10 / 42
グレイス編
10
しおりを挟む
僕を縦抱きにしたまま、ロシュさんは何も言わず、ずんずん歩いていった。
途中、騎士団のヒトと何人かすれ違ったけど、みなさんロシュさんに気付くとさささっと傍に避けて「団長!お疲れ様です!」と敬礼していた。
ロシュさんは表情を変えずに「おう」とか「ああ」とか素っ気ない返事ばっかりだったけど・・・いつもそんな感じなのかな?
しばらく歩いて到着したのは、とあるテントの前。
テント、と言っても、ここに設置してある物は割とどれも大きくて、支柱となる柱が何本かあって、ソレイユの紋章?みたいなものが印字されていた。
基本的には同じサイズ、同じ色のテントばかりなんだけど・・・このテントだけ、他のテントとは違って鮮やかな赤色の天蓋。
「とっても・・・華やかな・・・テント、ですね。」
「・・・気を使わなくていい。悪趣味だろう。昔からこういう趣味の奴なんだ。」
「・・・?昔からって、」「ロシュっ!聞こえてんのよっ!」
「!!!?」
バサッと豪快に出入り口が開く。
見覚えのある、綺麗な銀髪が風に靡いた。
すらりとした体格に、輝くような銀髪が肩の位置で切り揃えられている。
そして、同じ銀色のふさっとした耳と、ロシュさんとはまたタイプの違うボリューム感のある尻尾が生えていた。
切長な目で、睫毛・・・めちゃくちゃ長い・・・!
そして、かなり印象的な燃えるような真っ赤な瞳。
着替え途中だったのか、なぜか上半身、裸。
美しすぎるから、高身長の女性かと、思ってたけど・・・男性?!
腹筋がそりゃあ、もう見事なまでにバッキバキに割れている。
見てはいけないものを見た気がして、心の中で「ひゃ~~」と叫んでいたら、クィ、と口角が上に上がる。唇の形まで綺麗だぁ・・・!
「私の可愛い、可愛い天使ちゃん。そんな奴ほっといて中にお入りなさい。」
「まず服を着ろ、ディーナ。目の毒だ。」
「んまあ~~!この私を捕まえといて失礼しちゃう!大体ねぇ、私はそこの天使ちゃんにだけ用があんのよ!あんたは自分のテントに帰ればいいじゃない!シッシッ!」
「・・・捕まえてねぇよ・・・キャンキャン騒ぐな、五月蝿ぇ・・・」
ロシュさんは、またもや心底嫌そうな顔をして、空いている方の手で僕の耳をガバッと塞ぐ。
片方の耳はそのままだし、全く聞こえなくなった訳じゃないから「ちょっとっ!おしゃべりの邪魔しないでちょうだいっ!」とロシュさんに噛みつきそうな勢いの、ディーナさんの声はバッチリ聞こえた。
ディーナさんは持っていたシャツをバサッと羽織って、渋々ボタンを閉めていた。
見た感じ、傷もないし、魔素の残りもなさそうだけど・・・
「あ、あの、身体の具合は、もう大丈夫で、すか?」
「はぁぁぁあ~~っ、何て可愛いのかしら・・・!」
「へっ?!ぼ、僕?」
「当たり前じゃないのっ!お名前はシンちゃん、だったわね?」
「は、はい、シン、です。ロシュさんとフォルさんに、助けて、いただきました。」
「もぉ、私が助けたかったわっ。・・・ロシュ、いい加減シンちゃん下ろしてちょうだい。ちゃんとお礼がしたいの。」
「・・・?」
ロシュさんはしばらく考えた後、ハァァァ、と長いため息を吐きながら、そっと僕を地面に下ろしてくれた。
すぐさまディーナさんが近寄ってきて、僕の前で華麗に片膝をつく。
・・・わあ、さっきも見た、この光景・・・!
そして、先程までの雰囲気とは全然違ったディーナさんがそこにいた。
「シン様、この度は命を救っていただき心より感謝申し上げます。」
「へ、ええっ、そ、そんな・・・」
「この御恩、決して忘れません。この命尽きるまで、貴方様への忠誠を誓います。」
そう言い終えたディーナさんは、ふふ、と僕に微笑んだ。
う、美しすぎない・・・?
女神様みたいだ・・・!
そしてディーナさんはおもむろに、自分の右耳に手を伸ばした後、その手をそのまま僕の右耳に伸ばしてきた。
ふわっと花の香りがして「匂いまで綺麗なんだなぁ」と感心していたら、僕の耳元で、パチン、と何かがはまる音がした。
「へっ?」
「私にもチャンスがあるかしら?ふふ。」
「ちゃ、んす・・・?」
そう嬉しそうに僕の右耳を触るディーナさん。気になって恐る恐る僕も自分の耳を触ってみたら、耳たぶに何かがついている。
軽く引っ張ってみたけど、全然取れない。
「・・・耳飾り・・・?」
「ええ、そうよ。燃えるような赤い石が付いた、ね。」
何とも妖艶な笑みで、嬉しそうに僕の右耳を触り続けるディーナさん。
するとそのディーナさんの手を思いっきり、バッチーーーン、とロシュさんが叩き落としたのである。
僕の背後からパキ、パキ、と不穏な音が響いてきた。
「お゛い・・・ディーナ。何をしてんだ、てめぇ・・・」
「ロ、ロシュさん!?・・・ええっ!床が凍ってる?!」
「何すんのよ!いったいわねぇ・・・!」
今度こそ、本当にロシュさんの周りに雪吹雪が舞った。
突然吹き荒れる風と、ロシュさんの怒りを体現したかのように、ものすごい勢いで舞い上がる雪。
そして床がパキパキ、と放射線状に凍りついていった。僕の周りだけ、まーるく取り残して。
近くのテントの中にいた(どうやら覗き見していた)団員さん達が大慌てだ。
「・・・俺の番に手ぇ出したな・・・!殺す・・・!」
「なぁに言ってんの。まだ正式な番じゃないでしょう?フォルからちゃーんと聞いてるんだから。チャンスは平等にあるべきよぉ?」
「つ、つがい、って・・・ええっ!?」
騒ぎを聞きつけ、やってきたフォルさんが「あれでもうちの団長と副団長なんすよ・・・」と遠い目で僕に説明してくれたのは、その辺のテントが見事なまでに吹き飛んだあとで。
僕はひたすら、近くにいた団員さん達に平謝りするしかなかった。
途中、騎士団のヒトと何人かすれ違ったけど、みなさんロシュさんに気付くとさささっと傍に避けて「団長!お疲れ様です!」と敬礼していた。
ロシュさんは表情を変えずに「おう」とか「ああ」とか素っ気ない返事ばっかりだったけど・・・いつもそんな感じなのかな?
しばらく歩いて到着したのは、とあるテントの前。
テント、と言っても、ここに設置してある物は割とどれも大きくて、支柱となる柱が何本かあって、ソレイユの紋章?みたいなものが印字されていた。
基本的には同じサイズ、同じ色のテントばかりなんだけど・・・このテントだけ、他のテントとは違って鮮やかな赤色の天蓋。
「とっても・・・華やかな・・・テント、ですね。」
「・・・気を使わなくていい。悪趣味だろう。昔からこういう趣味の奴なんだ。」
「・・・?昔からって、」「ロシュっ!聞こえてんのよっ!」
「!!!?」
バサッと豪快に出入り口が開く。
見覚えのある、綺麗な銀髪が風に靡いた。
すらりとした体格に、輝くような銀髪が肩の位置で切り揃えられている。
そして、同じ銀色のふさっとした耳と、ロシュさんとはまたタイプの違うボリューム感のある尻尾が生えていた。
切長な目で、睫毛・・・めちゃくちゃ長い・・・!
そして、かなり印象的な燃えるような真っ赤な瞳。
着替え途中だったのか、なぜか上半身、裸。
美しすぎるから、高身長の女性かと、思ってたけど・・・男性?!
腹筋がそりゃあ、もう見事なまでにバッキバキに割れている。
見てはいけないものを見た気がして、心の中で「ひゃ~~」と叫んでいたら、クィ、と口角が上に上がる。唇の形まで綺麗だぁ・・・!
「私の可愛い、可愛い天使ちゃん。そんな奴ほっといて中にお入りなさい。」
「まず服を着ろ、ディーナ。目の毒だ。」
「んまあ~~!この私を捕まえといて失礼しちゃう!大体ねぇ、私はそこの天使ちゃんにだけ用があんのよ!あんたは自分のテントに帰ればいいじゃない!シッシッ!」
「・・・捕まえてねぇよ・・・キャンキャン騒ぐな、五月蝿ぇ・・・」
ロシュさんは、またもや心底嫌そうな顔をして、空いている方の手で僕の耳をガバッと塞ぐ。
片方の耳はそのままだし、全く聞こえなくなった訳じゃないから「ちょっとっ!おしゃべりの邪魔しないでちょうだいっ!」とロシュさんに噛みつきそうな勢いの、ディーナさんの声はバッチリ聞こえた。
ディーナさんは持っていたシャツをバサッと羽織って、渋々ボタンを閉めていた。
見た感じ、傷もないし、魔素の残りもなさそうだけど・・・
「あ、あの、身体の具合は、もう大丈夫で、すか?」
「はぁぁぁあ~~っ、何て可愛いのかしら・・・!」
「へっ?!ぼ、僕?」
「当たり前じゃないのっ!お名前はシンちゃん、だったわね?」
「は、はい、シン、です。ロシュさんとフォルさんに、助けて、いただきました。」
「もぉ、私が助けたかったわっ。・・・ロシュ、いい加減シンちゃん下ろしてちょうだい。ちゃんとお礼がしたいの。」
「・・・?」
ロシュさんはしばらく考えた後、ハァァァ、と長いため息を吐きながら、そっと僕を地面に下ろしてくれた。
すぐさまディーナさんが近寄ってきて、僕の前で華麗に片膝をつく。
・・・わあ、さっきも見た、この光景・・・!
そして、先程までの雰囲気とは全然違ったディーナさんがそこにいた。
「シン様、この度は命を救っていただき心より感謝申し上げます。」
「へ、ええっ、そ、そんな・・・」
「この御恩、決して忘れません。この命尽きるまで、貴方様への忠誠を誓います。」
そう言い終えたディーナさんは、ふふ、と僕に微笑んだ。
う、美しすぎない・・・?
女神様みたいだ・・・!
そしてディーナさんはおもむろに、自分の右耳に手を伸ばした後、その手をそのまま僕の右耳に伸ばしてきた。
ふわっと花の香りがして「匂いまで綺麗なんだなぁ」と感心していたら、僕の耳元で、パチン、と何かがはまる音がした。
「へっ?」
「私にもチャンスがあるかしら?ふふ。」
「ちゃ、んす・・・?」
そう嬉しそうに僕の右耳を触るディーナさん。気になって恐る恐る僕も自分の耳を触ってみたら、耳たぶに何かがついている。
軽く引っ張ってみたけど、全然取れない。
「・・・耳飾り・・・?」
「ええ、そうよ。燃えるような赤い石が付いた、ね。」
何とも妖艶な笑みで、嬉しそうに僕の右耳を触り続けるディーナさん。
するとそのディーナさんの手を思いっきり、バッチーーーン、とロシュさんが叩き落としたのである。
僕の背後からパキ、パキ、と不穏な音が響いてきた。
「お゛い・・・ディーナ。何をしてんだ、てめぇ・・・」
「ロ、ロシュさん!?・・・ええっ!床が凍ってる?!」
「何すんのよ!いったいわねぇ・・・!」
今度こそ、本当にロシュさんの周りに雪吹雪が舞った。
突然吹き荒れる風と、ロシュさんの怒りを体現したかのように、ものすごい勢いで舞い上がる雪。
そして床がパキパキ、と放射線状に凍りついていった。僕の周りだけ、まーるく取り残して。
近くのテントの中にいた(どうやら覗き見していた)団員さん達が大慌てだ。
「・・・俺の番に手ぇ出したな・・・!殺す・・・!」
「なぁに言ってんの。まだ正式な番じゃないでしょう?フォルからちゃーんと聞いてるんだから。チャンスは平等にあるべきよぉ?」
「つ、つがい、って・・・ええっ!?」
騒ぎを聞きつけ、やってきたフォルさんが「あれでもうちの団長と副団長なんすよ・・・」と遠い目で僕に説明してくれたのは、その辺のテントが見事なまでに吹き飛んだあとで。
僕はひたすら、近くにいた団員さん達に平謝りするしかなかった。
193
あなたにおすすめの小説
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
【完結】竜討伐の褒賞は、鹿角の王子様。(志願)
N2O
BL
執着王子 × 異世界転生魔法使い
魔法使いが逃げられなくなる話。
『上』『中』『下』の全三話、三連休中に完結します。
二万字以下なので、ショートショート𖤣𖥧𖥣
Special thanks
illustration by okiagsa様(X:@okigasa_tate)
MBM様(X:@MBMpaper)
※独自設定、ご都合主義。あしからず。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
過労死で異世界転生したら、勇者の魂を持つ僕が魔王の城で目覚めた。なぜか「魂の半身」と呼ばれ異常なまでに溺愛されてる件
水凪しおん
BL
ブラック企業で過労死した俺、雪斗(ユキト)が次に目覚めたのは、なんと異世界の魔王の城だった。
赤ん坊の姿で転生した俺は、自分がこの世界を滅ぼす魔王を討つための「勇者の魂」を持つと知る。
目の前にいるのは、冷酷非情と噂の魔王ゼノン。
「ああ、終わった……食べられるんだ」
絶望する俺を前に、しかし魔王はうっとりと目を細め、こう囁いた。
「ようやく会えた、我が魂の半身よ」
それから始まったのは、地獄のような日々――ではなく、至れり尽くせりの甘やかし生活!?
最高級の食事、ふわふわの寝具、傅役(もりやく)までつけられ、魔王自らが甲斐甲斐しくお菓子を食べさせてくる始末。
この溺愛は、俺を油断させて力を奪うための罠に違いない!
そう信じて疑わない俺の勘違いをよそに、魔王の独占欲と愛情はどんどんエスカレートしていき……。
永い孤独を生きてきた最強魔王と、自己肯定感ゼロの元社畜勇者。
敵対するはずの運命が交わる時、世界を揺るがす壮大な愛の物語が始まる。
異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました
水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。
世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。
「見つけた、俺の運命」
敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。
冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。
食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。
その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。
敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。
世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる