も変化してしまった。
ひんやりした銀の鱗に、目は紅く血のような
涙を流しながら叫んでいる。
紅い涙は俺の頬にかかり、その涙が
熱く感じてしまった。

「「俺はここにいるよ。"ナオ"。」」
……この声?懐かしい…?!
遥か昔に俺(僕)たちは
あったことあるよね?
懐かしい記憶……。
少しだけ思い出した記憶。
いつ、逢ったかな?どこで……。
「「貴方はずっと待っててくれたの?」」
「「ごめんね、時間かかりすぎちゃったね。」」
俺は、俺なのに別の自分の記憶が少し蘇った。
約束した様な気がした。
出逢ったのは、森…?
木の上から傷ついた小さな"ワニ"が
落ちてきたと思ったんだ。
きれいな色の"ワニ"。
"ワニ"だから水につけなきゃと思い、
傷ついた体を濡れタオルで包んだら、
"ワニ"が人間っぽいくしゃみをしたんだ。
お互いあの時驚いたんだよね。
しゃべるようになり、一人暮らしの"僕"の
家に住み着き、そしてヒト型を取れるように
なった"ナオ"。
名付けで"ワニ"は嫌がった"ナオ"。
照れ屋で、意地っ張りで、頑固。
そのくせ「素直にやらせろ!」
「素直に俺の言う事を聞け!」

何かを言うたび俺様口調で、あまりにも
何度も"素直に"と言うもんだから、
す"なお"にと言いながら、
言い"くる"めてくる者という意味を込めて
略してナオクル、更に縮めてナオっ名付けたんだ。

名付けにあまりにも喜ぶから、
名前の由来を言い出せなくなった俺。
初めてあった時からなぜか、
俺…僕を口説くように甘い言葉ばかり
言うようになったんだよねー。そして、
俺が"僕"だった時、まだ小さな"ナオ"が
印をつけるか付けないかでケンカして、
"僕"が家を飛び出したんだ。
外は暗かったと思う。
最後の瞬間に、ケンカしていた"ナオ"を
強く想ったんだ。
そして、魔物に殺されながら"僕"は"ナオ"に
助けと想いを自覚し、"次に巡り逢えれば
一緒に……。"って最後は言えず死んだんだ。

"僕"は俺で、俺は"僕"なんだ。
だから初めて逢ったのに、懐かしさや
安心感あったんだ。
忘れていてごめん。
なんの力もない平凡を望んだ"僕"。
今は、神様や女神様たちの
力を貸して欲しい。
「お願い。キチマリーチェ女神様、
チャペツの神様、ともべちゅ神様、
よろずの神々様。御供物は後で
ちゃんとしますから、"ナオ"を
ナオクルさんのこの気持ち悪い
モヤモヤを消して下さい。
お願い。俺は、あなた方神様たちが
存在することを信じます。」

光が強くなり黒いモヤモヤが
薄くなっていった。
眩しかった光に目が慣れたのか
周りの様子が見れるようになっていた。
周りの風景は…場所が変わっていた。
いつのまにか、ナオクルさんの部屋。
マーチン国王と、マコト様、ヒューゴさんに
支えられているハルト様。
マコト様とハルト様は、俺たちに
手のひらを向け魔法を使っていた。
なんだか癒されていくような、
力が湧くような不思議な感覚だった。

「"ナオ"お願いだからヒト型になって。」
"ナオ"の身体がピクッとした。
「大きいままだと抱きしめれないよ。」
お互い視線を交わしあい、"ナオ"は
大きな瞳で俺を見ていた。
「"ナオ"戻って。俺と僕はここにいる。」
………ナオ。
「早く抱きしめあおう。約束だよ。」
驚いた表情をした気がしたんだ。
「キスしよう。このままだと届かないよ。」
"ナオ"の身体は、何度かビクッビクッと
痙攣の様になり、苦しそうに
うめき声を上げていた。
「つらいよね。チュッ。痛いよね。チュッ。
ごめんね。ちゅっ。ごめん……。」
大きすぎて、身体のどこにキスを
しているのかわからない。
魔力も何もないけど、早く戻って欲しい。
いつもの様に、頭を撫でたりして欲しい。
わかってもらえない気持ちだろうけど、
俺と僕の届かない想い……。
愛とか恋とかわからないけど、
いつも一緒にいた。
「早く素直に戻らないと、"ワニ"って
呼ぶよ。いいの?"ワニ"!!」
他の者と一緒にいても気になるし、
"ナオ"のそばに他の者がいると
いつも、嫌な気がした。
そこは、俺(僕)の場所なのに……。
     **
気づけば俺は、裸のナオクルさんに
ひざまくらされていたんだ。
しかもうつぶせ。
何か硬いものが、顔に当たっていた。
ナニ?!
現実逃避しよう、"ワニ"の"ナニ"?
渾身の親父ギャグ……。
自分自身の寒いギャグに
かなりダメージを受けてしまった。
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