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シバリンの実況 2

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皆様、おはようございます、こんにちは、
又はこんばんわ。
ただいま実況初挑戦のシバリンでございます。
皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

現在この広い豪華なリビングには、
カナップ侯爵ご当主様、第1の奥様の
キャサリー様と第2の奥様スキーナ様。
御子息ヒューウン様と夫のアジュラン様。
御次男のヒューゴ様と妻のハルト様。
7名の豪華な方々に対しお客様は…。

ギーニ・キサキー二様。
プーエル・ベアラ・リストン様。
ソリトル伯爵領のご領主、
シューガー・ソリトル様。
マコト様とキオナ様の5名様が
ソファーに座られ、な…和やか?に
寒暖…じゃなくて、歓談をしようと
されているらしいです。

先程からつきささるような視線や
ドラーゴン・ゾーラのリーム様と
眠ったままのキュイ様も参戦し
冷たい氷が一瞬部屋に散らばりました。
それが、こちらの会話でございます。

「はじめまして、私がカナップ領当主の~~~。」
とカナップ侯爵様の挨拶から始まり、今は
ヒューゴ様とプーエル・ベアラ・リストン様の
会話に移りました。

「久方ぶりですね。あれから、探し人は
見つかりましたか?」
「えぇ、その説は大変お世話になりました。
ようやく見つかりましたが、何やら
厄介でしつこそうな邪魔な者が
くっついているようです。」
「それは、大変ですね。自分な愚かな行為か
どうかはわかりませんが、あっ、風の
噂によりますと貴方様は、第2王子の近衛騎士を
クビになられたと聞きましたが、無職で
大変なご苦労されているようですね。」
「…私も噂ですが、天使を手にして仕事が
疎かになった挙句、ギルドマスターを
こちらのギーニさんに、押し付けたらしいですね…。」
「押し付けてはいませんよ。ギーニは
大変優秀ですし、私より向いてます。
今回の騒動も大変素晴らしい采配を奮い
早急に収束させているし、ちゃんとお手紙で
お知らせと誓いをしただけです。」
「……。」
うわぁ。ギーニ様、ヒューゴ様を睨んじゃてます。
それに対し、ヒューゴ様ギーニ様にニッコリ
笑ってます。

「熊のような大男やすべての敵から、
我が妻を守る為、仕事を辞め全力で
守ろうとしてる最中なんですよ。
実に刺激的で充実した生活ですよ。」
「そちらの腕の中の奥方様は、私の
妻になるはずだった"ハル"なんですが…。
ま、まさか妊娠して…るのか…。」
「おかしな言葉も聞こえましたが、我が妻の
"ハルト・ショウドウ・カナップ"は
現在私との子をお腹に抱いてます。」
「……。」
悲痛な凄みのある表情で涙を流す
プーエル・ベアラ・リストン様。

「"ハル~"もうダメなのか?」
「…ごめんなさい。王宮の事、国王や王子に
された事…。忘れないのと同じで、最初から
知りながら、俺に近づき…名前も……。」
「名前?名前は、誰にも呼ばれない
セカンドネームを"ハル"だけに特別に
呼んで欲しかったんだ。」
「……知らないから…不安だった。
最初から……俺が何か、何をされたのか
わかってるなら……教えて欲しかった。
ごめん…今、あなたを見るのが……。
色々…思い出し…辛いんだ。」
ハルト様は、ヒューゴ様の胸に顔を
お隠しになり泣いておられるようだった。

「プーエル・ベアラ・リストン様。
我が領地からご退出お願いします。」
カナップ侯爵自ら、静かな声が
部屋に響いた。
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