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目を開けると
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ナディルが目を開けると、見覚えのない天井が見えた。
あれだけ乱れてどろどろになっていた体は綺麗になっていて、新品の寝巻きまで着ている。
「・・・ゆ、夢・・・?!」
ナディルは混乱した。
さっきまでの行為は自分がランドルフのことを想うあまり、膨らませた妄想なのでは!?と考えてしまうくらい、この広い部屋は静まり返っていて、想い人のランドルフも見当たらない。
ナディルは自分の頸にそっと手を伸ばす。
包帯が厳重すぎるほどに巻かれている自分の首に一先ずほっとと息を吐いた時、ガチャン、と鍵が開く音がした。
部屋に入ってきたのは揃いの寝巻き姿のランドルフ。
トレーに乗った食事を二人分、器用に持っている。
ナディルが起きているとは思っていなかったのだろう。
目があったランドルフは一瞬びくっと体を揺らし、トレーに乗った食器がカタカタと音をたてた。
耳がピンと立ったランドルフは慌てたようにトレーを机に置く。
ナディルに駆け寄る様は本当に大きな猫のようでナディルは口角が上がるのを必死で我慢した。
「ナディル、すまない!!」
「へっ?!」
「い、痛かっただろう?強く噛みすぎてしまって・・・っ!今から医者を呼んでくる!ほらっ、横になって待っ、」
「おおお落ち着いて!頸は、い、痛いけど、大丈夫だから!むしろ俺・・・今、めちゃくちゃ幸せ。」
「・・・へ?」
ナディルは揃いの寝巻きを着たランドルフの胸元に顔を埋め、ぎゅーと抱きしめた。
背に回した手がやっと届くくらいランドルフの体は逞しい。
ナディルの予想外の行動に、ぴきっと固まったように動かなくなったランドルフ。
耳だけでなく、尻尾までピンと立っていた。
「ランドルフ、ありがとう。こんな俺を番にしてくれて。大好き。」
「・・・ナディル、俺も大好きだ。番からは・・・こんなにも幸せな匂いがするんだな。」
自分の胸元に埋まるナディルの体に鼻を寄せ、くんくん、愛おしそうに匂いを嗅ぐ。
ランドルフの柔らかな髪の毛がナディルの肌に当たって、くすぐったさのあまりナディルはついにくすくすと笑い出す。
「ランドルフ、これからもよろしくね。俺の愛しい番さま。」
「ああ、こちらこそよろしく。」
「・・・ん?何で押し倒・・・え?!ラ、ラ、ランドルフ!?」
「煽ったのはナディルだぞ?」
「?!ま、待って!お、俺、もう体力が、ひゃっ、」
大きな猫・・・ではなく獅子は、愛しの番にこれでもかと覆い被さり、至る所にキスを落とす。
戸惑う人間の彼は、きっとこの先何度も同じような光景を見ることだろう。
二人の夜はまだ終わらない。
そして二人の幸せな時間は、これからずっと続いていくことになる。
おしまい
あれだけ乱れてどろどろになっていた体は綺麗になっていて、新品の寝巻きまで着ている。
「・・・ゆ、夢・・・?!」
ナディルは混乱した。
さっきまでの行為は自分がランドルフのことを想うあまり、膨らませた妄想なのでは!?と考えてしまうくらい、この広い部屋は静まり返っていて、想い人のランドルフも見当たらない。
ナディルは自分の頸にそっと手を伸ばす。
包帯が厳重すぎるほどに巻かれている自分の首に一先ずほっとと息を吐いた時、ガチャン、と鍵が開く音がした。
部屋に入ってきたのは揃いの寝巻き姿のランドルフ。
トレーに乗った食事を二人分、器用に持っている。
ナディルが起きているとは思っていなかったのだろう。
目があったランドルフは一瞬びくっと体を揺らし、トレーに乗った食器がカタカタと音をたてた。
耳がピンと立ったランドルフは慌てたようにトレーを机に置く。
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「ナディル、すまない!!」
「へっ?!」
「い、痛かっただろう?強く噛みすぎてしまって・・・っ!今から医者を呼んでくる!ほらっ、横になって待っ、」
「おおお落ち着いて!頸は、い、痛いけど、大丈夫だから!むしろ俺・・・今、めちゃくちゃ幸せ。」
「・・・へ?」
ナディルは揃いの寝巻きを着たランドルフの胸元に顔を埋め、ぎゅーと抱きしめた。
背に回した手がやっと届くくらいランドルフの体は逞しい。
ナディルの予想外の行動に、ぴきっと固まったように動かなくなったランドルフ。
耳だけでなく、尻尾までピンと立っていた。
「ランドルフ、ありがとう。こんな俺を番にしてくれて。大好き。」
「・・・ナディル、俺も大好きだ。番からは・・・こんなにも幸せな匂いがするんだな。」
自分の胸元に埋まるナディルの体に鼻を寄せ、くんくん、愛おしそうに匂いを嗅ぐ。
ランドルフの柔らかな髪の毛がナディルの肌に当たって、くすぐったさのあまりナディルはついにくすくすと笑い出す。
「ランドルフ、これからもよろしくね。俺の愛しい番さま。」
「ああ、こちらこそよろしく。」
「・・・ん?何で押し倒・・・え?!ラ、ラ、ランドルフ!?」
「煽ったのはナディルだぞ?」
「?!ま、待って!お、俺、もう体力が、ひゃっ、」
大きな猫・・・ではなく獅子は、愛しの番にこれでもかと覆い被さり、至る所にキスを落とす。
戸惑う人間の彼は、きっとこの先何度も同じような光景を見ることだろう。
二人の夜はまだ終わらない。
そして二人の幸せな時間は、これからずっと続いていくことになる。
おしまい
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