キャンバスメモリアル

Daddy

文字の大きさ
31 / 32
出会い

第31話 鉱石人形

しおりを挟む

――セッコウ洞窟の中は涼しく、3人は先へ先へと進んでいた。
たまに飛び去っていくコウモリや、足元を這う大きなムカデに驚きつつも実に順調だった。

「なぁ、その鉱石人形オルアマンまで、後どのくらいだ?」
「――はぁ、はぁ、まだまだ先だよ。今で5分の2くらいだ。」
「スネズ…大丈夫かよ?」
「はぁ、はぁ、大丈夫だ。」
「本当か?休憩するか?」
「はぁ…大丈夫だ!進もう!」

スネズは息を切らしながら2人に着いていく。2人はスネズの様子を気にしながら、息を乱すことなく進んでいく。

「おい、アカ!見ろよ、変な生き物がいるぞ!」
「どれどれ?うわっ、何だあれ…ちょっと気持ち悪い…」
「――はぁ、はぁ、あれは大まかに言えば蜘蛛だ。」
「蜘蛛か…にしてはでかいな~」
「――はぁ、刺激しないでくれよ。刺激しなければ襲っては来ないから。」
「え、襲ってくるの?毒とかある?」
「はぁ、大丈夫だ。毒は無いしそんなに危険じゃ無い。向かってこられると気持ち悪いくらいだ。」
「いや~、色んな生き物がいるな~」

シキは見たこともない生き物たちに興奮していた。アカは気持ち悪いのか嫌そうな顔をしている。スネズは説明しながら、一生懸命ついて来ていた。

「――はぁ、はぁ、ここで少し休憩しよう。」
「うーい。」
「はーい。」
「――はぁ、はぁ、もうすぐ鉱石人形オルアマンが出てきてもおかしくないから、気を抜かずに進んで行こう。」
「わかったわかった。とりあえず、水でも飲んでさ、休めよ。」
「――はぁ、ありがとう。」

少し休憩を挟み、3人は進み出した。
少し肌寒くなって来た頃、スネズが2人を引き留めた。

「なんだよ?」
「しっ…」
「あ、とうとういたの?」
「あそこ…」

スネズが指を差した方向を見ると、人型に繋がった大きな岩があった。

「あれか?」
「うん。」
「よし、アカ行くぞ。」

シキとアカは岩に向かって駆け出した。岩は2人が駆け出した途端、動き出した。

「気をつけろ、アカ!俺が対処するから、隙を見て打ち込んでくれ!」
「わかった!」

鉱石人形オルアマンは大きな腕を振り回した。シキが腕を掴もうとしたが、凄まじい力に吹き飛ばされた。

「シキっ!」
「大丈夫だ!」

シキはすぐさま、体勢を立て直し鉱石人形オルアマンに向かって行った。

「シキ!思い出して!掴もうとしたらだめ!」

アカの声にシキは思い出した。

(相手の力を受け流し、そのままっ…)

うまくいかずに、シキはまた吹き飛ばされた。――が前ほどのダメージはなかった。

(もう一度…)

シキは鉱石人形オルアマンの振り回す腕に手を添え、力の方向を変えた。すると、鉱石人形オルアマンの巨体が浮き上がり、地面に叩きつけられた。
その隙を見逃さず、アカがスネズ特性ピッケルを打ち込んだ。

「ナイス!シキ。――トドメ!」

ピッケルが鉱石人形オルアマンに刺さり、アカは色を流し込んだ。鉱石人形オルアマンは、崩れていき砂になってしまった。

「凄いじゃないか!2人とも!」

スネズが2人の元へ駆け寄り、砂の中に手を突っ込んだ。
砂の中から抜かれた手には、拳大の結晶が握られていた。

「それが、欲しかったやつ?」
「そうだ!これがあれば外装が作れる!」
「でも、少なくね?」
「大丈夫だ!この大きさでも銃が4、5丁は作れる。」
「よかったね。ところで、シキ大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。力は強かったけど、そんだけだったな。次からは飛ばされねーだろ。」
「そう?よかった。ね、スネズ。もう少し取って帰らない?」
「ええ!大丈夫なのか?」
「大丈夫みたい。シキの練習にもなるし、もう少し行こ!」
「よーし!わかった。なら、付いて来てくれ!」

3人は再び、洞窟の奥へと進んでいった――
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

処理中です...