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ガラガラッ。
「みんなおはよう~。ホームルーム始めるよ~。」
のんびりとした声が教室に響いた。
そういえば、こんな先生もいたっけ。
ぼーっと見ていると、先生と目が合った。
「それではホームルームを終わりま~す。十分後に授業始めるからね~。」
気づかぬ間にホームルームが終わったようだ。
まるで僕にだけ告げているかのように先生は目を離さなかった。
話が終わると生徒たちは次々に席を立ったり、クラスメイト同士で話し始めた。
「レイくんが自分から話しかけるなんて珍しいよね。」
「でも、なんか様子が変だったよね。」
「自分の席がわからないなんて、記憶喪失にでもなったのかな?」
自分の話をされているとは露にも知らず。
先生はニコッと微笑むと、手招きをした。
どう見ても僕に向けたものなので、
なんだろうと疑問を抱えながらも先生の方に近づく。
「なんでしょうか、先生?」
首を傾げると、相手も同じく首を傾げた。
うーん?
「ちょっとごめんね~?」
そう言うと、先生の手が僕の方に伸びてきた。
反射的に避けようとしたが、額に手が添えられただけだった。
冷たい手で、気持ちいい。
「あ~、やっぱりちょっと熱あるね。」
「・・・えっ」
「えっ」
ん?なんか今後ろから声が聞こえたような。
振り向くとなぜかヒュドがいた。
「保健室に行って、休んできなさい。もしだったら今日はもう休んでもいいよ~。」
「え、いや、でも」
「んー、真面目なのはいいけどね、重体になる前に休んだ方がいいからね~。」
ふふっと笑われて、教室を追い出された。
過去に戻って初めての授業で、楽しみにしていたのに。
「保健室行くぞ、レイ。」
ヒュドだ。目を丸くていると、若干イラついたように説明してくれた。
「先生に頼まれたから。レイを保健室まで連れてってやれって。あとサボリじゃないから。」
「別にサボリとは思ってないけど・・・」
そこまで言って、言い訳がましくサボリじゃないと付け足すヒュドがおかしくて笑いだしてしまった。
「ふふ、ありがとう。案内よろしくね?」
「はいはい。」
照れているのか呆れているのか、素っ気ない返事だ。
僕はヒュドに付いて保健室へ向かった。
「みんなおはよう~。ホームルーム始めるよ~。」
のんびりとした声が教室に響いた。
そういえば、こんな先生もいたっけ。
ぼーっと見ていると、先生と目が合った。
「それではホームルームを終わりま~す。十分後に授業始めるからね~。」
気づかぬ間にホームルームが終わったようだ。
まるで僕にだけ告げているかのように先生は目を離さなかった。
話が終わると生徒たちは次々に席を立ったり、クラスメイト同士で話し始めた。
「レイくんが自分から話しかけるなんて珍しいよね。」
「でも、なんか様子が変だったよね。」
「自分の席がわからないなんて、記憶喪失にでもなったのかな?」
自分の話をされているとは露にも知らず。
先生はニコッと微笑むと、手招きをした。
どう見ても僕に向けたものなので、
なんだろうと疑問を抱えながらも先生の方に近づく。
「なんでしょうか、先生?」
首を傾げると、相手も同じく首を傾げた。
うーん?
「ちょっとごめんね~?」
そう言うと、先生の手が僕の方に伸びてきた。
反射的に避けようとしたが、額に手が添えられただけだった。
冷たい手で、気持ちいい。
「あ~、やっぱりちょっと熱あるね。」
「・・・えっ」
「えっ」
ん?なんか今後ろから声が聞こえたような。
振り向くとなぜかヒュドがいた。
「保健室に行って、休んできなさい。もしだったら今日はもう休んでもいいよ~。」
「え、いや、でも」
「んー、真面目なのはいいけどね、重体になる前に休んだ方がいいからね~。」
ふふっと笑われて、教室を追い出された。
過去に戻って初めての授業で、楽しみにしていたのに。
「保健室行くぞ、レイ。」
ヒュドだ。目を丸くていると、若干イラついたように説明してくれた。
「先生に頼まれたから。レイを保健室まで連れてってやれって。あとサボリじゃないから。」
「別にサボリとは思ってないけど・・・」
そこまで言って、言い訳がましくサボリじゃないと付け足すヒュドがおかしくて笑いだしてしまった。
「ふふ、ありがとう。案内よろしくね?」
「はいはい。」
照れているのか呆れているのか、素っ気ない返事だ。
僕はヒュドに付いて保健室へ向かった。
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