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自由研究
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ムシムシ、ジリジリ。
ミーンミーン。
プゥ~ン。
蚊の羽音を聞いて、何時間か前に友達から聞いた話を思い出す。
蚊に刺された時、力を入れると筋肉が締まって、蚊は針を抜く事が出来ずにパーンってなるんだって。
そう言った友達は運の悪い事に俺の前にまだいて、聞こえてくる羽音に目を輝かせている。
「ホンマかどうか、試してみようや」
試す?それって自分から蚊に刺されるって事だよね?
「アホらしい。痒くなるのに、やらないよ」
それより、どうして今日こうやって集まっているのか、その理由を考えてよ。
夏休みの宿題を7月中に終わらせようって言うから、こうして集まって宿題をしてるんでしょ?
蚊に構ってる時間なんて1秒だって無いんだからね!「男が1度「やる」と宣言した事は、のっぴきならない事情がない限りは遣り通さなきゃならないんだ」ってお父さんが言ってた!
「自由研究、コレでいこうや」
やだよ!
パーンってなった蚊の写真を撮るの?それともスケッチ?どっちにしたって悪趣味だよ!それに、自由研究には貯金箱を作るつもりだから間に合ってる。
「とりあえず、蚊取り線香つけるから」
電気蚊取りのプラグをコンセントに差し込もうとするのを、全身を使って阻止してくる友達。その攻防の間にもプ~ンと言う羽音のBGMが聞こえてきて、暑い筈なのに鳥肌が立った。
もぅ、本当にヤダ!
「刺されやすくするにはどーしたらえぇんやろ?」
友達は目で蚊を追っているのか、真剣な眼差しで俺の後方を見ている。そこまで真剣なんだ?だったら、良いよ。邪魔はしないから、1人でやってね。
じゃあ疑問には答えて協力しないとね。
確か刺されない方法を前にテレビで見たから、その逆の事をすれば良い筈。
「汗を出し、黒い服着て、腕を出す?」
後は、レモンの匂いが虫除けになるとか言ってたけど、レモンの逆のものってなんだろう?お酒の臭いだったかな?
「汗はもう出とる!黒い服やな?なんか持ってへん?」
俺の服を使うつもり!?それに今着てる服だって充分暗い色じゃないか。
「そのままで良いんじゃないの?メンドイし」
そっか、と納得した友達は、部屋のどこかを飛んでいる蚊に向かってアピールをするように腕を振り回し、そしてドンと机の上に腕を置いた。
プゥ~ン。
大きくなったり、小さくなったりして聞こえる羽音。こんな下らない実験が終わったら即効蚊取り線香をつけよう。
そもそもここは俺の部屋なんだから!
「これは俺達と蚊の戦いや!」
なに勝手に頭数に入れてんだよ!いつ俺がやるって言った!?
「言っとくけど、蚊が止まったら叩くから!」
痒くなるのは本当に嫌だし、そもそもあの羽音が気持ち悪いから蚊と同じ空間にいる事だって嫌なんだ。
「止まったら協力しよーな。な?痒み止め持って来てるから」
最初からやる気満々だったの!?でも、だからって協力したくない。
プゥ~~……。
止まった。
幸いな事に、友達の腕に蚊は止まってくれた。
グッと思いっきり力を込めているのだろう、歯を食いしばって息すら止めて。
蚊はまだ腕にいる。本当に針が抜けなくな……
プゥ~ン。
あっ!
「止まった蚊は、至って普通に飛んでった」
「うっせ!」
さて、蚊取り蚊取りっと。
ミーンミーン。
プゥ~ン。
蚊の羽音を聞いて、何時間か前に友達から聞いた話を思い出す。
蚊に刺された時、力を入れると筋肉が締まって、蚊は針を抜く事が出来ずにパーンってなるんだって。
そう言った友達は運の悪い事に俺の前にまだいて、聞こえてくる羽音に目を輝かせている。
「ホンマかどうか、試してみようや」
試す?それって自分から蚊に刺されるって事だよね?
「アホらしい。痒くなるのに、やらないよ」
それより、どうして今日こうやって集まっているのか、その理由を考えてよ。
夏休みの宿題を7月中に終わらせようって言うから、こうして集まって宿題をしてるんでしょ?
蚊に構ってる時間なんて1秒だって無いんだからね!「男が1度「やる」と宣言した事は、のっぴきならない事情がない限りは遣り通さなきゃならないんだ」ってお父さんが言ってた!
「自由研究、コレでいこうや」
やだよ!
パーンってなった蚊の写真を撮るの?それともスケッチ?どっちにしたって悪趣味だよ!それに、自由研究には貯金箱を作るつもりだから間に合ってる。
「とりあえず、蚊取り線香つけるから」
電気蚊取りのプラグをコンセントに差し込もうとするのを、全身を使って阻止してくる友達。その攻防の間にもプ~ンと言う羽音のBGMが聞こえてきて、暑い筈なのに鳥肌が立った。
もぅ、本当にヤダ!
「刺されやすくするにはどーしたらえぇんやろ?」
友達は目で蚊を追っているのか、真剣な眼差しで俺の後方を見ている。そこまで真剣なんだ?だったら、良いよ。邪魔はしないから、1人でやってね。
じゃあ疑問には答えて協力しないとね。
確か刺されない方法を前にテレビで見たから、その逆の事をすれば良い筈。
「汗を出し、黒い服着て、腕を出す?」
後は、レモンの匂いが虫除けになるとか言ってたけど、レモンの逆のものってなんだろう?お酒の臭いだったかな?
「汗はもう出とる!黒い服やな?なんか持ってへん?」
俺の服を使うつもり!?それに今着てる服だって充分暗い色じゃないか。
「そのままで良いんじゃないの?メンドイし」
そっか、と納得した友達は、部屋のどこかを飛んでいる蚊に向かってアピールをするように腕を振り回し、そしてドンと机の上に腕を置いた。
プゥ~ン。
大きくなったり、小さくなったりして聞こえる羽音。こんな下らない実験が終わったら即効蚊取り線香をつけよう。
そもそもここは俺の部屋なんだから!
「これは俺達と蚊の戦いや!」
なに勝手に頭数に入れてんだよ!いつ俺がやるって言った!?
「言っとくけど、蚊が止まったら叩くから!」
痒くなるのは本当に嫌だし、そもそもあの羽音が気持ち悪いから蚊と同じ空間にいる事だって嫌なんだ。
「止まったら協力しよーな。な?痒み止め持って来てるから」
最初からやる気満々だったの!?でも、だからって協力したくない。
プゥ~~……。
止まった。
幸いな事に、友達の腕に蚊は止まってくれた。
グッと思いっきり力を込めているのだろう、歯を食いしばって息すら止めて。
蚊はまだ腕にいる。本当に針が抜けなくな……
プゥ~ン。
あっ!
「止まった蚊は、至って普通に飛んでった」
「うっせ!」
さて、蚊取り蚊取りっと。
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