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第一章 謎の組織、異世界へ行く
悪事17 謎の組織、ニブルタール王国の重鎮に品定めされる
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『統領』の目の前には、石造りの城がそびえ立っている。彼は今、ウエストバーンに連れられてニブルタール王城を訪れていた。半ば、強制的に。
(一体、何がどうしてこうなった? 私がこの国の権力者たちに会わなければいけない理由がどこにもないはずなのだが……)
そんなことを考えているうちに謁見の間まで到着してしまい、ウエストバーンが扉の衛兵に話しかけていた。
問題なく入室が許可されて、2人は中へと促されて入っていく。
(おっさんは、作法は気にしないとか言ってたけど、どう考えてもそれはダメだろ。とは言っても、もうどうしようもないから、成る様に成れ状態だが……あー、いやだなぁ)
質素ではないが豪華とも言えない質実剛健な造りの室内。
中央の奥には一段高くなった位置に王座があり、初老の男性が座っていた。
この50くらいに見える男が、ウエストバーンが仕えているニブルタール国王なのだろう。
王座の手前には、右左に各3人ずつ男が立つ。
こちらの年齢は見た目で30~60くらいで様々。きっと国の重鎮たちだろう。
ウエストバーンが国王のかなり手前で立ち止まったので『統領』もそれに倣ったが、跪かなくても大丈夫なのか? と不安になっていたりした。
「ボス殿、こちらが我がニブルタール王国のヘイム国王陛下です」
「急な呼び出しに、よく応えてくれた。ウエストバーンからは異国出身と聞いておる。今日は非公式の顔合わせ故に礼儀作法は不問と致すので、気楽にしていてほしい」
余所者で一般人の自分に対して、ここまで丁寧に対応されるとは思ってもいなかった『統領』は、内心でとても驚いていた。
「国王陛下、こちらがボス殿です。この度、私の娘と婚約を結ばせてもらうことになりました。娘は嫁ぐ形となりますので、残念ながらボス殿がニブルタールの為政に携わることはありません」
(あー、益々、断りづらくしやがった。確実に外堀を埋めにかかってるな、こいつは……。まぁ、でも何となく構図がわかってきた。要は、自分の身は潔白ですって宣言しているのか。一々、そんなこともしないといけないなんて貴族ってやつは大変だな)
「お初にお目にかかります、ヘイム国王陛下。早速ですが、今回はどのような用件でしょうか? 謁見の機会を頂けたことは身に余る光栄なのですが、私のような一般人が呼ばれるような理由が見つかりませんので不思議に思っております」
減り下る必要もないが、不遜な態度でウエストバーンの顔を潰すわけにはいかないので、差し障りのないレベルの探りを入れる。
「困惑するのもわからんでもないが、私がそなたを自分の目で一度見てみたかっただけよ。ウエストバーンが随分と推すので、どれくらいの男なのかと思ってな」
横目でウエストバーンの反応を探ってみても、無表情すぎて感情が読み取れない。
(心拍、脈拍、体温、発汗に正常範囲から誤差無し。この王様、正気か? たったそれだけのために呼んだと? いや、気をつけろ、絶対に何か裏があるはずだ)
それからは世間話のような質問をしばらく交わして、核心部分へと移っていった。
「それで、そなたは黒竜王を使役していると聞いておるのだが、相違ないか?」
「黒竜王? ああ、ニッグのことですか。特に、使役はしてないですよ」
『統領』のその発言に周囲がざわめいた。
「それでは、なぜあの竜がそなたに付き従っておる? 黒竜王はとても好戦的で、住処に侵入した者を絶対に許さないと聞く。実際、かつて討伐隊を島に送った帝国は、その報復で滅ぼされたのではないか?」
「ニッグは寝てたのを叩き起こされたから怒っただけですよ。人間だって、自分が寝ている家に断りもなく勝手に他人が入ってきたら、強盗かと思うでしょう? もし、この城に武装した他国の兵士が怒鳴り込んで来たら? ニッグだって同じですよ。確かに人間とは違いますから、与えた被害も大きかったでしょう。しかし、手を出したから、やり返された、ただそれだけのことです」
竜は力が強く、畏怖の対象で、気性の荒い生き物で、地上の最強種。
いつ気まぐれに自分たちの生存権を脅かされるかわからないという恐怖から、よく調べもせずに手を出してしまった、その先入観が招いた結果。
「あなたたちは、竜が最初から危ない生き物だと決めつけてませんでしたか? その生態をよく調べましたか? 会話を試みましたか? この国の騎士の人達だって、馬とコミュニケーションを取れているから乗せてもらえるのでしょう? では、なぜ竜とはそれが出来ないと思うのですか? 彼らの寿命は永い。人間の言語なんて簡単に理解しています」
唐突に投げかけられる疑問の嵐に、誰も回答をすることができない。
何故ならば、そんなことをこの場の誰一人として考えたこともないからだ。
ニブルタール王国にとって、いやこの世界に生きる人にとって、『統領』の考え方は異質そのもの。
「あなた方は、ニッグの好物が果実だと知っていましたか? 肉は今まで一度も食べたこともないと言っていました。私は、人間と同じように竜にも様々な性格があるのだと考えています。ニッグは特に穏やかな部類になるでしょう。もちろん、全ての竜が同じとは言いませんので注意は必要です。しかし、私からすれば、何の下調べも交渉もせずに、ただ竜と言うだけで最初から武力で討伐しようとしたその帝国とやらのほうが理解できません。国家として、そんな判断しかできない国であれば、遅かれ早かれ潰えた運命でしょう」
ここまで言ってしまったのだから、もう最後まで言ってしまえと思い始めた『統領』。
「先ほどの質問に戻りましょうか。なぜ、ニッグを使役してないのか。答えは単純で、簡単なこと、私はニッグを友人だと思っているからです(出会った当初は、いきなり襲い掛かられたから印象が最悪だったけどな)。私の認識では、友人を使役するということは有り得ない。そんなものは、最早友好関係でも何でもない。主従か隷属関係です」
満足げに言い切った『統領』は清々しい気分だった。
とは言っても、これはニッグ本人には伝えたことがない話。何故ならば、面と向かって改めて僕たちは友達同士だよね? なんて今更恥ずかしくて聞けないからだ。
「くふ、ふふふ、ははははは! いや失礼、ウエストバーンの言う通りだな! とても興味深い。私としては是非、個人的な友人として付き合いたいと思うくらいだが、そうは言えないのが残念でならない」
先ほどまでの重苦しい威厳はどこにいったのか、と思うくらいの軽々しさ。
『統領』の横を見れば、ウエストバーンが笑いをこらえてプルプルしていた。
「今度の武術大会に出場するらしいな? 武もウエストバーン並みだと聞いている。他国からも数多くの手練れが参加しておる故、その中でどれだけ活躍できるか、今からとても楽しみになった」
何がどう琴線に触れたのかわからないが、悪印象を与えるよりは結果オーライである。
こうして、ニブルタール王国との1回目の接触は幕を閉じたのだった。
一同が解散して今は部屋には2人だけ、初老の男性はぽつりと本音を溢す。
「宰相、私は衝撃的だったよ。先ほど、あの男に言われるまで、何でそんな単純なことに考えが及ばなかったのか……まるで自分の器の小ささを諭されるような想いだった」
「陛下……皆のいる場ではそのようなことは口にしませぬよう。それに、ボス殿は異国の者なのですから、陛下や我々と考え方が違っても当然です」
「わかっておるよ、愚痴を吐くのはここだけだ。奇抜な思想を支える柔軟で先入観のない思考、思わず聞き入ってしまうほどの言葉に込められた覇気、人並み外れた武、あの場で一切怯まない胆力、ウエストバーンが会って間もないのに娘を嫁がせたいと願うほどの人柄とカリスマ性、あれが一個人とはとても信じられんな」
「そう感じられただけでも収穫だったではありませんか? それに、ボス殿を直接見たいと陛下がおっしゃられなければ、今日の会談は存在しなかったのです。それを導いた陛下の慧眼は流石かと」
グラスに注がれた赤い液体を己の喉に流し込むピッチが加速する。
「極めつけはアレだ、まさか竜を友だと言い切るとはな……ふははは、今になって思い出しても身体が震える。私にとって、黒竜王は恐怖と絶望の象徴だったよ。子供の頃から、そうやって教えられて育ってきたのだから当然と言えば当然なのだがな」
「私にとっても同じですよ。黒竜王が魔導帝国を滅ぼした話は有名で子供でも知っていますからね、悪いことをすると黒竜王に攫われると。そして、我ら為政者は胆に銘じる言葉でもありますね。悪しき行い、悪しき統治で無辜の民が嘆くとき、黒竜王が舞い降りて全てを灰燼に帰すだろう」
「そうだ。その言葉を胸に、民に恥じぬ統治を行わねばならない。つまり、我々にとって黒竜王とは、神にも等しい存在なのだ。それをあの男は友だと言った。私たちが畏怖する神のような存在に対して、あの男は対等だと。友として付き合い、話し合い、故に一緒にいると。あのような男こそが、勇者と呼ばれるべき者なのかもしれないな」
「私も身が引き締まる思いでした。歳を重ねると、上手く人生を過ごすことに長けてしまいましたから。本来、聞かなければならない声を、掴まなければならない手をどれだけ見ないふりをしてしまったのか……今となっては後悔しかありません」
「ははは、お前がそんなことを言ってどうする。今の話は聞かなかったことにするから、ここだけにしておけよ? 明日からは、意識して少しずつでも変えて行かねば……そうでなければそれを気づかせてくれた、あの男に悪い。もちろん、お互いにな?」
「ふふふ、見事に返されてしまいましたな。ここまで腹を割って話したのは久しぶりです。今日だけはとことんお付き合いしましょう。明日からのために」
国王と宰相、男2人だけの会話は夜が更けるまで続いた。
(一体、何がどうしてこうなった? 私がこの国の権力者たちに会わなければいけない理由がどこにもないはずなのだが……)
そんなことを考えているうちに謁見の間まで到着してしまい、ウエストバーンが扉の衛兵に話しかけていた。
問題なく入室が許可されて、2人は中へと促されて入っていく。
(おっさんは、作法は気にしないとか言ってたけど、どう考えてもそれはダメだろ。とは言っても、もうどうしようもないから、成る様に成れ状態だが……あー、いやだなぁ)
質素ではないが豪華とも言えない質実剛健な造りの室内。
中央の奥には一段高くなった位置に王座があり、初老の男性が座っていた。
この50くらいに見える男が、ウエストバーンが仕えているニブルタール国王なのだろう。
王座の手前には、右左に各3人ずつ男が立つ。
こちらの年齢は見た目で30~60くらいで様々。きっと国の重鎮たちだろう。
ウエストバーンが国王のかなり手前で立ち止まったので『統領』もそれに倣ったが、跪かなくても大丈夫なのか? と不安になっていたりした。
「ボス殿、こちらが我がニブルタール王国のヘイム国王陛下です」
「急な呼び出しに、よく応えてくれた。ウエストバーンからは異国出身と聞いておる。今日は非公式の顔合わせ故に礼儀作法は不問と致すので、気楽にしていてほしい」
余所者で一般人の自分に対して、ここまで丁寧に対応されるとは思ってもいなかった『統領』は、内心でとても驚いていた。
「国王陛下、こちらがボス殿です。この度、私の娘と婚約を結ばせてもらうことになりました。娘は嫁ぐ形となりますので、残念ながらボス殿がニブルタールの為政に携わることはありません」
(あー、益々、断りづらくしやがった。確実に外堀を埋めにかかってるな、こいつは……。まぁ、でも何となく構図がわかってきた。要は、自分の身は潔白ですって宣言しているのか。一々、そんなこともしないといけないなんて貴族ってやつは大変だな)
「お初にお目にかかります、ヘイム国王陛下。早速ですが、今回はどのような用件でしょうか? 謁見の機会を頂けたことは身に余る光栄なのですが、私のような一般人が呼ばれるような理由が見つかりませんので不思議に思っております」
減り下る必要もないが、不遜な態度でウエストバーンの顔を潰すわけにはいかないので、差し障りのないレベルの探りを入れる。
「困惑するのもわからんでもないが、私がそなたを自分の目で一度見てみたかっただけよ。ウエストバーンが随分と推すので、どれくらいの男なのかと思ってな」
横目でウエストバーンの反応を探ってみても、無表情すぎて感情が読み取れない。
(心拍、脈拍、体温、発汗に正常範囲から誤差無し。この王様、正気か? たったそれだけのために呼んだと? いや、気をつけろ、絶対に何か裏があるはずだ)
それからは世間話のような質問をしばらく交わして、核心部分へと移っていった。
「それで、そなたは黒竜王を使役していると聞いておるのだが、相違ないか?」
「黒竜王? ああ、ニッグのことですか。特に、使役はしてないですよ」
『統領』のその発言に周囲がざわめいた。
「それでは、なぜあの竜がそなたに付き従っておる? 黒竜王はとても好戦的で、住処に侵入した者を絶対に許さないと聞く。実際、かつて討伐隊を島に送った帝国は、その報復で滅ぼされたのではないか?」
「ニッグは寝てたのを叩き起こされたから怒っただけですよ。人間だって、自分が寝ている家に断りもなく勝手に他人が入ってきたら、強盗かと思うでしょう? もし、この城に武装した他国の兵士が怒鳴り込んで来たら? ニッグだって同じですよ。確かに人間とは違いますから、与えた被害も大きかったでしょう。しかし、手を出したから、やり返された、ただそれだけのことです」
竜は力が強く、畏怖の対象で、気性の荒い生き物で、地上の最強種。
いつ気まぐれに自分たちの生存権を脅かされるかわからないという恐怖から、よく調べもせずに手を出してしまった、その先入観が招いた結果。
「あなたたちは、竜が最初から危ない生き物だと決めつけてませんでしたか? その生態をよく調べましたか? 会話を試みましたか? この国の騎士の人達だって、馬とコミュニケーションを取れているから乗せてもらえるのでしょう? では、なぜ竜とはそれが出来ないと思うのですか? 彼らの寿命は永い。人間の言語なんて簡単に理解しています」
唐突に投げかけられる疑問の嵐に、誰も回答をすることができない。
何故ならば、そんなことをこの場の誰一人として考えたこともないからだ。
ニブルタール王国にとって、いやこの世界に生きる人にとって、『統領』の考え方は異質そのもの。
「あなた方は、ニッグの好物が果実だと知っていましたか? 肉は今まで一度も食べたこともないと言っていました。私は、人間と同じように竜にも様々な性格があるのだと考えています。ニッグは特に穏やかな部類になるでしょう。もちろん、全ての竜が同じとは言いませんので注意は必要です。しかし、私からすれば、何の下調べも交渉もせずに、ただ竜と言うだけで最初から武力で討伐しようとしたその帝国とやらのほうが理解できません。国家として、そんな判断しかできない国であれば、遅かれ早かれ潰えた運命でしょう」
ここまで言ってしまったのだから、もう最後まで言ってしまえと思い始めた『統領』。
「先ほどの質問に戻りましょうか。なぜ、ニッグを使役してないのか。答えは単純で、簡単なこと、私はニッグを友人だと思っているからです(出会った当初は、いきなり襲い掛かられたから印象が最悪だったけどな)。私の認識では、友人を使役するということは有り得ない。そんなものは、最早友好関係でも何でもない。主従か隷属関係です」
満足げに言い切った『統領』は清々しい気分だった。
とは言っても、これはニッグ本人には伝えたことがない話。何故ならば、面と向かって改めて僕たちは友達同士だよね? なんて今更恥ずかしくて聞けないからだ。
「くふ、ふふふ、ははははは! いや失礼、ウエストバーンの言う通りだな! とても興味深い。私としては是非、個人的な友人として付き合いたいと思うくらいだが、そうは言えないのが残念でならない」
先ほどまでの重苦しい威厳はどこにいったのか、と思うくらいの軽々しさ。
『統領』の横を見れば、ウエストバーンが笑いをこらえてプルプルしていた。
「今度の武術大会に出場するらしいな? 武もウエストバーン並みだと聞いている。他国からも数多くの手練れが参加しておる故、その中でどれだけ活躍できるか、今からとても楽しみになった」
何がどう琴線に触れたのかわからないが、悪印象を与えるよりは結果オーライである。
こうして、ニブルタール王国との1回目の接触は幕を閉じたのだった。
一同が解散して今は部屋には2人だけ、初老の男性はぽつりと本音を溢す。
「宰相、私は衝撃的だったよ。先ほど、あの男に言われるまで、何でそんな単純なことに考えが及ばなかったのか……まるで自分の器の小ささを諭されるような想いだった」
「陛下……皆のいる場ではそのようなことは口にしませぬよう。それに、ボス殿は異国の者なのですから、陛下や我々と考え方が違っても当然です」
「わかっておるよ、愚痴を吐くのはここだけだ。奇抜な思想を支える柔軟で先入観のない思考、思わず聞き入ってしまうほどの言葉に込められた覇気、人並み外れた武、あの場で一切怯まない胆力、ウエストバーンが会って間もないのに娘を嫁がせたいと願うほどの人柄とカリスマ性、あれが一個人とはとても信じられんな」
「そう感じられただけでも収穫だったではありませんか? それに、ボス殿を直接見たいと陛下がおっしゃられなければ、今日の会談は存在しなかったのです。それを導いた陛下の慧眼は流石かと」
グラスに注がれた赤い液体を己の喉に流し込むピッチが加速する。
「極めつけはアレだ、まさか竜を友だと言い切るとはな……ふははは、今になって思い出しても身体が震える。私にとって、黒竜王は恐怖と絶望の象徴だったよ。子供の頃から、そうやって教えられて育ってきたのだから当然と言えば当然なのだがな」
「私にとっても同じですよ。黒竜王が魔導帝国を滅ぼした話は有名で子供でも知っていますからね、悪いことをすると黒竜王に攫われると。そして、我ら為政者は胆に銘じる言葉でもありますね。悪しき行い、悪しき統治で無辜の民が嘆くとき、黒竜王が舞い降りて全てを灰燼に帰すだろう」
「そうだ。その言葉を胸に、民に恥じぬ統治を行わねばならない。つまり、我々にとって黒竜王とは、神にも等しい存在なのだ。それをあの男は友だと言った。私たちが畏怖する神のような存在に対して、あの男は対等だと。友として付き合い、話し合い、故に一緒にいると。あのような男こそが、勇者と呼ばれるべき者なのかもしれないな」
「私も身が引き締まる思いでした。歳を重ねると、上手く人生を過ごすことに長けてしまいましたから。本来、聞かなければならない声を、掴まなければならない手をどれだけ見ないふりをしてしまったのか……今となっては後悔しかありません」
「ははは、お前がそんなことを言ってどうする。今の話は聞かなかったことにするから、ここだけにしておけよ? 明日からは、意識して少しずつでも変えて行かねば……そうでなければそれを気づかせてくれた、あの男に悪い。もちろん、お互いにな?」
「ふふふ、見事に返されてしまいましたな。ここまで腹を割って話したのは久しぶりです。今日だけはとことんお付き合いしましょう。明日からのために」
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