笑うピエロは壊れてる

枝豆散弾銃

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カリナ

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学校を時間を理由にサボり、俺は大通りが一望できるビルの屋上にいた

ウイルスが蔓延する前だというのもあって、タイムリープ前とは人の数がえらく違う

人と人とが笑い合い、交流しあっている


それを見て、俺が目を覚ました時のことを思い出す

俺は目を覚ますとシズカとセツナが両腕を掴んでいた

「最近見た光景だな。おい」

よかったよ
どっちも生きていてくれて

起きるや否や
セツナはギャン泣き
シズカも少し泣いていた

それを思い出して少し微笑む

「義賊も殆ど捕まえた一件落着だな」

俺は全治7ヶ月ほどのはずだった怪我を回復魔術で治された

もうピンピンしている
俺がタイムリープしてまだ1週間しか経ったないとかマジで信じられない

「はぁ、やっぱりこの人口じゃ探すのには無茶があるか」

何故とは言わないが、ゲートならまだなんとかなるかもしれないけど、フライはむりだよなぁ

「誰か探してるの?」
「ん?ああ、昔の・・・・は?」

小柄で腕も足も細い
そして、なによりすばしっこそうだ

カリナだった
元パーティメンバーのカリナだ

俺は驚いて落ちそうになるところをカリナに掴まれる

その隣には赤く燃えているようにも見えるその髪を一つにまとめあげていて
その目の色は髪とは、反対に優しさをひんやりとした印象を受ける水色

「そんなにびっくりすることないじゃない!」
「え?あ、あぁ、そうだな」

そして、この口調

間違いない
俺は再開の感動で震え上がる

なんでここにいる
いや、好都合だけども

俺はカリナに引っ張られて助けられ
再び腰を下ろす

「ここ、私好きなのよね」
「なんでだ?」
「人が多いから」

カリナは、人が好きだった
誰とでも仲良くできて、みんなが笑うそんな女の子だった

「そうだな」

俺は、カリナを見つめて近づく

「どうしたの?」

カリナは人を疑うことを覚えない
昔もそうだった

俺は微笑んで、カリナの手を取る

「な、なに?デートのお誘いなら考えてあげるよ?《リーダー》」

そして、俺はその手に手錠をかけた

「へ?」
「義賊逮捕」
「えぇええええーーー。リーダーそりゃないよ」
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