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マコトとハルト 1

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会話は表面上和やかに進んでいた。
自己紹介や挨拶、祝いのコトハギを
のべ終わったころ、マコトから
ハルトに、二人っきりで話したいことがある。
と言われた。
ハルトも、同じ召喚者同士で話し合って
みたいと思い、ヒューゴにお願いをした。
渋られると思ったが、意外にも反対は
されなかった。
しかし、見えないところでは不安という事で、
同じ部屋で、遮音をしてならという
条件付きでオッケーが出ました。
部屋の片隅に移動したマコトとハルト。

「ある意味はじめまして。俺、岡真琴(おかまこと)
っていいます。21歳です。」

「ホント、ある意味はじめましてだね。
俺は正道晴人…こちらではハルト・
ショウドウ・カナップ年齢は31歳だよ、」
「ヒューゴ・カナップさんとピアスと宣誓
したんだ。いいなあ。羨ましい。俺はまだ
誰とも結婚出来てないし、バッドエンド回避
する為に、リストン王国の国王と第一王子を
ベタ惚れさせたけど、ゲームと違って、
デブで気持ち悪いし、ねちっこいし、
挙げ句の果てに監禁状態だったんだよ。
キオナの、おかげて抜け出せたけど……。」
はぁ~とため息をついたあと、目を輝かせ
こちらを見た気がした。

「ハルトお兄さんの事、コンビニで
出会ったときから、いいなぁって
思ってました。まずは、お友達から
よろしくお願いします。」
「……よ、よろしく?」
ゲーム?バッドエンド?
デブ……。うっ、お城でされた事
思い出してしまった……。
「マコト君は監禁……大丈夫だったの?」
21歳と言うことは、成人したばかりで
この世界にきたから、この子も、同じように
襲われていたし……精神的に大丈夫だろか?
「語尾がクエスチョンマーク?アハっ。
ハルトお兄さん、可愛い。俺の
タイプだわぁ。いいなあ。」
「……(あはは)あ、ありがとう…。」
「ほんでさぁ……。」
おいおい、いきなり話変わるのか?

「ハルトお兄さんは、この世界の事
どこまでしってるの?ヒューゴ・カナップさんは
確か闇と風の属性で、明るい反面、嫉妬深いから
一人だけのお付き合いだと、監禁や軟禁ルートに
なりやすいんだけど、プーエル・ベアラ
・リストンさんも、ヨロシクしちゃったり
してたとか?他にも、やっちゃってたりするの?」

ゴフッ……。
な、ななな何だ、この子は…。
人の傷口えぐってくる、無邪気な笑顔。
痛い、痛いよ、心が…。
「さっきから、何を言ってるか
わからないんだけど。」
この子、なんだか怖い……。
俺は、話が通じない得体の知れない
モンスターと会話を試みる人状態だと
思ってしまった。
冷静になろう。
相手は21歳だけど、中身は子どもだ。
「ハルトお兄さん?なんだか失礼な事
考えてない?俺は、ゲームオタクなだけ。
普通だからね。」
ゲームオタクで、普通か…。
「さっきもゲームとか、バッドエンド回避とか
言ってたけど、どういう事なんだ?」
「あー、うん、ハルトお兄さんはパソコンゲームや
携帯ゲームとかした事ある?」
「あぁ、携帯ゲームなら…。」
仕事の隙間時間や、眠れない時、パズル系ゲームを
チョロっとする程度なら経験有りだ。
「恋愛趣味レーションとかだよ。」
「な、ないな。」
「だと思った。ハルトお兄さん、基本女性が
好きなストレートだったでしょ。」
「す、ストレートって…じょ、女性が好きなのは
当たり前だ。
「当たり前…かぁ。俺は、女性が怖くて
苦手…。年上過ぎる男性も苦手。でも、
恋愛対象は、男なんだ。」
虐待…?複雑な家庭なのか?
「……。」
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