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旅立ち
第6話 旅立ち
しおりを挟む――成人の日の夜
シキは、1人になった家の中でキャンバスを眺めていた。
キャンパスでは、ゴルドーの深い青色が3人の思い出を作り出している。
ゴルドーもイロもまるで生きているようだった。
「じーちゃん。イロが起きなくなったんだ…」
シキはキャンバスに向かって話しかけた。
「今日、成人の日だったんだ。2人で成人を迎えて、じーちゃんに報告するつもりだった…」
「朝、イロが俺を起こしてさ。2人で会場に向かって
――イロはいろんなところから、働き口の声がかかってるんだ。」
「まぁ、俺は色ないから声はかからなくて…この先も今までみたいに網で漁するかーとか考えて…」
「まぁ、イロとの別れも覚悟はしてたんだ。だけど…この別れ方は違った――」
「…イロは王国からも勧誘が来ててさ。そいつらが連れて帰って回復させるって。皆、それならって安心してた。」
――
「……昨日、夢を見てさ。空から島を見てた。その夢の中で、イロから色が奪われてって…俺は何もできなくて…気づけば、また空にいて…」
「ルフラ――騎士団の団長にさ、夢は夢だからって慰められたけど…」
「やっぱり、俺が助けてやれなかったから…」
キャンバスはずっと3人の思い出を作り出している。
シキは、キャンバスにいる自分の姿を見つめて言った。
「そーか、そーだよな。じーちゃん――うじうじしてるのは、俺らしくないよな。」
「俺、探してみるよ。イロから色を奪ったキャンバスを――ただの夢かもしれないけど、イロをルフラたちに任せきりにはできない!」
「じーちゃん、元気なイロを連れて帰るから!待ってろよ。」
シキの身支度はすぐに終わった。替えの服と少しのお金を持って家を飛び出した。
シキは港に行き、1隻のボートに乗り込んだ。
空を見上げて、星を眺めながら夜を過ごした。
もうすぐ、朝が来る。シキは、まだ暗い海の上をボートで漕ぎ出して行った。
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