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第二章 三英傑の元へ
第6話 三英傑のほこら
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牧場を出てひと月が過ぎた。
モロゾフさんはたくさんの食糧とロンの遺品である剣を僕にくれた。
寂しそうな顔をした彼と別れるのは辛かったけど、ロンも見守ってくれるし、お嫁に行った娘さんの家から跡継ぎをもらうことにしたらしいし、僕がいる必要もないと思った。
というわけで、今後の身の振り方を考えなくちゃいけないんだけど……
『懐かしいなー。
昔、私がここに来た時は四人パーティでね。
リーダーが僧侶だったんだけど、聖水なんてのを高値で買い集めてさ。
そんなのただの水じゃん! って言ったら悪魔呼ばわりしてジャブジャブ聖水かけてきてねー。
そしたら肌の調子が良くなるし、リーダーは私を崇め始めるしおかしかったなあ』
今のセシリアに聖水かけたら消滅するのだろうか?
と不謹慎なことを考えている。
僕たちはクエルの町という大きな町に辿り着いた。
牧場を出て、ようやくたくさん人のいる場所に来たのだけれど……
「ねえ、セシリア。
冒険者ギルドの登録もせずに何をするの?」
『まあ、慌てない慌てない。
ダイアウルフは倒せたけど、あんなのちょっと鍛えたら誰だって倒せる雑魚モンスターだからね』
「一流の冒険者が遅れを取るとか言ってなかった?」
『…………リスタにはもっと強くなってもらうわよ!
あのダイアウルフが101匹襲いかかってきても蹴散らせるくらいに』
コイツ、露骨に無視したな。
「まあいいけど、じゃあなんで街から出ていくのさ。
冒険者ギルドには武術を教えてくれる人もいるんでしょ。
その人達に教えてもらうんじゃないの?」
『ハ。本当に優秀な冒険者なら人に教えてる暇なんてないわよ。
どう考えても、私より優秀な師匠に出会える可能性はないわね』
「……じゃあ、この先にはいるの?
セシリアより優秀な師匠が」
『ふふん、まあ黙ってついてきなさい』
プカプカと体を浮かべて僕を先導するセシリア。
生き生きとしてるけど、この人も死者なんだよなあ。
喋れるし触ることもできるから実感が湧かないけど。
街からだいぶ離れたところにある山の麓にその洞窟はあった。
かなり広い入り口で馬車でも悠々と通れそうだ。
「ここにいるの? 師匠って仙人?」
僕が半ば笑いながら尋ねると、セシリアはキッと鋭い目で僕を睨みつける。
『私は寛容だから無礼な口叩いても良いけど、これからお会いする方々の前では礼儀正しくしていなさいよ』
「わ、分かったけど誰なのさ。
心の準備をさせてよ」
僕がそう言うとセシリアは洞窟の入り口のそばに建てられた石碑を指差した。
そこに書かれていたのは、
【ユーレミア史上、最も偉大で勇猛たる三英傑の功績を讃え、ここに祀る ユーレミア王国 十七代目国王ニコライ三世】
という古い文字だった。
「三英傑?」
『まさか、あなた知らないの!?
冒険者の祖『ベントラ』、賢者の中の賢者『ナラ』、最弱の英雄『ザコル』。
ユーレミア国民なら誰だって知ってる名前でしょう!?』
「そんなこと言われても……英雄譚なんてあまり読まないし」
『まったく……嘆かわしいわね。
自分の国の英雄くらい覚えておきなさいよ。
この方達がいなかったら私たち生まれもしていなかったんだから。
まあ良いわ。いきましょう』
そう言ってセシリアは洞窟の中に入っていった。
真っ暗闇の洞窟の中。
セシリアは闇に浮かぶように発光している。
僕はその光を頼りに進んでいく。
「でも、本当に居るのかな?
祀るって書いてた割に手入れとかされてる雰囲気じゃないんだけど」
『つくづく嘆かわしいわねー。
私が若い時なんて冒険者はみんなこぞって拝みに来ていたのに。
なってないわあ』
年寄りのような怒り方をしながら鼻を鳴らすセシリア。
それにしても、三英傑かぁ。
どんな人たちなんだろうか。
やっぱり、伝説になるくらいだから屈強で男らしい人たちなのかな?
と、想像して歩いていると、遠くの方からジャラジャラ、と石を混ぜ合わせるような音がするのが聞こえた。
その音は霊の放つ声のように頭に直接響く感じだった。
「三英傑が……奥にいる!?」
僕達は引き寄せられるように奥に向かった。
ジャラジャラ、ジャラジャラ、ジャラジャラ……
洞窟の奥には古く朽ちかけた祠があり、その前に三人の男たちがいた。
一人は獅子を思わせる黄金色の長髪の大男。
一人は氷のように怜悧な印象を与える細身の老人。
そして、百人人間がいれば五人くらいはこんな姿をしている、といった風な平凡な容姿の青年。
暗闇の洞窟を照らすように放たれている光は彼ら自身から出るものと、彼らの周りにある机や手元の指先ほどの大きさの四角い石から出るものがある。
おそらく、僕の眼でなければ見えないものなのだろう。
彼らは石をそれそれの手元に十個ほど整然と並べて、それを机の真ん中に置いたり、逆に真ん中に積まれた山から引いたりといった作業を繰り返している。
そして、平凡な容姿の男が声をあげる。
『よーーーーし!
コレでアガリっ!
【エターナル・ブリザード】!
18000ポイントオール!』
『げえっ! マジかよ……
うわぁ、裏バフ合わせて10hitじゃねえか』
『ワシの目を何千回欺けば気が済むんじゃ……
もう賢者の称号ヌシに譲りたいわ』
『へっへっ、これで二人ともオーバーキル!
俺が13974勝。
ナラじいが2321勝、そしてベントラの旦那が978勝だな』
『ったく、何が最弱だ! この大嘘つきめ!』
『そんなに褒めるなよ~照れるじゃん』
何か……盛り上がっている?
岩陰に隠れながらセシリアに小声で尋ねる。
「セシリア? アレは何をやってるの?」
『あれは……卓上遊戯の一種ね。
でも、どうやって掴んで……
幽霊は物に触ったり干渉することはできないはずなのに』
とセシリアが首を傾げた瞬間、
『それはな、この牌もまた、霊体のようなものだからじゃよ。
お嬢ちゃん』
老人がこちらを見ずにセシリアの問いに応えた。
すると、残りの二人がこちらを見た。
『あれれー、えらく美人な女幽霊ちゃんがやってきたじゃない。
どう? キミも混じる?』
平凡そうな容姿の男がセシリアに露骨な色目を使う。
なんだろう、すごくモヤっとする。
『フン。来客などいつ振りだろうな。
最近は死者も生者もここには寄り付かん。
たいしたもてなしはせんが、身の上話くらいは聴いてやるぞ』
と、ぶっきらぼうに言う大男。
すると、老人がため息を吐いた。
『ヌシら覚えとらんのか?
このお嬢ちゃんは19年と238日前にも来ておったろう。
予想通り、あまり長生きできなかったようじゃな』
『お、覚えていてくださったんですか?
光栄ですっ!』
セシリアは物凄い勢いで頭を下げた。
こんなに腰が低いセシリアを見るのは初めてだ。
もっとも、僕と牧場のロンくらいしか会っていないけれど。
と、セシリアをじーっと見ていると、平凡な容姿の男が近づいてきて僕の顔を覗き込んできた。
彼は怪訝な顔をして、一言。
『おまえ、見えてるだろう』
セシリアに呼びかける時とは明らかに違う警戒した声だった。
「あ、はい。
どうやらそういう眼をしているみたいなので」
『ふーーん…………
ナラ爺! 知ってる?
こういう霊が視える生者って!』
ナラと呼ばれた老人は重そうな腰を上げてこちらに近寄ってくる。
『知らんな。
此処を訪れる連中の中で、後に英雄に名を連ねる者もおったが、奴等もワシらの事は見えておらんだ。
それに————』
ナラさんは僕に先ほどまでいじり回していた石を投げてよこした。
その石には【炎】と描かれている。
『ワシの創った牌にも触れることができる。
霊体に干渉すらできるのだろう。
つまり、その逆も然り。
これはこれは面白い実験体がやってきたもんだ。
解剖して調べていれば数年単位で時間を潰せるな』
涼しげな表情をグニャリと歪めてナラさんは愉しそうに笑った。
それが怖くて思わず後退りしてしまったが、セシリアが僕の前に壁のように立ちはだかって、彼らに物申す。
『お言葉ですが、この者はあなた達の生贄にするために連れてきたのではありません。
この者にあなた方三英傑の持つ技を伝授していただきたいのです。
冒険者の祖ベントラ様、賢者の中の賢者ナラ様、最じゃ…………英雄ザコルさま』
一瞬、言葉に迷ったセシリアを笑う平凡な容姿の青年。
『別に言い直さなくてもいいよ。
そうでーす。
俺が最弱無敗のトリックスター、英雄ザコルさまだ。
またの名をハーレム王とか、神様の悪ふざけとか、人間のクズ、来世は虫ケラとして転生してほしいとか……とまあ、異名の多さでは俺がナンバーワン!』
後半はただの悪口ではないだろうか?
人は見た目によらないというが彼が本当に英雄に名を連ねるような事をしてのけたとは思えない。
ただ、彼が大声で楽しげに騒ぐお陰で緊張した空気が緩んだ。
そこにベントラさんが近づいてくる。
近くで見るとなおのこと大きい。
背丈は2メートル以上あるし、肩幅も僕が横になったくらいの長さがある。
『ナラ。勘弁してやれ。
生者と話せて嬉しいかもしれんが、あんたの冗談は分かりにくい』
『ふん、子供を揶揄うのは年寄りの生き甲斐じゃ』
『俺の方が古い時代の人間なんだがな……
おい女。冒険者だろうと酌くらいできるだろう。
久々にやるぞ! 酒宴だ!』
とベントラさんは大きな声で呼びかけた。
モロゾフさんはたくさんの食糧とロンの遺品である剣を僕にくれた。
寂しそうな顔をした彼と別れるのは辛かったけど、ロンも見守ってくれるし、お嫁に行った娘さんの家から跡継ぎをもらうことにしたらしいし、僕がいる必要もないと思った。
というわけで、今後の身の振り方を考えなくちゃいけないんだけど……
『懐かしいなー。
昔、私がここに来た時は四人パーティでね。
リーダーが僧侶だったんだけど、聖水なんてのを高値で買い集めてさ。
そんなのただの水じゃん! って言ったら悪魔呼ばわりしてジャブジャブ聖水かけてきてねー。
そしたら肌の調子が良くなるし、リーダーは私を崇め始めるしおかしかったなあ』
今のセシリアに聖水かけたら消滅するのだろうか?
と不謹慎なことを考えている。
僕たちはクエルの町という大きな町に辿り着いた。
牧場を出て、ようやくたくさん人のいる場所に来たのだけれど……
「ねえ、セシリア。
冒険者ギルドの登録もせずに何をするの?」
『まあ、慌てない慌てない。
ダイアウルフは倒せたけど、あんなのちょっと鍛えたら誰だって倒せる雑魚モンスターだからね』
「一流の冒険者が遅れを取るとか言ってなかった?」
『…………リスタにはもっと強くなってもらうわよ!
あのダイアウルフが101匹襲いかかってきても蹴散らせるくらいに』
コイツ、露骨に無視したな。
「まあいいけど、じゃあなんで街から出ていくのさ。
冒険者ギルドには武術を教えてくれる人もいるんでしょ。
その人達に教えてもらうんじゃないの?」
『ハ。本当に優秀な冒険者なら人に教えてる暇なんてないわよ。
どう考えても、私より優秀な師匠に出会える可能性はないわね』
「……じゃあ、この先にはいるの?
セシリアより優秀な師匠が」
『ふふん、まあ黙ってついてきなさい』
プカプカと体を浮かべて僕を先導するセシリア。
生き生きとしてるけど、この人も死者なんだよなあ。
喋れるし触ることもできるから実感が湧かないけど。
街からだいぶ離れたところにある山の麓にその洞窟はあった。
かなり広い入り口で馬車でも悠々と通れそうだ。
「ここにいるの? 師匠って仙人?」
僕が半ば笑いながら尋ねると、セシリアはキッと鋭い目で僕を睨みつける。
『私は寛容だから無礼な口叩いても良いけど、これからお会いする方々の前では礼儀正しくしていなさいよ』
「わ、分かったけど誰なのさ。
心の準備をさせてよ」
僕がそう言うとセシリアは洞窟の入り口のそばに建てられた石碑を指差した。
そこに書かれていたのは、
【ユーレミア史上、最も偉大で勇猛たる三英傑の功績を讃え、ここに祀る ユーレミア王国 十七代目国王ニコライ三世】
という古い文字だった。
「三英傑?」
『まさか、あなた知らないの!?
冒険者の祖『ベントラ』、賢者の中の賢者『ナラ』、最弱の英雄『ザコル』。
ユーレミア国民なら誰だって知ってる名前でしょう!?』
「そんなこと言われても……英雄譚なんてあまり読まないし」
『まったく……嘆かわしいわね。
自分の国の英雄くらい覚えておきなさいよ。
この方達がいなかったら私たち生まれもしていなかったんだから。
まあ良いわ。いきましょう』
そう言ってセシリアは洞窟の中に入っていった。
真っ暗闇の洞窟の中。
セシリアは闇に浮かぶように発光している。
僕はその光を頼りに進んでいく。
「でも、本当に居るのかな?
祀るって書いてた割に手入れとかされてる雰囲気じゃないんだけど」
『つくづく嘆かわしいわねー。
私が若い時なんて冒険者はみんなこぞって拝みに来ていたのに。
なってないわあ』
年寄りのような怒り方をしながら鼻を鳴らすセシリア。
それにしても、三英傑かぁ。
どんな人たちなんだろうか。
やっぱり、伝説になるくらいだから屈強で男らしい人たちなのかな?
と、想像して歩いていると、遠くの方からジャラジャラ、と石を混ぜ合わせるような音がするのが聞こえた。
その音は霊の放つ声のように頭に直接響く感じだった。
「三英傑が……奥にいる!?」
僕達は引き寄せられるように奥に向かった。
ジャラジャラ、ジャラジャラ、ジャラジャラ……
洞窟の奥には古く朽ちかけた祠があり、その前に三人の男たちがいた。
一人は獅子を思わせる黄金色の長髪の大男。
一人は氷のように怜悧な印象を与える細身の老人。
そして、百人人間がいれば五人くらいはこんな姿をしている、といった風な平凡な容姿の青年。
暗闇の洞窟を照らすように放たれている光は彼ら自身から出るものと、彼らの周りにある机や手元の指先ほどの大きさの四角い石から出るものがある。
おそらく、僕の眼でなければ見えないものなのだろう。
彼らは石をそれそれの手元に十個ほど整然と並べて、それを机の真ん中に置いたり、逆に真ん中に積まれた山から引いたりといった作業を繰り返している。
そして、平凡な容姿の男が声をあげる。
『よーーーーし!
コレでアガリっ!
【エターナル・ブリザード】!
18000ポイントオール!』
『げえっ! マジかよ……
うわぁ、裏バフ合わせて10hitじゃねえか』
『ワシの目を何千回欺けば気が済むんじゃ……
もう賢者の称号ヌシに譲りたいわ』
『へっへっ、これで二人ともオーバーキル!
俺が13974勝。
ナラじいが2321勝、そしてベントラの旦那が978勝だな』
『ったく、何が最弱だ! この大嘘つきめ!』
『そんなに褒めるなよ~照れるじゃん』
何か……盛り上がっている?
岩陰に隠れながらセシリアに小声で尋ねる。
「セシリア? アレは何をやってるの?」
『あれは……卓上遊戯の一種ね。
でも、どうやって掴んで……
幽霊は物に触ったり干渉することはできないはずなのに』
とセシリアが首を傾げた瞬間、
『それはな、この牌もまた、霊体のようなものだからじゃよ。
お嬢ちゃん』
老人がこちらを見ずにセシリアの問いに応えた。
すると、残りの二人がこちらを見た。
『あれれー、えらく美人な女幽霊ちゃんがやってきたじゃない。
どう? キミも混じる?』
平凡そうな容姿の男がセシリアに露骨な色目を使う。
なんだろう、すごくモヤっとする。
『フン。来客などいつ振りだろうな。
最近は死者も生者もここには寄り付かん。
たいしたもてなしはせんが、身の上話くらいは聴いてやるぞ』
と、ぶっきらぼうに言う大男。
すると、老人がため息を吐いた。
『ヌシら覚えとらんのか?
このお嬢ちゃんは19年と238日前にも来ておったろう。
予想通り、あまり長生きできなかったようじゃな』
『お、覚えていてくださったんですか?
光栄ですっ!』
セシリアは物凄い勢いで頭を下げた。
こんなに腰が低いセシリアを見るのは初めてだ。
もっとも、僕と牧場のロンくらいしか会っていないけれど。
と、セシリアをじーっと見ていると、平凡な容姿の男が近づいてきて僕の顔を覗き込んできた。
彼は怪訝な顔をして、一言。
『おまえ、見えてるだろう』
セシリアに呼びかける時とは明らかに違う警戒した声だった。
「あ、はい。
どうやらそういう眼をしているみたいなので」
『ふーーん…………
ナラ爺! 知ってる?
こういう霊が視える生者って!』
ナラと呼ばれた老人は重そうな腰を上げてこちらに近寄ってくる。
『知らんな。
此処を訪れる連中の中で、後に英雄に名を連ねる者もおったが、奴等もワシらの事は見えておらんだ。
それに————』
ナラさんは僕に先ほどまでいじり回していた石を投げてよこした。
その石には【炎】と描かれている。
『ワシの創った牌にも触れることができる。
霊体に干渉すらできるのだろう。
つまり、その逆も然り。
これはこれは面白い実験体がやってきたもんだ。
解剖して調べていれば数年単位で時間を潰せるな』
涼しげな表情をグニャリと歪めてナラさんは愉しそうに笑った。
それが怖くて思わず後退りしてしまったが、セシリアが僕の前に壁のように立ちはだかって、彼らに物申す。
『お言葉ですが、この者はあなた達の生贄にするために連れてきたのではありません。
この者にあなた方三英傑の持つ技を伝授していただきたいのです。
冒険者の祖ベントラ様、賢者の中の賢者ナラ様、最じゃ…………英雄ザコルさま』
一瞬、言葉に迷ったセシリアを笑う平凡な容姿の青年。
『別に言い直さなくてもいいよ。
そうでーす。
俺が最弱無敗のトリックスター、英雄ザコルさまだ。
またの名をハーレム王とか、神様の悪ふざけとか、人間のクズ、来世は虫ケラとして転生してほしいとか……とまあ、異名の多さでは俺がナンバーワン!』
後半はただの悪口ではないだろうか?
人は見た目によらないというが彼が本当に英雄に名を連ねるような事をしてのけたとは思えない。
ただ、彼が大声で楽しげに騒ぐお陰で緊張した空気が緩んだ。
そこにベントラさんが近づいてくる。
近くで見るとなおのこと大きい。
背丈は2メートル以上あるし、肩幅も僕が横になったくらいの長さがある。
『ナラ。勘弁してやれ。
生者と話せて嬉しいかもしれんが、あんたの冗談は分かりにくい』
『ふん、子供を揶揄うのは年寄りの生き甲斐じゃ』
『俺の方が古い時代の人間なんだがな……
おい女。冒険者だろうと酌くらいできるだろう。
久々にやるぞ! 酒宴だ!』
とベントラさんは大きな声で呼びかけた。
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