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◆第四章 存在の善悪◆
第十八話 縁という必然
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「当然、私達もそれで良いわよ。スミジさんのお陰で色々わかったから……。ね、クレハ?」
「うん。勉強にもなった」
九頭竜姉妹も同様に納得の様子。祓い師見習いとしては、額は少なくとも報酬を受け取れるだけで充分社会勉強になったのだろう。
寧ろ彼女達の報酬は、父と母の間に愛があったと理解したことだ。
「俺も義理で来た。だから構わない」
「榑木さん。あなたは報酬に拘っていませんでしたか?」
「別に拘っていた訳じゃない。道祖土の流儀を俺は知らないんでね。忠告したつもりだったが……どうやら余計なお世話だった様だ」
三条の言葉で榑木はチラリとスミジを見た。対するスミジが苦笑いするのを見て自らも苦笑いしている。
スミジは榑木の力を話では聞いているが他言はしない。それもまた祓い師のマナーである。
「残るは三条さんですが……」
「私達も報酬に関しては拘りはありません。今回の参加は賢雲さんとリカルドさんの理由を複合したような動機ですから」
三条家は財閥。金銭自体は報酬としてあまり術の縛りにはならない。そして、三条は別の目的が報酬だと言える。
「私は早乙女さんの頼みで来ましたが、皆さんとの繋がりが欲しかったのです。ある目的の為に頼る必要があるかもしれないので」
「そうですか……。詳細をお聞きしても?」
「今はまだ……。出来れば自分で解決したいのです。しかし、場合によっては……」
「わかりました。その際はお力になりますので遠慮なく言ってください」
「………御厚意、感謝致します」
あまりにあっさり納得し、あまつさえ助力を口にしたスミジに三条はやや呆れた様に微笑む。
(成る程……早乙女さんの言う通りの方ね)
スミジは打算が無い。無論、慈善では行動はしないが祓い師としてのスミジを必要とするなら相手を選ばない。いや……寧ろスミジこそが他の祓い師との繋がりを欲している。そこには過去の出来事が絡むのだが……今は敢えて触れないでおこう。
今回の人選は、そんなスミジの考えを理解しているシズカの配慮である。
「皆さんの依頼は完了となります。あとは私と御門で祓いますので……それと報酬はシズカから連絡が入りますからご安心を」
「待って、スミジさん。私達は最後まで付き合うわ」
「うん。初めての祓い仕事だから最後までやりたい。ダメですか、スミジさん?」
九頭竜姉妹の申し出にスミジは困惑気味である。危険はまだ残されている以上本来は賛同できない……のだが……。
「そういうことなら仕方あるまい。では、儂も最後まで付き合うとしようか」
「そうデスネ~。ワタシと賢雲サンが居ればこのコ達を危険な目には遭わせまセンヨ~」
賢雲・リカルドも内心では最後まで仕事を見届けたいらしいことはその表情から明らかだ。
「……。では、私もお付き合い致します」
「お嬢様、宜しいのですか?」
「これも機会。勿論、御門さんが良ろしければ……ですが」
これから中心となって呪物を祓うのは御門……三条は御門の術が皆に見られることを告げているのだ。
「俺の術は“血”が由来だから心配無用だぜ? ただ、地味だから面白いモンでもないけど」
「そうですか……。どうやら早乙女さんの人選はそれを見越したものでもあるようですね。では、他に祓い師が居ても問題ありませんね?」
「やれやれ。もの好きばっかだな……どうする、スミっち? 俺、緊張してきたんだけど……」
「お前、そんなタマじゃないだろ……」
「まぁね~」
そんなやりとりに三条はクスクスと笑う。残るは榑木だが……。
「榑木さんはどうします?」
「……。三条茉莉奈、お前は分かっているのか? それとも天然か?」
「何の話でしょう?」
「多田比呂人は普段表の人格なんだろう? つまりは一般人だ」
「? ……それが何か?」
榑木は呆れた様に小さく溜め息を吐く。
「この面子の中で一般人に声を掛けるとしたら、誰が一番警戒されない?」
「…………」
作務衣、白スーツ、巫女中学生、僧侶、牧師、ゴシックロリータ……仮装大会の様な顔触れ。加えて黒スーツの嘉藤は大柄で無表情なので威圧感が半端ではない。
その点、榑木は若く服装も問題ない。幾分口数は少ないが口下手という訳でもないのだろう。
「そういう訳だ。多田比呂人は俺が声を掛け事情を話す。その上で裏の人格が現れても俺なら対処もできる」
「……わかりました。結局は全員最後まで見届けたいのですね」
「そういうことにしておこう」
祓い師達は顔を見合わせ笑った。
祓い師同士がこうして共にあることに抵抗がないのは非常に稀……この繋がりは後々大きな意味を持つことになる。
「うん。勉強にもなった」
九頭竜姉妹も同様に納得の様子。祓い師見習いとしては、額は少なくとも報酬を受け取れるだけで充分社会勉強になったのだろう。
寧ろ彼女達の報酬は、父と母の間に愛があったと理解したことだ。
「俺も義理で来た。だから構わない」
「榑木さん。あなたは報酬に拘っていませんでしたか?」
「別に拘っていた訳じゃない。道祖土の流儀を俺は知らないんでね。忠告したつもりだったが……どうやら余計なお世話だった様だ」
三条の言葉で榑木はチラリとスミジを見た。対するスミジが苦笑いするのを見て自らも苦笑いしている。
スミジは榑木の力を話では聞いているが他言はしない。それもまた祓い師のマナーである。
「残るは三条さんですが……」
「私達も報酬に関しては拘りはありません。今回の参加は賢雲さんとリカルドさんの理由を複合したような動機ですから」
三条家は財閥。金銭自体は報酬としてあまり術の縛りにはならない。そして、三条は別の目的が報酬だと言える。
「私は早乙女さんの頼みで来ましたが、皆さんとの繋がりが欲しかったのです。ある目的の為に頼る必要があるかもしれないので」
「そうですか……。詳細をお聞きしても?」
「今はまだ……。出来れば自分で解決したいのです。しかし、場合によっては……」
「わかりました。その際はお力になりますので遠慮なく言ってください」
「………御厚意、感謝致します」
あまりにあっさり納得し、あまつさえ助力を口にしたスミジに三条はやや呆れた様に微笑む。
(成る程……早乙女さんの言う通りの方ね)
スミジは打算が無い。無論、慈善では行動はしないが祓い師としてのスミジを必要とするなら相手を選ばない。いや……寧ろスミジこそが他の祓い師との繋がりを欲している。そこには過去の出来事が絡むのだが……今は敢えて触れないでおこう。
今回の人選は、そんなスミジの考えを理解しているシズカの配慮である。
「皆さんの依頼は完了となります。あとは私と御門で祓いますので……それと報酬はシズカから連絡が入りますからご安心を」
「待って、スミジさん。私達は最後まで付き合うわ」
「うん。初めての祓い仕事だから最後までやりたい。ダメですか、スミジさん?」
九頭竜姉妹の申し出にスミジは困惑気味である。危険はまだ残されている以上本来は賛同できない……のだが……。
「そういうことなら仕方あるまい。では、儂も最後まで付き合うとしようか」
「そうデスネ~。ワタシと賢雲サンが居ればこのコ達を危険な目には遭わせまセンヨ~」
賢雲・リカルドも内心では最後まで仕事を見届けたいらしいことはその表情から明らかだ。
「……。では、私もお付き合い致します」
「お嬢様、宜しいのですか?」
「これも機会。勿論、御門さんが良ろしければ……ですが」
これから中心となって呪物を祓うのは御門……三条は御門の術が皆に見られることを告げているのだ。
「俺の術は“血”が由来だから心配無用だぜ? ただ、地味だから面白いモンでもないけど」
「そうですか……。どうやら早乙女さんの人選はそれを見越したものでもあるようですね。では、他に祓い師が居ても問題ありませんね?」
「やれやれ。もの好きばっかだな……どうする、スミっち? 俺、緊張してきたんだけど……」
「お前、そんなタマじゃないだろ……」
「まぁね~」
そんなやりとりに三条はクスクスと笑う。残るは榑木だが……。
「榑木さんはどうします?」
「……。三条茉莉奈、お前は分かっているのか? それとも天然か?」
「何の話でしょう?」
「多田比呂人は普段表の人格なんだろう? つまりは一般人だ」
「? ……それが何か?」
榑木は呆れた様に小さく溜め息を吐く。
「この面子の中で一般人に声を掛けるとしたら、誰が一番警戒されない?」
「…………」
作務衣、白スーツ、巫女中学生、僧侶、牧師、ゴシックロリータ……仮装大会の様な顔触れ。加えて黒スーツの嘉藤は大柄で無表情なので威圧感が半端ではない。
その点、榑木は若く服装も問題ない。幾分口数は少ないが口下手という訳でもないのだろう。
「そういう訳だ。多田比呂人は俺が声を掛け事情を話す。その上で裏の人格が現れても俺なら対処もできる」
「……わかりました。結局は全員最後まで見届けたいのですね」
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祓い師達は顔を見合わせ笑った。
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