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14、王都にイこう

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俺、神野 天(かみの てん)はパンクマ族という珍しい種族であるクーマからの、甘いささやきや、甘いお誘いにかかり度々体調を……ゴホッ。
同じく同じ種族であるアマアマさんが作った超甘いお薬、薬草茶のお世話になることが多くなっていた。
腰には湿布薬の様にスースーするモノ(大きな葉っぱにヌルヌルスースーする塗り薬の様な物が付着したやーつ)を貼り付けているのが日課になっていた。

疲労と甘い誘いに負けてヤッてしまった後の倦怠感(けんたいかん)。
ロー村からファミ町まで割とすぐとか言っていたのに、くそっと神野 天はなぜか自分の体力のなさなどに毒付いていた。
体調不良?で出発日を大幅にずらしたり、出発したらしたでトイレ休憩でクーマに襲われかけたり、とにかく道草しまくっていたのだった。
クーマと俺の間にカラカラさん親子が入り、パンクマ族4人と人族である俺1人、あわせて5人で王都に行く事になった。
それはなぜかと言うと……。
言葉が通じない事だった。
言葉を介する魔法をのせ体液交換すれば、まじない程度だが言葉が通じるらしいが、量や濃度にもよるが数時間しかもたないそうだ。
クーマが俺にやたらとキスするのはそのせいだったのかと思った。
キスから気分が盛り上がり最後まで致してしまうのも頻繁(ひんぱん)というか当たり前になっていた気がする。このままでは、俺の身体がもたないかもしれないと心配したカラカラさん親子の提案により、言葉が通じるマジックアイテムを王都の店に買いに行こうとなった。
カラカラさん親子は、ファミ町を中心に薬草茶や回復師としての仕事をしているそうで、定住はしていないそうだ。
薬師ギルドと回復師として商業ギルドと冒険者ギルドで登録しているカラカラさん親子。
「身分証?」
「そう、身分証代わりにもなるし通行税も格安になるし、ある程度の大きさの町などに入る時の取り調べ時間も短縮になるから、かなりお得だよ。」
初回登録料無料、紛失時再発行は一万ニャワン、身分書がわりと言ってもランクが低いうちは、町にあるギルドのお手伝い程度の依頼や、薬草集め、薬師見習いの様に薬草を洗う仕事などの簡単なお仕事もあるそうだ。冒険者ギルドに登録したからと言って、必ずしも冒険、魔物を狩る仕事をしなくてもいいそうだ。
実際に、町のお掃除やどこかのお店の荷物整理などでFランクからCランクになっている人もいるそうだ。
ちなみにチュチュ君はギルドカードは持っていない。
登録は10歳以上からだそうだ。
俺は24歳だからもちろん受けれるはずなのに、ファミ町でのギルドでなぜか本当にギルドカードを取得するのか?とギルド職員に聞かれてしまった。
なぜだ?
さすがに10歳以下には見えないはずだが……。

「可愛いくて愛しい"テン"がたまらない。」
「ク、クーマ…!!」
やられると思った時、ベリッと音が聞こえそうなほど
俺たちを引き剥がす役目は、カラカラさん親子。
レアな獣人族であるパンクマ族、更にレアな色のクーマ、注目を浴びない方がおかしい。
おまけのような俺は超素朴、平々凡々な顔。
なんでおまえみたいなのが、そこに混ざってるのって感じで見られる。
常にクーマかカラカラさん親子がいるので、旅をしてからは1人になった事はない。
1度ロー村で、たまたま1人でトイレに行く事があったが、他のデカい獣人族に囲まれクーマとの関係を聞かれたり、握手して欲しいだのどさくさに紛れ胸やお尻を触られた事があった。
日本にいた時の事が思い出され、嫌な出来事を次々と思い出されグルグルと目を回してしまった。
気付いた時には、温かなクーマの腕の中で、クーマが聞いたこともないような恐ろしい唸り声をあげていた。
そんな出来事があってからは、ベッタリと言っていいほどクーマが俺に張り付いている。
それが心地いいと思っている俺もたいがい、何か色々と犯されてしまったんだなぁと思う今日この頃。

「……もぅ、許して…代わりに僕が……。」
「うるさい!!うるさい!俺が高い金で買ってやったんだから早く動けよ!!」
きゃ~
ファミ町から次の予定地に移動しようと町を出る寸前、人ざかりができていた。
悲鳴も聞こえたので、無意識にクーマに自分から抱きついていた。

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