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第一章 謎の組織、異世界へ行く
悪事1 謎の組織、新たな志を胸に暗躍する
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物々しい雰囲気の中、円卓を囲んで話し合いを行う5人の人物がいた。
「諸君、私はこの星に見切りをつけた。もはや、ここに我らの居場所はない」
中央に座るリーダー格の人物が発言すると、残りの4人も一様に頷く。
「故に、『統領』と私は住み慣れたこの星を去り、新たな場所で私たちが考える理想郷を作ることにしました。よって、今この時を持って当社は解散とします」
リーダー格を補佐するように側に立つ人物が発言すると、周囲にざわめきが生まれる。
「静かにせよ。『参謀』、説明の続きを」
リーダー格『統領』の一喝で落ち着きを取り戻したが、皆動揺を隠せていない。
「そうは言っても、実際は夜逃げするようなものです。この星に、私たちの居場所はありませんでした。ですから、統領と私は次の目標に向けて、新会社を設立することにしました。それに伴う、組織の解体と言う事です」
「我らは……不要。お役御免ということですか?」
「そう言うわけではない。本来であれば、全員、私についてこいと言いたいところだが、ここから先は従来の我々の契約とは異なるものとなる。故に、一度解散し、新たな志に賛同できるという者のみが新会社の序列に加わることを許可する」
「それほどまでの……計画なのですね?」
話を聞いていた1人が、ごくりと喉を鳴らす。
「中には、これを機に真っ当な職への転向を希望する者もいるだろう。今一度、皆に信を問いたい、と言う事だ」
裏切ることは許さない、『統領』の言葉の重圧に圧倒される面々。
先ほどまで説明をし、『統領』に絶対の忠誠を誓う『参謀』ですら、そのカリスマ性に呑まれていた。
「俺は『統領』について行く」
そんな雰囲気の中、最初に声を上げたのは5人で最も大柄な人物。
「俺はバカだから、難しいことはわからない。だけど、力だけが取り柄で誰も必要としなかった俺を拾ってくれたのは『統領』だけだ。だったら、その『統領』が行くってところに黙ってついていくだけだ」
「本当にいいのか? これからは自分のやりたいことをやればいいのだぞ? 『怪人』よ」
「俺は最初から、どこまでも『統領』についていくって決めてた」
「そうか、ありがとう」
難しい理屈はどうでもいい、ただ自分が信じる人について行くだけだと『怪人』は言う。
「ふ、『怪人』に先に言われてしまうとは情けない。私だって最初から『統領』について行くと決めておりましたよ。私の理念は『統領』の下でしか理解されませんからね」
「私は良い部下に恵まれたな。『教授』、これからもよろしく頼む」
『怪人』とは真逆の、細身でスッキリした体型の人物も新会社の序列に加わることを了承した。これで5人中4人が賛同したことになる。
「『統領』、私はこの2人ほど安易に同意はしません。まずは新会社の目標や理念などをお聞かせ願えますか? 全てを理解した上で結論を出したいと思います」
「もちろんだとも、まずは待遇面だが……」
最後に残った5人目。
まるで採用面接試験の様にアレコレと聞いてくるのは、現実主義な性格が影響してか。
しかし、こんな怪しい組織に所属している時点で少し残念な人物ではある。
一通りの説明が終わり、
「何だ、結局は『医者』も一緒に来るんじゃないか」
「私はあなたたちのように何も考えずに人生を決めることができないだけです」
「ははは、違いねぇ!」
改めて全員の意思を確認した5人は、誰一人欠けることなく新たな目標にスタートを切ることになった。
「それで、我らが新たな目標とは? そろそろ教えて頂けませんか?」
「うむ、我々が新たな目標とするもの、それは……」
『統領』が勿体ぶって新会社の目標を発表し、それを真剣に聞き入る4人。
話が終わり、辺りを静寂が包んだ後、一行から爆発的な歓声が響き渡った。
彼らが歓喜する、新たな目標とは!?
「諸君、私はこの星に見切りをつけた。もはや、ここに我らの居場所はない」
中央に座るリーダー格の人物が発言すると、残りの4人も一様に頷く。
「故に、『統領』と私は住み慣れたこの星を去り、新たな場所で私たちが考える理想郷を作ることにしました。よって、今この時を持って当社は解散とします」
リーダー格を補佐するように側に立つ人物が発言すると、周囲にざわめきが生まれる。
「静かにせよ。『参謀』、説明の続きを」
リーダー格『統領』の一喝で落ち着きを取り戻したが、皆動揺を隠せていない。
「そうは言っても、実際は夜逃げするようなものです。この星に、私たちの居場所はありませんでした。ですから、統領と私は次の目標に向けて、新会社を設立することにしました。それに伴う、組織の解体と言う事です」
「我らは……不要。お役御免ということですか?」
「そう言うわけではない。本来であれば、全員、私についてこいと言いたいところだが、ここから先は従来の我々の契約とは異なるものとなる。故に、一度解散し、新たな志に賛同できるという者のみが新会社の序列に加わることを許可する」
「それほどまでの……計画なのですね?」
話を聞いていた1人が、ごくりと喉を鳴らす。
「中には、これを機に真っ当な職への転向を希望する者もいるだろう。今一度、皆に信を問いたい、と言う事だ」
裏切ることは許さない、『統領』の言葉の重圧に圧倒される面々。
先ほどまで説明をし、『統領』に絶対の忠誠を誓う『参謀』ですら、そのカリスマ性に呑まれていた。
「俺は『統領』について行く」
そんな雰囲気の中、最初に声を上げたのは5人で最も大柄な人物。
「俺はバカだから、難しいことはわからない。だけど、力だけが取り柄で誰も必要としなかった俺を拾ってくれたのは『統領』だけだ。だったら、その『統領』が行くってところに黙ってついていくだけだ」
「本当にいいのか? これからは自分のやりたいことをやればいいのだぞ? 『怪人』よ」
「俺は最初から、どこまでも『統領』についていくって決めてた」
「そうか、ありがとう」
難しい理屈はどうでもいい、ただ自分が信じる人について行くだけだと『怪人』は言う。
「ふ、『怪人』に先に言われてしまうとは情けない。私だって最初から『統領』について行くと決めておりましたよ。私の理念は『統領』の下でしか理解されませんからね」
「私は良い部下に恵まれたな。『教授』、これからもよろしく頼む」
『怪人』とは真逆の、細身でスッキリした体型の人物も新会社の序列に加わることを了承した。これで5人中4人が賛同したことになる。
「『統領』、私はこの2人ほど安易に同意はしません。まずは新会社の目標や理念などをお聞かせ願えますか? 全てを理解した上で結論を出したいと思います」
「もちろんだとも、まずは待遇面だが……」
最後に残った5人目。
まるで採用面接試験の様にアレコレと聞いてくるのは、現実主義な性格が影響してか。
しかし、こんな怪しい組織に所属している時点で少し残念な人物ではある。
一通りの説明が終わり、
「何だ、結局は『医者』も一緒に来るんじゃないか」
「私はあなたたちのように何も考えずに人生を決めることができないだけです」
「ははは、違いねぇ!」
改めて全員の意思を確認した5人は、誰一人欠けることなく新たな目標にスタートを切ることになった。
「それで、我らが新たな目標とは? そろそろ教えて頂けませんか?」
「うむ、我々が新たな目標とするもの、それは……」
『統領』が勿体ぶって新会社の目標を発表し、それを真剣に聞き入る4人。
話が終わり、辺りを静寂が包んだ後、一行から爆発的な歓声が響き渡った。
彼らが歓喜する、新たな目標とは!?
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