ロイヤルシークレットナイト

いがむり

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はじめのはなし

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巨大大陸、メジェール大陸には世界樹を中心に十の国がある。海の中、火山地帯、大砂漠の中心、臨海付近、樹海の最奥……風土に合わせた国の特色がはっきり現れ、そこに住む者たちも土地に適応できるよう進化を遂げた。そして典型、テンプレ、王道と謳われた剣と魔法のファンタジー満載の世界でもある。

 

土地はもちろん、生きとし生けるもの全てが進化している。人族は人間以外に魔人、獣人、精霊、ドワーフ、エルフなど様々な種族が生まれた。また、魔法の源と言われる魔素を取り込んだ獣は魔獣となり、多かれ少なかれ魔法を扱えるようになった。

 

では——貿易で栄えたここ、パギシウェル王国にある大陸唯一の魔法と武術を兼ねたバレリーヌ学園から物語が始まる。

 

少しここの王国の歴史から話しておこう。およそ三百年前、パギシウェル王国は今となっては想像すら出来ない弱小国家だった。人口は約一万人。王国は巨大な湖があり、領土全体の六割を占める。土地も大半が毒素を含んだ荒れ地で踏み込むことすら出来ないほど。これでは自国を維持するのもままならず、他国に並ぶことすら出来なかった。そのため当時のパギシウェル王は試案を重ねたが、どれも上手くいかなかった。

 

しかし、転機は不意に訪れた。パギシウェル王には、魔法に長け少し先の未来を見ることが出来る王女がいた。その王女が「召喚の儀を行うことで、王国にとって良いことが起こり始める」という、お告げじみた未来を見たのだ。王女の言った召喚の儀は、手順、贄、一つでも失敗すれば反動が来る大変危険なもの。王は神にすがる思いで王女の見た未来の通りに召喚の儀を実行した。召喚は成功した。儀式に関わった負傷者や死者は一人として出なかった。しかし、何も誰も現れなかった。

 

この出来事は三百年経った今も謎のままだ。ただ言えることは、この出来事から王国は一気に好転したことだ。広大な毒素を含んだ荒れ地は薬草や当時、珍種だった動植物へと変わり、経済は目まぐるしい成長を遂げた。巨大な湖は穏やかな波が発生する特徴を生かし、隣国への渡航や貿易の手段として経済発展への活路を見出した。また湖の一部を塩湖とし、現在も貿易の要となっている。人口も爆発的に増加し、国中が嬉しい悲鳴をあげた。そうして国の基盤を固め、出来事から十年後に、この国全体の隆盛の火種役となった王女の名前をとって学園が造られた。魔法と武術を両立して学ぶことが出来るこの学園は今も昔も最先端を歩み、各国の貴族たちが長年学ばせ、貴族以外にも有能な人材を数々輩出してきたことから、いつしか名門と言われるようになった。

 

とまあ、長々と話したが、この話はあくまで物語の補助となる僅かな知識程度でしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――さ、前置きはここまでにして、と。

「今日も精一杯、足掻いて生きようか」

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