リアルにファンタジーのほうがやってきた! ~謎の異世界からやってきたのは健気で可愛いモフモフでした~

ねこのにくきう

文字の大きさ
210 / 278
第6章 時の揺り籠

6-7 リリの夢のような日常(挿絵有り)

しおりを挟む
 今日もぬくぬくのお布団の中で、目が覚めた。

 場所は司さんのお部屋。司さんとクーシュの寝息が聞こえるので、2人はまだ眠っているのだろう。安らかな寝息と温かいお布団に包まれていると、もう一回眠りたくなる。

 お布団から頭だけを出して周りを見渡す。

 まだお部屋の中は暗いので、お日様が登っていない時間だと思う。お部屋に置いてある時計というものを見ると、朝の5時。いつもよりもちょっと早く起きちゃったようだ。

 司さんを起こさないようにお布団から抜け出る。

 ちょっとずつ肌寒くなってきた。そう言えば、昨日司さんがもうすぐ冬がくるって言ってた。ウルの森で暮らしていた時も、しばらく暑い日が続いた後は寒い日が続くようになる。冬っていうのは寒い日が続くようになるってことなんだと思う。

 でも、司さんのお家は凄いから大丈夫。森に居た時みたいに大きい木の下に穴を掘らなくても、冷たい風は入ってこないし、お風呂やお布団は温かいし、暖房っていう凄いものもある。お父さんとお母さんの新しいお家も暖房を置いてもらって、いつも温かだ。司さんは本当にすごい。

 静かにお部屋を出ると、丸いフワフワに出会った。

 ハムダマのお父さんだ。司さんのお部屋にご飯を取りに来たみたい。ハムダマのお母さんはお腹に赤ちゃんがいるみたいで、しばらく会ってない。子供たちはまだ寝ているのかな? 
あいさつをして、聞いてみる。みんな元気みたい。よかった。

 廊下を歩いて食堂に向かう。

 良い匂いに惹かれたともいう。どんどん匂いが強くなる。中を覗いてみると橙花さんがご飯を作っていた。こっそりと近づいたつもりだったけど、すぐに私に気づいて笑ってくれた。いつも朝ご飯は7時なので、まだご飯を食べることはできない。でも、良い匂い……。

 私の考えていることがわかったのか、橙花さんが焼いたお肉を少し分けてくれた。ぺろりと平らげる。今日も橙花さんのご飯はおいしい。後は、朝ご飯まで我慢だ。遅れちゃったけど、橙花さんにあいさつをして食堂を後にする。

 廊下で箱を持った蒼花さんと偶然会った。

 あいさつをしてお話を聞くと、蒼花さんはプラントエリアに箱を運ぶ途中らしい。いつもは司さんと行くけど、折角なのでプラントエリアまで連れて行ってもらうことにする。エレベーターっていうフワフワする床は私じゃ動かせないから。

 扉が開くと、土の匂いが広がる。お家の中のお庭、プラントエリア。ここは、大樹様とお父さんたちと友達が住んでいる場所。私たちが来たことに気づいて、大きな気配が近づいてくる。私のお母さんだ。お父さんはまだ寝ているのかな?

 お母さんの首元に頭を擦り付ける。お父さんとお母さんと、ウルのみんなも一緒に暮らせる日が来るなんて嬉しい。司さんのおかげだ。たくさん、たくさんのありがとうを言おう。

 蒼花さんと別れて、お母さんと一緒に大樹様の元へ。

 大樹様に今日の様子を伺うと、今日も元気いっぱいな気持ちが帰ってきた。よかった。前に枯れてしまった大樹様を見た時は、胸の奥が張り裂けそうな気持ちになったけど、今は近くで元気な気持ちを伝えてくれるのが嬉しい。

 大樹様の近くには、友達のプラちゃんたちがいる。

 あいさつをしようとしたら、あっという間に囲まれた。うん、今日もみんな元気だね。ミニプラちゃんたちもおはよう。え? お肉はどんな味かって? おいしいよ。え? 自分たちもお肉が食べてみたい? じゃ、橙花さんに伝えておくね。今度、一緒に食べようね。

 後はマッドチャリオットのチャーさんたちだけど、姿が見えないから奥の森にいるのかもしれない。でも、用が無ければチャーさんたちには自分から近づいちゃダメ。無事に赤ちゃんが生まれるまではね。

 いつの間にか、結構な時間が過ぎていた。

 そろそろ司さんとお散歩の時間かも? 急いで司さんのお部屋に戻ろうと思う。あ、丁度蒼花さんの用事も終わったみたい。蒼花さん、お願いします。

 お部屋に戻ると、司さんが起きていた。

 私の姿を見るなり、ちょっと変な顔。あ、そう言えば、起こさないようにこっそり抜け出したんだった。起きたら私がいなくなってたからびっくりした? 心配をかけて、ごめんなさい。怒ってない? 私が無事なら大丈夫? よかった。でも反省。司さんに迷惑をかけちゃダメだ。

 私が反省してシュンとしてると、司さんが頭を撫でてくれた。気持ちいい。何度も、何度も撫でてもらっているけど、いつも尻尾がパタパタと勝手に動いちゃう。幸せだ。

 クーシュは寝てる。まだ赤ちゃんだからしょうがないけど、1日の半分以上は司さんのお布団で寝ているのはどうなのかな? ご飯の時間には絶対に起きるけどね。

 横を見れば、時計は6時を少し過ぎたところ。司さんの準備もできたみたい。これから一緒にお散歩へ行くんだ。今日はどこへ行こうかな?

 こうして、私の新しい1日は始まる。さぁ、今日も元気に頑張ろう。

リリのファンアートを、ひろかさんから頂きました。ありがとうございます。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。 元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。 バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。 だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。 アイドル時代のファンかも知れない。 突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。 主人公の時田香澄は殺されてしまう。 気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。 自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。 ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。 魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

転生したら追放された雑用スキルで世界最強になっていた件~無自覚に救国してハーレム王になった元落ちこぼれの俺~

fuwamofu
ファンタジー
冒険者ギルドで「雑用」スキルしか持たなかった青年・カイ。仲間から無能扱いされ、あげく追放された彼は、偶然開花したスキルの真の力で世界の理を揺るがす存在となる。モンスターを従え、王女に慕われ、美少女賢者や女騎士まで惹かれていく。だが彼自身はそれにまるで気付かず、ただ「役に立ちたい」と願うだけ――やがて神々すら震える無自覚最強の伝説が幕を開ける。 追放者、覚醒、ざまぁ、そしてハーレム。読後スカッとする異世界成り上がり譚!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

処理中です...