空と日と月に愛された子

カヨワイさつき

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第3話 お散歩

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毎月恒例の行事、妊娠検査薬を
使い終わり、買い物に行くのも、
面倒だなって思ってました。
何もかも嫌になる時でした。

くろが、胴輪とリードをくわえて、
散歩に行こうって、言ってるような気が
しました。
「くろ。ごめん。行きたくないよ。」
ガシッ。ガシッ。
鼻先で、リードを寄せてきて、散歩
連れて行け~って、目を輝かせて
しっぽもパタパタしていました。
「もう、嫌だって。夜、太陽さんと
一緒に、行けばいいでしょう。」
私は、つい、くろの胴輪とリードを、
部屋の隅に、投げてしまいました。
八つ当たりした。私、最低だ。

くろは、新しい遊び?と勘違いしたのか
リードをくわえ、私の、手の甲に、
ポトンっと、落としました。
「投げて、ごめんね。くろ。」
なんだか、涙がとまりませんでした。

しばらくの間、私はくろに、顔を
ペロペロ舐められていました。
「くろぉー。ドックフード臭いし、
顔ベトベトだよぉー。」
くろを、撫でてあげたあと、
抱きしめました。
くろは、少しだけじっとしていましたが、
リードを見た瞬間、投げて欲しそうに、
少し距離をあけたり、近寄ってきて、
私の手に握られたリードを
ツンツンしたりしていました。
「もう、しょうがないなぁ。あー。
めんどくさい。くろーっ。」
何度か、リードを投げ、それをくろが
取ってくる遊びをした後、
くろをまた抱きしめ、わしゃわしゃした後、
毛むくじゃらに、なった家着を脱ぎ捨て、
散歩に行きました。
今日も、お天気は、良いわね。

なぐさめてくれたし、むしゃくしゃしていた
私を散歩させているくろは、
私の散歩コースではなく、最近よく行く、
公園近くの池の散歩コースに、
向かっていました。
特別に、30分コースかな?
って思いながら、歩いていると、
子ども数人と、近所のよく見かける大人
数人がいました。
何か、あったのかな?
そーっと近づくと、
「くろちゃんだよね。こんにちわ。」と
話しかけられました。犬の散歩仲間?
「くろパパさんが、散歩してるのは、よく
みかけるから、うちのチビ子とよく、
遊んでるんだよ。」と言われました。
豆柴の、茶色い女の子でした。

「こんにちわ。チビ子ちゃんかわいいね。」
私はこの公園の散歩は、ほぼ初めてだし、
犬友達も、いませんでした。
公園の無料ドッグランで、朝の時間に、
同じになるそうでした。

まだ、何かを囲むように、子どもと
大人は、話していました。
「どうかしたんですか?」
「くろママさんは、猫って好き?
やはり犬飼ってるから、無理だよね。」
猫?
「親猫らしき猫が、轢かれて亡くなった
みたいで、子猫が、何度も
道路に出てくるんだ。」
親猫が、轢かれていた場所には、
血の跡がありました。

チビ子ちゃんパパに、主人と相談しないと
わからないのでと、子猫を見ないまま
家に戻りました。
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