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序章
人生最悪の日、その時俺は……
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「神様、そんなに俺がお嫌いですか?」
思わずそう口走った。人生最悪の日だ。俺はその時、完全に泥酔していた。初めて飲んだ酒に完全に呑まれていたのだと思う。そう呟いて見上げる空は、鉛色だった。まるで俺の人生のようだ。その日俺は二十歳の誕生日を迎えた。同時に、彼女に二股かけられていた事が発覚。更に、文芸サークルの物書き仲間が準大賞を受賞して書籍化が決定と連絡が来た。その時の俺はかなり落ち込んでいたが、個人的なショックは彼とは無関係だし、それはめでたい事だとその作品を確認してみると……以前、俺が奴に「今度こんな作品を書こうとしているんだけどさ」と話して聞かせたプロットを、そのまんまパクって小説にしていたものだった……。
そこから先は記憶に残っていない。気付けばとうに陽は西に落ち、俺は缶チューハイを片手に渋谷の繁華街を彷徨い歩いていた。
初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまったのだと推測される。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……黄昏時のビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっき繁華街を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 夢の中なのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子が立っていたんだ。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。『幸福の王子』だっけ? 全身宝石で出来ている王子のお話……。
彼はRadius~ラテン語で「光源」の意味を持つ、Eternal王家の次男らしい。もしかして夢を見ているのかも知れない。だって、俺、そういう趣味は無い筈なのに、胸がトクンと弾んで……。
「おい!? 君?」
両手を広げ、俺に駆け寄った彼。その気遣わし気な声を耳に聞き目の前が暗転した。
思わずそう口走った。人生最悪の日だ。俺はその時、完全に泥酔していた。初めて飲んだ酒に完全に呑まれていたのだと思う。そう呟いて見上げる空は、鉛色だった。まるで俺の人生のようだ。その日俺は二十歳の誕生日を迎えた。同時に、彼女に二股かけられていた事が発覚。更に、文芸サークルの物書き仲間が準大賞を受賞して書籍化が決定と連絡が来た。その時の俺はかなり落ち込んでいたが、個人的なショックは彼とは無関係だし、それはめでたい事だとその作品を確認してみると……以前、俺が奴に「今度こんな作品を書こうとしているんだけどさ」と話して聞かせたプロットを、そのまんまパクって小説にしていたものだった……。
そこから先は記憶に残っていない。気付けばとうに陽は西に落ち、俺は缶チューハイを片手に渋谷の繁華街を彷徨い歩いていた。
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「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子が立っていたんだ。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。『幸福の王子』だっけ? 全身宝石で出来ている王子のお話……。
彼はRadius~ラテン語で「光源」の意味を持つ、Eternal王家の次男らしい。もしかして夢を見ているのかも知れない。だって、俺、そういう趣味は無い筈なのに、胸がトクンと弾んで……。
「おい!? 君?」
両手を広げ、俺に駆け寄った彼。その気遣わし気な声を耳に聞き目の前が暗転した。
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