王子の僕が女体化して英雄の嫁にならないと国が滅ぶ!?

蒼宮ここの

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第125話 今夜は侍女で

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「これえ‪……‬?」

今日も今日とて、ルシウスがベッドの上で僕がお風呂から上がるのを待っている。そして着て欲しい衣装はお誂え向きに脱衣所に置いてあるときたもんだ。タオルで髪と全身を拭いて、いざ、と広げたそれに僕は少しだけ驚く。
もはやエッチの際に特殊衣装を着てくれという要望自体は珍しくもなんともない。問題はその衣装の布面積が僕の普段着よりもよほど広くて重厚な作りだったことだ。なんならこのまま外にだって出れてしまう、いたって普通の服じゃないか。ルシウスはこれを着た僕とエッチしたいのか?

疑問に思うことは多々あれど、身体も冷えるしひとまずそれを身につけた。髪を乾かして、最後に頭にも装着物を付けると‪……‬鏡に映る自分は、まったく知らない異国の【侍女】になっていた。
黒を基調としたエプロンドレスに、襟元が詰まった清楚な作り。今まで着てこなかった類の服すぎて、なんだか胸がむずむずする。自分ではしっくりきていないが、ルシウスがどんな反応をするかは気になった。そもそもこれを僕に着て欲しいと持ってきたのはルシウスだし、似合うねって言ってくれるなら、まあ僕もやぶさかではないというか‪……‬。
肩まで伸びた金髪を綺麗に梳かすと、我ながら完全に女人だ。まあもう五年前からそうなんですけどね。

意を決して脱衣所を出る。ベッドに寝そべっていたルシウスが、振り向くなりパアッと笑顔を咲かせて両腕を伸ばしてきた。

「ベル、かわいいね!」
「ウッ‪……‬」
「早くおいで、ぎゅーしよ」

眩しい‪……‬そして、胸が苦しくなる。コイツが、女人なら誰でも軽率に褒めておだてて手篭めにする最低野郎だってわかってるのに、どうしてこんなにときめいてしまうんだろ‪……‬。

「この城のどの女よりイケてる」

ほら、また最低なこと言って。軽蔑しながらも、胸の中に収まって大人しく頬擦りを受け止めている僕だって優越感に浸っていて最低だ。本物の女の人よりも綺麗でかわいくて‪……‬ルシウスの目には僕がそう映ってるんだって思ったら、ものすごく嬉しい。どんな格好だって、してあげたくなっちゃう。

「でも‪……‬この服、また侍女の人に借りたのか?」
「うん。エロい服はなかなか調達しにくいけど、これなら楽勝だから」
「あっそ‪……‬」
「でも俺の手にかかれば、この服もすげーエロくできるよ」

さっそく押し倒される。啄むようなキスを二度、三度と落とされただけで僕は自然と脱力し、とろんとした瞳で見上げることしかできなくなった。

「ベルは貧しい家から出稼ぎに来てる使用人だよ。んで俺はこの城の旦那様」
「‪……‬なにそれ」
「今日の設定。俺には奥さんがいるけどお前のこと一番愛してるから、夜な夜なこうして呼びつけて身体を重ねていんの」

それって‪……‬現実とほとんど一緒じゃん‪……‬‪……‬。
口に出すのは癪なので、黙ってキスを受け止めた。実際に今の僕は王族だけど、前世は貧しい娼婦だ。だからなんとなくわかる。この侍女の立場的に、雇い主である主人に迫られたらこうしてされるがままでいるしかないのだろう‪。だってそれしか、弱い女の生きる術はない。

「もっと舌を出して」
「え‪……‬」
「言うことを聞くんだ」

そう言って欲望丸出しで舌舐めずりするルシウスは本当に横暴な旦那様のようで‪……‬僕のマゾな部分が、めきめきと、顔を出し始めてしまった。高鳴る胸を抑えて控えめに舌先を見せる。

「もっとだ」
「ん‪……‬」
「よろしい」

思い切って突き出すと、後頭部を引き寄せられてグチュグチュと絡め合うキスが始まってしまう。服の上から胸を揉みしだかれて、荒くなる息を我慢できない。ボタンを外されて、あっけなく僕の胸元がルシウスの眼前に露わになる。

「胸当てナシか‪……‬スケベだな」
「だ、だって」
「そういうことスるつもりで来たんだろう?」

ここは旦那様の部屋なんだ。確かに、侍女服に胸当てをせずに雇い主の部屋に来るのはおかしい。罵られている自分が本当に恥知らずのような気になって両手で顔を隠す。すると咎めるように手首をシーツに縫い付けられて。

「隠すんじゃない」
「う‪……‬」
「自分が穢される様をちゃんと見るんだ」

ルシウスの伸ばした舌先が乳首を掠る。「あ、」と期待に満ちた甘い声が漏れてすぐさま後悔した。ルシウスはさも嬉しそうにほくそ笑んで、ジュプジュプと口の中に僕の胸の突起を収めてしまう。

「ああ~~‪……‬」
「嬉しいだろう? 夜も旦那様の役に立てて」

そうか、この侍女にとってはこれも仕事で‪……‬旦那様の性欲発散のために、毎日夜の営みに付き合わされているんだ‪……‬若い身体を搾取されて、好きなように犯されて‪……‬そんなの、そんなの‪……‬。

「嬉しい、です‪……‬」

僕の好みのシチュエーションすぎる………………。


僕って王族のくせにこうやって虐げられるのが好きなんだ。娼婦の時に培ったものかもしれないけど‪……‬トルテがずっと護ってくれていた分、僕ってどうやら魂の記憶が濃いらしい。だから今世は清廉潔白な育ちだったにも関わらず、ジャオと関係を持ってからは、真っ逆さまだ。

ルシウスが熱っぽい眼差しで顔を寄せてくる。僕の殊勝な答えが気に入ったらしい、頬を真っ赤にして、目の奥は潤み切っている。

「ベル‪……‬」
「はい‪……‬」
「愛してるよ‪……‬」

そうして両手で顔を固定されて、また唇を奪われた。いつもより唾液がたくさん流し込まれて溺れてしまいそうだ。自分勝手な愛。それに酔いしれる旦那様。僕はどうなんだろう‪……‬僕は、旦那様にこうされて、どう思っているんだろう‪……‬。
ヌプ、ヌプと口内をくまなく舐められて、唾液を飲まされ、もう完全に脱力してしまっている。逆らう気力もないし、もともと‪……‬逆らう気も、ないし‪……‬。
頬も首筋も舐め取られて、まさに穢されているという言葉がしっくりとくる、粘着質な愛撫だった。旦那様は僕の乳首を舐りながら、そっとスカートに手を差し入れてくる。

「ンッ」

布越しに擦られて、チリッと快楽の炎が燃え上がった。しばらくそのまま胸と股間をじっくり嬲られて、僕って旦那様に本当に愛されてるのかも、なんて、過ぎたことを考えてしまって‪……‬。

「ベル、下着を取るよ」
「‪……‬はい‪……‬」
「大きく脚を開いて‪……‬」

するするとパンティが脱がされて(これもルシウスが用意した華美なピンクのシルク素材だ)だだくさに足首にたわまった。
こんなにも重厚なスカートを履いているのに‪……‬覗き込まれたら、大事な部分が丸見えになっちゃう‪なんて……‬。
不思議な感覚にぶるりと震えて、スカートの中に頭を突っ込む旦那様の視線に耐える。

「暗くてよく見えないな‪……‬」
「あん、」
「ふふ、これでよく見えるぞ」

ころんと背中側に転がされてスカートが派手に捲られる。淡い電灯の下に僕の恥部が晒されて、旦那様はそれを据わった目で凝視した。

「いい格好だな、ベル」
「ダメ‪……‬」
「ダメなもんか。お前は俺の物だ」

物扱い、されてる‪……‬。
昂ぶる。ふう、と吐息をかけられて大袈裟に震える。
何度犯されても慣れないうぶな侍女を、無意識に演じてしまう‪……‬だってルシウスが、あまりにも愉しそうにしているから‪……‬。

「舐めるよ」
「あ‪……‬!」
「動くんじゃない」

恥ずかしい。もう何度もされている行為なのに、羞恥が先に立ってつい起きあがろうとする。またシーツに抑えつけられ、強く拘束されてしまった。

「舐めるよ」

さっきと同じ台詞だ。何も言えないでいると「返事は」と凄まれて、相手はルシウスなのに心臓が縮み上がる。小さく「はい‪……‬」と呟くと、ゆっくり、旦那様の唇が僕の膣を覆った。
ああ、唇で食まれて‪……‬キス、されてるみたい‪……‬。
応えたくて少し腰を揺らすと、ヌプププププ‪……‬舌が奥まで挿入された。

「ああんっ‪……‬」

ルシウスの舌、熱くて、柔らかくて‪……‬気持ち、イイッ‪……‬。
無意識にもっと大きく股を開いてしまう。逆らえないまま、こんなことされて‪……‬仕事の一環だから断れなくて‪……‬だけど、ひとたび始まってしまえば、快楽に、流されてしまって‪……。
‬くたりと四肢の力を抜いて、膣を出たり入ったりする旦那様の舌に全神経を集中させた。僕の、女の子の部分‪……‬仕事の一環で、雇い主の男の人に、舐められちゃうなんて‪……‬。

「ハア‪……‬ハア‪……‬ああん‪……‬ダメ、ダメっ‪……‬」

ダメって言うと、抑えつける力が強くなってもっと気持ち良い。学習して何度も言った。いやいやと首を横に振って旦那様の嗜虐心を煽る。旦那様は僕の思い通りに興奮して、激しく顔を振りジュピジュピと唾を撒き散らしながら舐めまわしてくれる。
こんなの、正しい愛じゃないのに‪……‬僕は弱い女だから‪、男の人にこうされたら、もう‪……‬服従するしかないんだ‪……‬。

「‪……‬ふふ、ベル、美味しいよ」
「ああ‪……‬あああ‪……‬!」

唇は離れたのに、膣の左右にある内腿を両手で撫でまわされて高い声を上げてしまう。
すごく敏感になっちゃってるみたい‪……‬当然だよ、いっぱい、いっぱい、アソコ舐められちゃったんだもん‪……‬。

「恥ずかしいです‪……‬旦那様‪……‬」
「ふへへ‪……‬」

僕に旦那様と呼ばれてルシウスは嬉しそうだ。鼻の下を伸ばしながら顔を覗き込んでくる。

「いい加減慣れて‪……‬? 毎日俺のモノ、咥え込んでいるだろう?」
「だって、ああ‪……‬アッ、そんな‪……‬!」

見つめ合いながら、指を挿入。グチグチと音を立てて最初から大胆にかき混ぜてくる。
毎日ルシウスのを咥え込んでる‪……‬その通りだけど‪……‬そんなの言われたら余計に恥ずかしくなる。清楚な女のフリをして男の気を引く娼婦‪……‬それが自分なんだって分からせられているようで‪……‬だって、だって僕には、それしかないんだもん‪……‬。

「ああん、旦那様、旦那様~~~~」
「‪……‬‪……‬イけ」
「ふにゃああっ」

耳元で命令されて、自分でも驚くくらい自然に達してしまった。一度指が抜かれるけど、間髪入れずにまた奥まで差し込まれて、ふたたび激しくかき混ぜられる。

「もお、もお、お許しくだざい~~」
「何度でもイかせてやる‪……‬自分から俺のモノをねだるくらい、淫乱にしてやるからな‪……‬!」

そんな。言わなきゃ挿れてくれないの‪……‬。
色事に積極的になるにはまだうぶすぎる侍女の僕にとって、それは耐え難い羞恥を伴う。そんなはしたないこと、たとえ旦那様に求められてもするべきではないのに‪……‬イって、イって、イくたびに脳みそ溶けて‪……‬何も考えられなくなる‪……‬。

「はあ‪……‬ベル‪……‬」

頬擦りしながら指で穿たれている。おまんこ気持ちいい。気持ち良すぎてつらい。早く最高の気持ち良さを迎えて果てたい。

「可愛いぞ、ベル‪……‬」

旦那様に耳元で甘く囁かれた瞬間、頭の中でプツンと糸の切れる感覚がした。

「らめ、もう、挿れてくらひゃいぃ~‪……‬」

縋り付いて全身で擦り寄る。旦那様が狼狽えて動きを止めた隙に、ベルトを引き抜いて強引に露出させた。ブルン! と勢い良く飛び出してきたそれに、僕は躊躇なく舌を巻き付けて、たっぷりと涎を絡める。

「これ、欲しいのぉ、ベルのおまんこにっ」
「おお‪……‬すご、エロい‪……‬!」
「これで犯して‪……‬お願いぃ~」

上目遣いで見つめながら、レロレロと舌で亀頭を嬲る様を見せつける。旦那様は僕をドサッと押し倒して、鼻息荒くすぐに勃起したものをそこにあてがってくれた。
ああ、擦られてるぅ‪……‬焦れちゃうぅ~~‪……‬。

「いくよ、ベル‪……‬!」
「ああん、きて~~」

そこで思い出したようにゴムを装着してすぐに戻ってくる、旦那様になりきれないルシウスが可愛くて、僕は挿入されながら、力いっぱい彼の身体を抱き締めた。

「おおっ‪……‬せま‪……‬」
「だんなさま、くるしいよおっ‪……‬」
「ふ、大丈夫‪……‬優しくするから‪……‬大丈夫だよ‪……‬」

両手で顔を挟まれ、深いキスが始まった。まだ馴染んでいない腰は動かさずに、ひたすら唇だけをいやらしくねぶってくる。
旦那様、本当にやさしい‪……‬僕がこの人と結ばれることはきっともうないのだけど、でも‪……‬僕は、真に僕のことを想ってくれる、この人のことが‪……‬。

「旦那様、ベルは‪……‬」

キスの合間に頰を包み返した。じっと目を見つめて、清楚な侍女らしく、控えめな微笑みで告げる――――。

「旦那様を、お慕いしております‪……‬」
「ハアッ‪……‬‪……‬」

顔を埋められた首筋に熱い吐息があたって、気持ちが伝わったんだなって確信した。だからこの距離感が好きなんだ。大声で言えない気持ちを、体温や息遣いだけで共有できるから。
旦那様がゆっくりと腰を揺らし始める。僕は軽く脚を絡めてさらに悦びを伝えた。ギュウって渾身の力で抱き締められて、時間が止まったみたいなのに‪……‬膣内への出し入れだけはしっかりと質量を持って確かに二人の肉体の間で行われていて‪……‬熱い‪……‬しあわせ‪……‬道ならぬ恋でも‪……やっぱり、好きだよお‪……‬。

「あ‪……‬っ、ああん‪……‬‪きもちいよお‪……‬」
「ウッ、あっ‪……‬ベル、ベル‪……‬!!」
「ああ‪……‬だんなさま、すてき‪……‬」

ますます骨が砕けそうな勢いで抱き締めてくる旦那様。明らかに興奮が頂点に達していた。グッ、グッと奥まで押し込めてまるで僕を離す気配がない。密着しながら犯してもらえて僕も天にも昇る気持ちになる。
侍女のくせに、また旦那様が妙に可愛く思えてしまって、褒めるように背中をさわさわと撫でる。

「ベル、愛してる、愛してるっ‪……‬」

そうやって必死に伝えて腰を擦り付けてくる男は、もう旦那様じゃなくてルシウスだ。それでもいつもよりねっとりとした動きを意識しているみたいで、適度に全身の体重をかけ、ピストンを利用して擦り付いてきている感じだ。
執着されるの、気持ちいい‪……‬‪……‬もっと僕に、夢中になってほしい‪……‬。

「お前を、離したくない‪……‬! ずっと、こうしていたい‪……‬っ」
「私もです‪……‬ルシウス様‪……‬」

彼にはすでに心に決めた人がいるのに。今は、一心不乱に僕を抱いて、愛してくれているんだ。たまらない。
醜いと人に罵られてもいい。
もっとこの男を狂わせて、一緒に奈落に、堕ちていきたい‪……‬。

「あ、出る、出るよ」
「ああん、イくぅう」

耳元にあたった震える声に感じて、僕も一気に追い詰められた。
どれだけ地位の高い、どれだけ年老いた男でも、僕は欲情させる自信がある。
侍女は清楚の皮を被った魔性の女だった。
結局僕は、僕以外の人間になんて、なれないのだ。

「は、ベル、好きだ、好きだっ」
「ああん、いっぱい出して‪……‬」
「ベル‪……‬ッ」

一等深く押し込まれて、ビクビクと激しく律動するルシウス。今日も僕の中でイってくれた。
ひと足先に達していた僕は緩くルシウスの後頭部を撫ぜて、昏い多幸感の中に浸っていた‪……‬。
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