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「・・・・・・俺の・・・ハンカチ・・・?」
「割と几帳面なアルが忘れ物か~!ま、そんなこともあるよな!」
「・・・いやさっきの魔法薬学の時には手洗って、ハンカチで・・・あれ・・・?」
「どっか落としたんじゃね?・・・ん?てか最近アル忘れ物するよな!」
「・・・忘れてない。」
「まあまあ、ほら!手出せ!ピノさんお得意の風魔法で水気吹き飛ばしてやるって!ブイーーーーーーーン!」
「ちょ!ぶっ!ぶぶぶっ!へ、下手くそピノ!!!加減を知れ!!!」
「ぎゃはははは!自慢の黒髪がボサボサじゃん!・・・んふ、アルのかわいいお顔が隠せないな!アハハハハ!」
「・・・・・・炎の妖精、おいで・・・っ、」
「は???!はっ!?!じょ、じょ、冗談だろ??!俺が妖精に敵うわけ・・・ぎゃっ!!尻焦げた!!!ア、アル!!アルフレッド様!!ごめんって!!わーーーーーーー!」
ピノの尻を少し焦がしただけで妖精には戻ってもらった。(ピノ泣いてたけど)
二ヶ月前ぐらいから・・・かな。
物が無くなることが増えた。
この時みたいにハンカチだの、羽ペンだの・・・ローブの下に着てた下着まで。
さすがに寮の鍵まで盗られた時はいい加減腹が立ったから、別の物に追跡魔法かけて探し出してやろうとしたこともあったけど・・・陰湿なイジメやる奴だ。
相手もなかなか手強かった。
いつの間にか追跡魔法が解呪されていて、結局盗られたまんまだった。
・・・あ。ちなみに寮の鍵だけはその日の放課後、机の中に返ってきてて・・・、わざわざ返しにきたのかと・・・、うへぇ、思い出してもぞっとする。
んで、やられっぱなしは性に合わないから何かボコボコにする方法は無いかと、本を読み漁って、辿り着いたのが【過去を見る魔法】だった。
そっちが隠れて出てこないなら、俺が正体暴いて表に引き摺り出してやるよ。
ぐわん、ぐわん、揺れる視界。
・・・さすがに魔力喰うな、この魔法。
「・・・っ、でも見たかった時間ばっちりだろ、これは・・・!さっすが、俺。」
目の前はセピア色の世界。
さっきまで見ていた教室の風景だが、たった一つだけ違うところがある。
俺の斜め前、ジャミーの席だ。
薄桃色のトラリスの花。
あれは昨日の朝、フルール組の美人にパートナーを申し込まれて、その時に貰ったんだとか。
ジャミーがめちゃくちゃ騒いでて、わざわざ自分の席に小瓶を置いて見せびらかすように飾ってたから覚えてる。
「・・・あ、と、5分が限界・・・だな。早く来いよ、イジメ野郎・・・っ、」
5分以上使うと、ナラ先生の授業居眠りどころじゃ済まなくなりそうだ。
額に浮かんだ汗が、頬を伝う頃。
「・・・・・・・・・は?」
俺がある意味、待ち焦がれた相手。
教室後方のドアから一人の男が姿を現した。
そして俺はその・・・予想外すぎる相手に、開いた口が塞がらなくなった。
「割と几帳面なアルが忘れ物か~!ま、そんなこともあるよな!」
「・・・いやさっきの魔法薬学の時には手洗って、ハンカチで・・・あれ・・・?」
「どっか落としたんじゃね?・・・ん?てか最近アル忘れ物するよな!」
「・・・忘れてない。」
「まあまあ、ほら!手出せ!ピノさんお得意の風魔法で水気吹き飛ばしてやるって!ブイーーーーーーーン!」
「ちょ!ぶっ!ぶぶぶっ!へ、下手くそピノ!!!加減を知れ!!!」
「ぎゃはははは!自慢の黒髪がボサボサじゃん!・・・んふ、アルのかわいいお顔が隠せないな!アハハハハ!」
「・・・・・・炎の妖精、おいで・・・っ、」
「は???!はっ!?!じょ、じょ、冗談だろ??!俺が妖精に敵うわけ・・・ぎゃっ!!尻焦げた!!!ア、アル!!アルフレッド様!!ごめんって!!わーーーーーーー!」
ピノの尻を少し焦がしただけで妖精には戻ってもらった。(ピノ泣いてたけど)
二ヶ月前ぐらいから・・・かな。
物が無くなることが増えた。
この時みたいにハンカチだの、羽ペンだの・・・ローブの下に着てた下着まで。
さすがに寮の鍵まで盗られた時はいい加減腹が立ったから、別の物に追跡魔法かけて探し出してやろうとしたこともあったけど・・・陰湿なイジメやる奴だ。
相手もなかなか手強かった。
いつの間にか追跡魔法が解呪されていて、結局盗られたまんまだった。
・・・あ。ちなみに寮の鍵だけはその日の放課後、机の中に返ってきてて・・・、わざわざ返しにきたのかと・・・、うへぇ、思い出してもぞっとする。
んで、やられっぱなしは性に合わないから何かボコボコにする方法は無いかと、本を読み漁って、辿り着いたのが【過去を見る魔法】だった。
そっちが隠れて出てこないなら、俺が正体暴いて表に引き摺り出してやるよ。
ぐわん、ぐわん、揺れる視界。
・・・さすがに魔力喰うな、この魔法。
「・・・っ、でも見たかった時間ばっちりだろ、これは・・・!さっすが、俺。」
目の前はセピア色の世界。
さっきまで見ていた教室の風景だが、たった一つだけ違うところがある。
俺の斜め前、ジャミーの席だ。
薄桃色のトラリスの花。
あれは昨日の朝、フルール組の美人にパートナーを申し込まれて、その時に貰ったんだとか。
ジャミーがめちゃくちゃ騒いでて、わざわざ自分の席に小瓶を置いて見せびらかすように飾ってたから覚えてる。
「・・・あ、と、5分が限界・・・だな。早く来いよ、イジメ野郎・・・っ、」
5分以上使うと、ナラ先生の授業居眠りどころじゃ済まなくなりそうだ。
額に浮かんだ汗が、頬を伝う頃。
「・・・・・・・・・は?」
俺がある意味、待ち焦がれた相手。
教室後方のドアから一人の男が姿を現した。
そして俺はその・・・予想外すぎる相手に、開いた口が塞がらなくなった。
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