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第2章 Girl meets boy and fantasy
2-15 武神の少女による girl meets boy and fantasy⑤
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ああ、思い出しました。『あ、そうそう、舞、司によろしくな』です。そうですか、こういうことですか。あの筋肉ゴリラめ、最初から知っていやがりましたね。そして、ボロを出さないように、ぎりぎりまで私に黙っていたということですか。そうなるとお父様もお母様もグルだったことが自ずとわかります。ちっ、これは完全にハメられました。まさか、うちの筋肉ゴリラ共にあんな猿芝居をさせるなんて、まんまと一本取られました・・・・。くっ、また、お母様の掌の上だったということですか。こんちくしょう。
「ええ、残念ながら、非常に、不本意ながら、宗司は私の兄ですね。司さんのご想像する宗司が、うちの兄と特徴が一致すればですが。」
「そうか、会った時になんとなく気配が似ていると思ったよ。君の兄の宗司さんにはかなりお世話になった。たぶん、うちの爺様が先生として呼んだんだと思うけど、基本的な身体作りから護身術みたいなものまで、自分の身体の動かし方を教えてもらった。結局、最後まで一対一の組み手で一度も勝てなかったけどな。」
なるほど、どうりで、司さんの身体が歳の割にはしっかりしている理由がわかりました。この身体は、あの筋肉トレーニングオタクの脳筋ゴリラに鍛えられていたとは、というか、あの野生のゴリラに人間様の指導ができていたという事実に驚きを禁じえません。なんということでしょう。少しだけ、髪の毛の先ほどの量ですけど、ほんのすこしだけ兄を見直しました。・・・・・とても不本意ですが。
「・・・・ありがとうございます。あの兄と一緒にされるのはとても不本意ですが、家族が褒められるのは割とうれしいものですね。なにせ、これまであの脳筋ゴリr・・・もとい、兄には散々迷惑をかけられてきましたからね。もうどれだけ闇に滅しようかと考えたことか・・・・・ぶつぶつぶつ。」
司さんに、というか家族以外の人に、兄が褒めて頂いたことはとてもうれしいはずなのですが、これまで兄に関わってきた記憶がリフレインされてきて、とても微妙な気分です。そう、あの脳筋ゴリラは今までどんだけの人様に迷惑をかけてきたことですか・・・。
「ふふふ。おっと、いろいろ話をする前に、まずはリリのことを話さないとな。」
司さんが苦笑しながらも、話の流れを変えてくれました。確かにこのまま兄の話をしていると私がダークサイドの闇に堕ちてしまいそうですから、ナイス判断です。案外、気が使える人なんですね。意外です。
「・・・・ええ、前回来た時には子犬なんて家にいませんでしたから。正直、最初に見たときは野良犬でも住み着いたのかと思ってしまいました。でも、親犬の姿が見えませんけど、親はいないのですか?」
親犬という単語を話した瞬間に子犬のリリの耳がぴくぴくっと動きました。その反応をちらっと横目で確認した司さんは、横で丸くなっている子犬のリリを抱き上げました。そして胡坐をかいた自分の膝の上に載せて、その身体をやさしく撫ではじめると、子犬のリリは眼をうっすらと細めて安心したようにその場でまた丸くなりました。むむ、私、何か余計なことでもしゃべったのでしょうか。これくらいのサイズならまだ親と一緒に生活するくらいの頃だと思ったので、つい聞いてみてしまったのですけども。
「まぁ、なんていうか、3日くらい前に雨が降った日があっただろう?あの日にふと外を見たら家の前で段ボール箱を見つけてな。その中にリリが入れられていて、外は雨も降っていたし、そのままにするのはとても忍びなくて、つい、拾ってしまったわけだ。雨にも濡れて弱っていたし、あとから気づいたんだがけっこう痩せていて、まぁ飯くらい食わせて元気になったら自分からどこかに行くだろうと思っていたんだけどな。餌付けしているうちに俺自身にも情が移ってしまってな、リリも居心地よさそうだし、まぁこのままリリに他にいくところがなければ一緒にいるのもいいかなと思い始めたところだ。」
な、な、なんというお人よしな人ですか・・・・今のご時世で天然記念物レベルです。いつの日にか何ちゃら詐欺にでも引っかかりそうな不安感を感じます、会ってすぐの私でもそんなことを感じるくらいですから相当なものです。でも納得しました。なるほど、この子は捨て犬だったのですね、それでさっき親犬といったときに反応したのでしょうか。それにしても、人様のお家の前にわざわざ捨てていくなんて、罰当たりな人もいたものです。そんな卑劣なことをする人はきっと、将来地獄にでも落ちろなのです。
「リリのことはそんな感じだ。それで、これから少しお互いに情報交換でもして今後どうやっていくかを話し合いたいんだがいいか?今日は日曜日だし、16だとまだ学生だろう?時間遅くに返すわけにもいかないから、夕方くらいまでで時間の許す限り進めていこう。まぁ、急ぐことでもないし、今日終わらなくて後日またでもいいからな。」
「はい。私もそれで構いません。いつもだと18時くらいに帰っていたので、それくらいまでは大丈夫でしょう。それ以降になりそうな場合は、家に電話でもしますから大丈夫です。」
司さんがそう切り出してきたので、素直に頷いて話をすることにしました。それにたとえ帰るのが夜遅くなったとしても、きっと送ってくださるのでしょうね。私の勘が思うに、夜遅くに私一人で家に帰すほど司さんは甲斐性なしではないと思います。家の前に捨てられている子犬をつい拾って育てようとしちゃうくらいのお人よしですしね。
「ええ、残念ながら、非常に、不本意ながら、宗司は私の兄ですね。司さんのご想像する宗司が、うちの兄と特徴が一致すればですが。」
「そうか、会った時になんとなく気配が似ていると思ったよ。君の兄の宗司さんにはかなりお世話になった。たぶん、うちの爺様が先生として呼んだんだと思うけど、基本的な身体作りから護身術みたいなものまで、自分の身体の動かし方を教えてもらった。結局、最後まで一対一の組み手で一度も勝てなかったけどな。」
なるほど、どうりで、司さんの身体が歳の割にはしっかりしている理由がわかりました。この身体は、あの筋肉トレーニングオタクの脳筋ゴリラに鍛えられていたとは、というか、あの野生のゴリラに人間様の指導ができていたという事実に驚きを禁じえません。なんということでしょう。少しだけ、髪の毛の先ほどの量ですけど、ほんのすこしだけ兄を見直しました。・・・・・とても不本意ですが。
「・・・・ありがとうございます。あの兄と一緒にされるのはとても不本意ですが、家族が褒められるのは割とうれしいものですね。なにせ、これまであの脳筋ゴリr・・・もとい、兄には散々迷惑をかけられてきましたからね。もうどれだけ闇に滅しようかと考えたことか・・・・・ぶつぶつぶつ。」
司さんに、というか家族以外の人に、兄が褒めて頂いたことはとてもうれしいはずなのですが、これまで兄に関わってきた記憶がリフレインされてきて、とても微妙な気分です。そう、あの脳筋ゴリラは今までどんだけの人様に迷惑をかけてきたことですか・・・。
「ふふふ。おっと、いろいろ話をする前に、まずはリリのことを話さないとな。」
司さんが苦笑しながらも、話の流れを変えてくれました。確かにこのまま兄の話をしていると私がダークサイドの闇に堕ちてしまいそうですから、ナイス判断です。案外、気が使える人なんですね。意外です。
「・・・・ええ、前回来た時には子犬なんて家にいませんでしたから。正直、最初に見たときは野良犬でも住み着いたのかと思ってしまいました。でも、親犬の姿が見えませんけど、親はいないのですか?」
親犬という単語を話した瞬間に子犬のリリの耳がぴくぴくっと動きました。その反応をちらっと横目で確認した司さんは、横で丸くなっている子犬のリリを抱き上げました。そして胡坐をかいた自分の膝の上に載せて、その身体をやさしく撫ではじめると、子犬のリリは眼をうっすらと細めて安心したようにその場でまた丸くなりました。むむ、私、何か余計なことでもしゃべったのでしょうか。これくらいのサイズならまだ親と一緒に生活するくらいの頃だと思ったので、つい聞いてみてしまったのですけども。
「まぁ、なんていうか、3日くらい前に雨が降った日があっただろう?あの日にふと外を見たら家の前で段ボール箱を見つけてな。その中にリリが入れられていて、外は雨も降っていたし、そのままにするのはとても忍びなくて、つい、拾ってしまったわけだ。雨にも濡れて弱っていたし、あとから気づいたんだがけっこう痩せていて、まぁ飯くらい食わせて元気になったら自分からどこかに行くだろうと思っていたんだけどな。餌付けしているうちに俺自身にも情が移ってしまってな、リリも居心地よさそうだし、まぁこのままリリに他にいくところがなければ一緒にいるのもいいかなと思い始めたところだ。」
な、な、なんというお人よしな人ですか・・・・今のご時世で天然記念物レベルです。いつの日にか何ちゃら詐欺にでも引っかかりそうな不安感を感じます、会ってすぐの私でもそんなことを感じるくらいですから相当なものです。でも納得しました。なるほど、この子は捨て犬だったのですね、それでさっき親犬といったときに反応したのでしょうか。それにしても、人様のお家の前にわざわざ捨てていくなんて、罰当たりな人もいたものです。そんな卑劣なことをする人はきっと、将来地獄にでも落ちろなのです。
「リリのことはそんな感じだ。それで、これから少しお互いに情報交換でもして今後どうやっていくかを話し合いたいんだがいいか?今日は日曜日だし、16だとまだ学生だろう?時間遅くに返すわけにもいかないから、夕方くらいまでで時間の許す限り進めていこう。まぁ、急ぐことでもないし、今日終わらなくて後日またでもいいからな。」
「はい。私もそれで構いません。いつもだと18時くらいに帰っていたので、それくらいまでは大丈夫でしょう。それ以降になりそうな場合は、家に電話でもしますから大丈夫です。」
司さんがそう切り出してきたので、素直に頷いて話をすることにしました。それにたとえ帰るのが夜遅くなったとしても、きっと送ってくださるのでしょうね。私の勘が思うに、夜遅くに私一人で家に帰すほど司さんは甲斐性なしではないと思います。家の前に捨てられている子犬をつい拾って育てようとしちゃうくらいのお人よしですしね。
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