リアルにファンタジーのほうがやってきた! ~謎の異世界からやってきたのは健気で可愛いモフモフでした~

ねこのにくきう

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第5章 地球と彼の地を結ぶ門

5-46 会議は踊るよ、どこまでも

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 直前に思わぬ乱入があったものの、遠征の報告会が始まった。メンバーは司、舞、宗司、兎神だ。リリは舞の膝の上、クーシュは司の膝の上でオブザーバーである。子供なので。

「最初に、皆さま、よくぞご無事でお帰りくださいました。今回、快く依頼を受けて頂いた宗司様、舞様には感謝を。司様が無事なのは2人と……リリ、クーシュのおかげです」

 まずは兎神の言葉から入った。途中、私たちを忘れるな、という視線を感じて2匹にも感謝を述べる。リリは誇らしそうに、クーシュはムフーと鼻息荒く安定のドヤ顔である。


 ちなみに、ここにいないメンバーはというと、竜は大樹に寄り添って、ずっと無言で樹を見つめていた。どうやら何か会話していそうだが、内容はリリにしかわからない。

 母鳥はヴォルフとルーヴと意見交換をしている。きっと地球の歩き方を学んでいるのだろう。姉妹鳥たちは暇なのでヴォルフたちのコンテナハウスで毛布に包まってお昼寝中。

 他のウルの民は大樹様係を残して、各々に寛いでいた。今日はお休みの日らしい。しばらく見なかった間に、どうやらカップリングが成立したようで雄雌2匹ずつペアで行動しているのが確認された。子狼が見られる日も近いのかもしれない。

 プラちゃんたちはいつもと変わらない。日中は大樹の側で光合成タイムである。マッドチャリオットたちは、橙花が地下に作った畑の側で佇んでいた。自分たちの食料確保を主張しているのだろうか? 毎日のご飯はレタスや白菜などが与えられているのだが……。


 会議に戻る。

 道中の経過は若干端折りながら説明をして、重要な空飛ぶ島での出来事はしっかりと。各々の主観で説明をし、修正箇所や補足事項があれば発言するスタイルである。

「結果ですが、例の石を泉の水につけたところ、急速に成長し、私の身体を乗っ取ろうとしましたので、やむを得ず破壊することとなりました。最終的には力技になりましたが、無理やり身体から剥がしたら粉々になり、後に砂になって消えました」

 宗司はそう報告すると、司に目配せを送る。

「石というか、結晶みたいな印象だったけど、それと同時に液体のようでもあったかな。兎神からもらったアレでも中々砕けないような強度があって、宗司さんの身体の動きに追従して動けるくらいだからな」

「そうですね。生身の宗司兄には劣るにしても、本来の50%……いえ70%程度の動きは出来ていたと思います。あれは驚異的でした」

 構造的にだが、小さな物質が集まったなら兎も角として、宗司の身体を覆い尽くすような結晶で出来たゴーレムというのは、本来動けるはずがない。歩くという動作1つを取っても、人体の様に滑らかな動きをするには複雑な構造が必要になる。神経命令によって骨格、関節、筋肉などが連動し同時に作動することで、初めて歩く、ことができるのである。ろくな関節も備わっていない人型の結晶体が人間の様に動いただけで普通ではないのだ。

「あの赤い石の正体は血液ですので、液体のような性質を持っていたとしても不思議ではない……ということですか。そして、予想通り成長しましたか。嫌な予想ほど、よく当たるものですね」

 兎神は知り合いの学者から分析結果を受け取った時に、石がどういう挙動をするかを予想していた。予想はしていたが、出来ることならば外れてほしいとも思っていた。だからこそ、今回の依頼を出したのである。

「それで私が石に覆われた時のことですが、身体の機能は完全に停止。神経が途切れているような感覚でした。頭で動かそうとしても身体が動かない、そんな感覚ですね。たぶんですが、その間は私の身体は操られていたのでしょう。その後は、どこからか声が聞こえるようになり、最初は聞き取りにくかったのですが、徐々に鮮明になっていきましたね」

 謎の声は宗司に語り続けていた。内容はまさに呪詛のようなもの。一方的に、延々と恨み辛みを叩きつけるように。もはや洗脳の領域であった。

「声……ですか。何か特徴みたいなものはありましたか?」

「そうですね、会話をしているという感じではありません。まるで録音されている音声を延々と流されている感じでしょうか。中身は気分が悪くなるような内容ですけどね」

 宗司から内容を聞いた兎神は僅かに顔を顰めた後、両目を瞑って何かを考え始めた。何か思うところでもあったのだろうか? いつもであれば考えられないことだが、最近の兎神はふとした拍子に感情が表情に出てしまうらしい。

「ここまでくると……もはや予想というよりは確実な情報、でしょうね。それに、私の依頼で直に確認頂いた皆様にはお話しておかなければいけません」

 兎神は目を見開くと、意を決したように口を開いた。

「では、私の予想をお話ししましょう……」
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