【完結】数学教員の 高尾 さん

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俺が出した条件は2つだ。

・俺から家賃と生活費をとること
・家事は分担すること

家賃と生活費に関してはかなり嫌がっていた。
「元のために貯めた金が腐るほどある」と恐ろしいことを言っていたが、そこは歳上のプライド(?)というもの。
「お金を受け取ってもらえないなら、絶対に一緒に住めない」と譲らずに通した。



「俺より確実にお金あるだろうけどさ、俺は楓くんと対等でありたいんだよ。」


その言葉に楓くんは何故か猛烈に感動していて「老後は安心して!!」と抱きついてきた。



「2人でたくさん旅行して、美味しいもの食べて過ごそうか。」

「・・・うんっ!そうしよう!じゃあ、早速引越しの手配しなきゃね。」

「ええっ!?今から!?俺昨日の・・・で、まだちょっと動けない・・・し・・・」

「ああ、昨日ケツイキしすぎたんだよね。はぁ~・・・可愛かったなぁ・・・」

「・・・・・・ゔう・・・!」


今は土曜の昼下がり、俺はまだベッドの上。
楓くんの言う通り昨日の俺はイキすぎた。
何度も意識を飛ばし、その度に楓くんから与えられる強めの快感で引き戻され、喉もガラガラ。

楓くんは足腰が立たない俺の世話を甲斐甲斐しく焼いている。ベッドサイドに朝昼兼用の食事を持ってきて食べさせてくれたり、ベトベトになった身体を温タオルで拭いてくれたり。

・・・まあ、こうなった原因はその楓くんなんだけど。



そしてその2週間後の暖かな昼下がり。
俺は楓くんのマンションに引っ越した。
まだ半月ほどアパートの契約は残っているが、楓くんも・・・そして俺も、待ちきれず先に引っ越してきたのである。
荷物はそんなに無かったから、楓くんのゴツいSUV車と俺の軽SUV車で事足りた。

ちなみにあの9番の駐車場はそのまま俺専用になり、ちゃんと駐車場代も支払っている。(楓くんは嫌そうだったけど)



「今日からよろしく、楓くん。」

「こちらこそよろしく。あ、これ今日のおやつに食べようね?俺大好きなんだ。」


そう言って幸せそうな顔をして俺に飛びついてきた楓くんが持っていたのは、あのアーモンドチョコレート。

俺が好きな人が、好きなものだった。



おしまい
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