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◆第四章 存在の善悪◆
第八話 秘術の真髄
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捜索を始めた学園内は一昨日よりも【あやかし】の数が増加していた。しかし、現時点では人を驚かす程度の存在が殆どで脅威には至っていないのは幸いだった。
「……。スミジさん」
「何だい、アオバちゃん?」
「領域になっているんじゃ他の人にも【あやかし】達が見えてるんだよね? 学園を閉鎖したのは聞いたけど、どうしても来なくちゃいけない人は混乱してるんじゃ……」
「いや、まだ領域も完全じゃないから、見える人より見えない人の方が多いと思う。説明していなかったけど、学園内で封鎖できない様な施設には護符を貼ってあるんだ。どうしても学園に来なくちゃいけない人は入り口で護符を渡すようになってるよ」
「あ……。そういえば入り口のオジさんが何か言ってたような……」
重要施設には四方と入り口に札を貼り付けてある。小さな施設であれば二、三日程は怪異を抑えられる筈なので、スミジはその間に原因を祓ってしまうつもりだった。
来校する必要がある者には入り口の守衛が赤い龍の厚紙札を渡す手筈になっている。勿論、守衛にも護符を渡してある。
龍の護符は赤龍召喚の筆『幽幻筆』で描いたもの……。本物の龍の加護を得た護符は持ち主に怪異を認識させず、また近付かせない効力もある。
「スミジさんも龍を使えるんですね……」
クレハの言葉にスミジは苦笑いで答える。
「ウチのは邪流だけどね。君達の家柄こそが……あ、干渉になっちゃうかな?」
「大丈夫よ。スミジさんなら知ってるでしょ? ウチの神社の祓い巫女は他の祓い師が真似できるものじゃないから」
祓い師は他の祓い師と共に行動することを嫌う。それは祓い師としての術を暴かれるのを嫌う為……。
祓い師の術や技法は謂わば秘術。独自に最適な技に昇華し祓い師としての格を高めるのは、役割が実は命懸けである故──それはスミジが滋賀で行ったバラゴとの戦いからも窺い知れた筈だ。
そこで殆どの祓い師達は、他者から技法や秘術を盗まれることを避ける対策を打っている。流派の核となる技法は徹底して隠すことは勿論、特殊な道具を使用したりと様々だ。
そして、祓い師達が辿り着く最良の答えは『他者には真似できないもの』であること──。
スミジを例にすれば、護符自体は割と多くの祓い師が使用し、同様に言霊もそれを主力にする祓い師が居る。
道祖土が他と大きく違うのは墨──特殊な調合をされた朱の墨は更に術者の【血】を混ぜることでその力を発現する。当然ながら道祖土の血は道祖土の一族しか使用できず、墨の調合自体も術式の一つであるので他者には真似できない。
故にスミジは、他者から術を隠す必要はない。見られた程度で祓い師の力が落ちないのは長い歴史がある一族だからこその対応でもあった。
因みに、龍の力を宿す『幽幻筆』も道祖土の血を者しか扱えない秘宝である。
同様に、道祖土とはまた別の手法で他者には真似できぬ力が存在する。それが九頭竜神社のような【宗教】を起源とする祓い師──。
「……。スミジさん」
「何だい、アオバちゃん?」
「領域になっているんじゃ他の人にも【あやかし】達が見えてるんだよね? 学園を閉鎖したのは聞いたけど、どうしても来なくちゃいけない人は混乱してるんじゃ……」
「いや、まだ領域も完全じゃないから、見える人より見えない人の方が多いと思う。説明していなかったけど、学園内で封鎖できない様な施設には護符を貼ってあるんだ。どうしても学園に来なくちゃいけない人は入り口で護符を渡すようになってるよ」
「あ……。そういえば入り口のオジさんが何か言ってたような……」
重要施設には四方と入り口に札を貼り付けてある。小さな施設であれば二、三日程は怪異を抑えられる筈なので、スミジはその間に原因を祓ってしまうつもりだった。
来校する必要がある者には入り口の守衛が赤い龍の厚紙札を渡す手筈になっている。勿論、守衛にも護符を渡してある。
龍の護符は赤龍召喚の筆『幽幻筆』で描いたもの……。本物の龍の加護を得た護符は持ち主に怪異を認識させず、また近付かせない効力もある。
「スミジさんも龍を使えるんですね……」
クレハの言葉にスミジは苦笑いで答える。
「ウチのは邪流だけどね。君達の家柄こそが……あ、干渉になっちゃうかな?」
「大丈夫よ。スミジさんなら知ってるでしょ? ウチの神社の祓い巫女は他の祓い師が真似できるものじゃないから」
祓い師は他の祓い師と共に行動することを嫌う。それは祓い師としての術を暴かれるのを嫌う為……。
祓い師の術や技法は謂わば秘術。独自に最適な技に昇華し祓い師としての格を高めるのは、役割が実は命懸けである故──それはスミジが滋賀で行ったバラゴとの戦いからも窺い知れた筈だ。
そこで殆どの祓い師達は、他者から技法や秘術を盗まれることを避ける対策を打っている。流派の核となる技法は徹底して隠すことは勿論、特殊な道具を使用したりと様々だ。
そして、祓い師達が辿り着く最良の答えは『他者には真似できないもの』であること──。
スミジを例にすれば、護符自体は割と多くの祓い師が使用し、同様に言霊もそれを主力にする祓い師が居る。
道祖土が他と大きく違うのは墨──特殊な調合をされた朱の墨は更に術者の【血】を混ぜることでその力を発現する。当然ながら道祖土の血は道祖土の一族しか使用できず、墨の調合自体も術式の一つであるので他者には真似できない。
故にスミジは、他者から術を隠す必要はない。見られた程度で祓い師の力が落ちないのは長い歴史がある一族だからこその対応でもあった。
因みに、龍の力を宿す『幽幻筆』も道祖土の血を者しか扱えない秘宝である。
同様に、道祖土とはまた別の手法で他者には真似できぬ力が存在する。それが九頭竜神社のような【宗教】を起源とする祓い師──。
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