リアルにファンタジーのほうがやってきた! ~謎の異世界からやってきたのは健気で可愛いモフモフでした~

ねこのにくきう

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第4章 旅にアクシデントはお約束?

4-32 青葉リゾートでのひと時、2日目①

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 青葉家別荘に滞在2日目の朝が始まる。

 夏のバカンスに来たにも関わらず、明らかにおかしい行動をしている人がちらほら見受けられる。

 この日、最も早く起きたのは宗司&舞。おかしいやつら、その1である。

 本日も朝4時に起床、まだ日も登っていない。その後、ささっと身支度を整えて、舞たちの部屋を訪れる。ちょっと静かめにノックをするがすぐに反応がない。当然だ、こんな時間に誰も起きているはずがない……と思いきや、舞が部屋から出てきた。すでに起床して身支度も整っており、外出できるような格好で、だ。

 2人はお互い何も言わず、忍びの如く音も立てずに外へ出て行った。もはや、阿吽の呼吸である。恐らくは日課の走り込みに行ったのだろう。澪から個人行動をするな、と言われた次の日にはこれだ。

 まぁ、この2人なら何に遭遇しても大丈夫な気もするが……むしろ遭遇されるボルゾイたちのほうが可愛そうである。というか、この時間はまだボルゾイも寝ているだろうけども。


 次に起きたのは橙花&蒼花。おかしいやつら、その2である。

 朝5時半ごろに2人揃って起床。身支度を整えると、橙花は軽く荷物のチェックを行い、足りないものがないかを確認した後、朝食を作るべく、厨房を借りに行った。蒼花も昨日の夜に青葉家の人から聞き取りを行った別荘や島内の配置などを手帳にまとめていた。それが終わると、内容に間違いがないか、別荘内を直に下見に行った。万が一、問題が起こった場合に速やかに脱出できる経路などを調べるためだろう。どこのスパイか。

 この橙花と蒼花に至っては、もはや職業病である。幼いころから兎神に叩き込まれた習性は、バカンス中だろうと関係なく作用する。いついかなる時も、万全の態勢で臨むのがプロフェッショナルなのだ。最も、司はちゃんと人並みの休暇を取ってほしいと思っているし、本人たちによく言い聞かせているのだが、今のところ無しの礫である。


 次に起きたのはリリ、そして連動して司。おかしいやつら? その3である。

 朝の6時頃、司の隣で寝ていたリリがむくりと起き上がる。意識も目もパッチリ。いつでもオッケー状態である。そして軽く伸びをした後、ぴょんぴょんと準備運動を始める。リリが起きだしたことを察知して、司の目が覚める。正直、まだ眠そうだが、ふらふらと顔を洗いに洗面所へ向かう。ベッドに帰ってきた司はもうすっかり目覚めていた。この辺は慣れたものである。

 リリがすでに待ちきれなくて足元でソワソワしているのを横目に身支度を整えて、リリと一緒に部屋を出る。この2人も向かった先は外、つまりは朝の散歩。

 念のため、もう一度言うが、澪に個人で外出するなと言われたばかりである。まぁ、この2人の場合はリリがいるので安心かもしれない。何せ本当の姿は、時速80キロで走ることのできる体長3メートルの狼だ。戦うことは好きではないが、ヴォルフたちを見ていれば戦闘能力も高いことがわかる。地球上の、どの陸上生物がリリに勝てるというのか。


 ちなみに澪、優、詠美は未だ夢の中である。いや、それが至って普通なのだけれども。この奇妙な集団の中では普通なことが圧倒的な少数派である。……解せぬ。


 朝7時、宗司と舞が走り込みから、司とリリが朝の散歩から帰ってきた。それぞれの部屋に戻り、各自シャワーを浴びて汗を流す。着替えて食堂へ向かうと、澪と優が起きていて、先に朝食を取っていた。

「おはようございます~、皆さん早いですね。朝食を先に頂いていますよ~。あ、司さん、橙花さんが朝食作りを手伝ってくれていたみたいで、ありがとうございます~」

「もぐもぐもぐ……おはよう」

 司たちも挨拶をして席に着くと、橙花と青葉家の使用人たちが朝食を運んでくる。朝食はこんがりときつね色のトーストとサラダとハムエッグという至ってシンプルな内容だった。リリには茹でた鶏肉と温野菜と橙花謹製ドッグフード。

「あの……、橙花さん? 朝から、コレはおかしくありませんか?」

「司、何を言っている? 朝から、豪華で嬉しいことじゃないか!」

 しかし、司と宗司の分には、上記にプラスして500グラムのステーキが鎮座していた。朝から盛大な肉祭りである。きっと、橙花はこれを作りに朝食の手伝いをしに行ったのだろう。

 司はステーキと格闘中、他の全員が食後のデザートを食べまったりと、リリもリンゴをもらってご機嫌になった時、詠美が起きてきた。

「……おはよう」

 相変わらず、ものすごく眠そうな詠美である。その眠そうなまま、モソモソと朝食を取る。半分寝たままでも食べれるのだから器用なものだ。

「……うっぷ」

 司がお腹を摩っているのに対して、宗司はデザートまで平らげて満足げだ。ここまで表情で明暗が分かれるのは如何なものか。この後の予定に差し支えなければいいのだが……。
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