【R18・完結】ショウドウ⁈異世界にさらわれちゃったよー!お兄さんは静かに眠りたい。

カヨワイさつき

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焦っていた

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プーエル・ベアラ・リストンは
怒りの為に忘れていた。
連絡なしでお城に戻ったのだった。
マーチン・メルディ・リストン第二王子の
密命、黒い神子を探し出し保護せよっという
内容の事を。

逃げられたことを報告せずに、お城の自室に
戻り冷静になった時、プーエルは
色々と冷や汗が流れていた。
ここ数ヶ月、連絡を怠っていたのだ。
第二王子の近衛騎士、一年足らずだが
無連絡……。いや、保護した時の
一度っきりの連絡だった。
今の現状、自分の扱いは、いったい…
どうなっているのだろうか?

城門をくぐった段階で、連絡は入った筈だが
第二王子のマーチン様に謝罪をせねばならない。
取り次ぎを頼み、謝罪することを考えていた。

コンコン。
「プーエル・ベアラ・リストンただいま
戻りました。」
「入れ。」
「失礼します。」
ガチャ。

パシュッ。
入った瞬間、遮音の魔法が繰り出され
第二王子の突き刺さるような眼差しと
威圧がかけられた。
冷や汗が滝のように流れてしまった。
「で?今更、何の用だ?」
「も、申し訳ござ…。」
ザクっ。
ギッギッギッと首が油の回らない
機械にでもなったような音が聞こえる気がした。
首元スレスレに、魔力を帯びたナイフが
壁に刺さっていた。
冷や汗が近衛の騎士服をベッタリと濡らした。

「無能の言い訳は要らない。何をしに来た?」
冷ややかな目、息をするのでさえ
ためらってしまう静まりかえった室内に
ゆっくりと話す我が主の声。

「……。」
「連絡を怠り、神子を逃した?いや違うな
確か色々やり過ぎて逃げられ、カナップ領の
ギルドマスターに丁重に保護されている
らしいな。しかも冒険者ランクもなかなかの
腕前で、カナップ領は、瘴気が薄まり
農作物など豊作続きらしいな。」
「……。」
「私の優秀な兵が、簡単に調べあげ毎日
報告されるんだが、カナップ領に居ながら
念話での報告や、とあるものは魔法の
手紙という手段の報告があるんだが、
魔法を忘れたのか?それとも
お前からの報告は、何者かに
妨害でもされているのか?」
「……誠に申し訳ございません。」
俺は、第二王子にお預かりした黒い神子
ハルト様の保護をする時のお金と
マジックバックを王子にお返しした。
「これは、どういう意味に捉えたらいいのか
説明せよ。」
「ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
責任をとり……。」
「責任をとって辞めるのか?辞めて、
大好きな神子様を、追いかけるのか?」
もう王子の顔を見続けられないほどの
威圧がかかり、項垂れながらも
足に力を入れ立ち頭を下げていた。
「…仕事が手につかないほど、大切な人が
できました。大変申し訳ございません。」
数秒だったのだろうが、長く感じてしまう
時が過ぎ去った。

「第二王子直属近衛騎士プーエル・ベアラ・リストン
マーチン・メルディ・リストンの名の元に
ただいまをもって解雇する。」
「……。」
俺は静かに騎士最上級の礼をした。
「幸せにな。」

マーチン・メルディ・リストン第二王子
私にとって最初で最後の最高の上司でした。
ありがとうございました。
俺はドアを閉めたあとも、しばらく頭を下げていた。

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