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一応今も見られている可能性があるから、俺は恐らくはなにも関係がないだろうと思われる草むらとかを見ていたんだけど、馬車から数十メートルの距離にある岩の後ろに魔法陣を見つけてしまった。
魔法陣の形状から自分にってよりは範囲魔法で……土のマークと風のマークが描かれている。
これは一般的な魔法陣を組み合わせたものだから、ジョー達を襲った魔法使い……まぁ、兄さんとは別件だ。
土の魔法陣単体なら物を少し軽くする程度の重力魔法で、風の魔法陣も風圧によって物を少し軽くする効果がある。この組み合わせ自体も珍しい物ではない。
2つの魔法陣を同時に描いて発動させると、地面から少しだけ物体を浮かせて、宙を滑るように移動させられるってだけの代物だ。
主に荷物の運搬時に使用される生活魔法で、船乗りや商人なら誰でも知ってる魔法の組み合わせだ。
もしも、この魔法を馬車にかけたとしたら、馬がなくても人が手で押すだけで馬車は移動させられる。
俺がジョー達を発見した時、馬や御者が見当たらなかったから、ここでこの魔法にかけられて移動したんだろうな。
なら馬車は島の国の物だけど、御者は大陸の者である可能性は高い。
そして運んだこの場所で兄さんが第15王女を誘拐したとなれば、御者は兄さんの仲間?
本当に盗賊に騙されてここに拉致されてきたんだとしたら、兄さんはきっと第15王女だけじゃなくジョー達も助けただろう。
いや……馬車に強力な防御魔法がかかってたし、それで助けたってことになるのか?
あの時、俺がこの道を通りかかってなきゃ大変だったんだろうし……。
「アール!?どこっ……アール!」
魔法陣の他にもなにかないかと探していると、遠くの方でジョーの声が聞こえてきて、そして飛んでくるレッドドラゴン。
「(ここでなにやってるの?ご主人のとこ戻って!今すぐ!)」
どうやらジョーがなにかを見つけたらしい。
なんだかんだと捜索範囲を広げ過ぎていたため、顔を上げて馬車のある方角を見ても目視出来ない。
勾配もあるしな……じゃない、戻らないと。
「お待たせ。それで、なにを見つけたんだ?」
まだ馬車の中にいたジョーは、戸を開けようとしているようだけど、どうやらまた開かなくなっているようで取っ手がガチャガチャと鳴るばかりだ。
ガチャリ
出られないのになにかを見つけたんなら、馬車の中にヒントがあったんだな?
馬車の戸を開けて中に入り、上下ひっくり返った馬車内を見渡してみるが、特になにもないような?
あぁ、暗いから良く見えないだけか。
空を見上げればスッカリと夜で、雲行きも怪しいから余計に暗く感じる。
一雨来そうだな……。
雨が降ったら魔物もあまり出て来なくなるし、騎士達に森を任せるには丁度良いや。
「見つけたって……俺が?」
ん?
「なにか見つけたから呼んだんじゃないの?」
「あ……いや、置いて行かれたかと……出ようと思っても開かないし。なんで俺は開けられないのにアールは簡単に開けるんだ?コツがあったりするのか?」
普通に開けただけなんだけどなぁ……多少の魔力抵抗はあるけど、それが島の国の人間にとっては壮大なる防御と感じるのだろうか?
とか言っても俺が持ってる魔力もカッスカスなんだ。
もしかしたら、内側からは開かないようになってるとか?
と、一旦戸を閉めてから数秒待ち、取っ手を押せば
ガチャリ
普通に開く。
なので外に出てみて戸を閉め、ジョーに開けるように言ってみたんだけど、ガチャガチャ鳴るばかりで開かない。
ならこれでどうかと俺が外から取っ手を握り、ジョーが中から戸を押せば
ガチャリ
開いた。
取っ手部分に防御魔法とは別に、鍵となる魔法がかかっているのか。
この場合は、大陸の人間でなければ開けることができないとか、なんかその辺り……って、そんな細かな設定ってできたっけ?
まぁ、魔法をかけた相手が物凄い魔力を持った兄さんだからな……。
「この戸は、ジョーには開かないように魔法がかかってるっぽい。魔法使いは相当ジョー達をこの中に留めておきたかったみたいだな」
そういえば、あの時ジョー達は手を拘束された姿だったし、トリシュは気絶していたってことはそこそこの攻撃を受けたんだと思う。
あの兄さんが人間を相手に攻撃ってのはちょっと想像はつかないんだけど、起きていられると厄介だったと考えれば……ならジョーの意識があったのはどうしてだろうか?
なにか伝言めいたことを託した……まぁそれは侯爵家にいたら命の保証はするよって内容だっけ。
いやいや、侯爵家にいて欲しいのに、馬車から出られないような魔法をかけた意味はなに?
「俺達は命を狙われていると言っていた。侯爵家の者が来るから、それまで大人しくしてるようにとも」
やっぱり兄さんだけじゃなくて王女の命も狙われていたのか……なら、確かに姿を消した方が安全だな……で、侯爵家の者が来る?
兄さんはこの場所に騎士を向かわせていたのだろうか?
魔法陣の形状から自分にってよりは範囲魔法で……土のマークと風のマークが描かれている。
これは一般的な魔法陣を組み合わせたものだから、ジョー達を襲った魔法使い……まぁ、兄さんとは別件だ。
土の魔法陣単体なら物を少し軽くする程度の重力魔法で、風の魔法陣も風圧によって物を少し軽くする効果がある。この組み合わせ自体も珍しい物ではない。
2つの魔法陣を同時に描いて発動させると、地面から少しだけ物体を浮かせて、宙を滑るように移動させられるってだけの代物だ。
主に荷物の運搬時に使用される生活魔法で、船乗りや商人なら誰でも知ってる魔法の組み合わせだ。
もしも、この魔法を馬車にかけたとしたら、馬がなくても人が手で押すだけで馬車は移動させられる。
俺がジョー達を発見した時、馬や御者が見当たらなかったから、ここでこの魔法にかけられて移動したんだろうな。
なら馬車は島の国の物だけど、御者は大陸の者である可能性は高い。
そして運んだこの場所で兄さんが第15王女を誘拐したとなれば、御者は兄さんの仲間?
本当に盗賊に騙されてここに拉致されてきたんだとしたら、兄さんはきっと第15王女だけじゃなくジョー達も助けただろう。
いや……馬車に強力な防御魔法がかかってたし、それで助けたってことになるのか?
あの時、俺がこの道を通りかかってなきゃ大変だったんだろうし……。
「アール!?どこっ……アール!」
魔法陣の他にもなにかないかと探していると、遠くの方でジョーの声が聞こえてきて、そして飛んでくるレッドドラゴン。
「(ここでなにやってるの?ご主人のとこ戻って!今すぐ!)」
どうやらジョーがなにかを見つけたらしい。
なんだかんだと捜索範囲を広げ過ぎていたため、顔を上げて馬車のある方角を見ても目視出来ない。
勾配もあるしな……じゃない、戻らないと。
「お待たせ。それで、なにを見つけたんだ?」
まだ馬車の中にいたジョーは、戸を開けようとしているようだけど、どうやらまた開かなくなっているようで取っ手がガチャガチャと鳴るばかりだ。
ガチャリ
出られないのになにかを見つけたんなら、馬車の中にヒントがあったんだな?
馬車の戸を開けて中に入り、上下ひっくり返った馬車内を見渡してみるが、特になにもないような?
あぁ、暗いから良く見えないだけか。
空を見上げればスッカリと夜で、雲行きも怪しいから余計に暗く感じる。
一雨来そうだな……。
雨が降ったら魔物もあまり出て来なくなるし、騎士達に森を任せるには丁度良いや。
「見つけたって……俺が?」
ん?
「なにか見つけたから呼んだんじゃないの?」
「あ……いや、置いて行かれたかと……出ようと思っても開かないし。なんで俺は開けられないのにアールは簡単に開けるんだ?コツがあったりするのか?」
普通に開けただけなんだけどなぁ……多少の魔力抵抗はあるけど、それが島の国の人間にとっては壮大なる防御と感じるのだろうか?
とか言っても俺が持ってる魔力もカッスカスなんだ。
もしかしたら、内側からは開かないようになってるとか?
と、一旦戸を閉めてから数秒待ち、取っ手を押せば
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なので外に出てみて戸を閉め、ジョーに開けるように言ってみたんだけど、ガチャガチャ鳴るばかりで開かない。
ならこれでどうかと俺が外から取っ手を握り、ジョーが中から戸を押せば
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開いた。
取っ手部分に防御魔法とは別に、鍵となる魔法がかかっているのか。
この場合は、大陸の人間でなければ開けることができないとか、なんかその辺り……って、そんな細かな設定ってできたっけ?
まぁ、魔法をかけた相手が物凄い魔力を持った兄さんだからな……。
「この戸は、ジョーには開かないように魔法がかかってるっぽい。魔法使いは相当ジョー達をこの中に留めておきたかったみたいだな」
そういえば、あの時ジョー達は手を拘束された姿だったし、トリシュは気絶していたってことはそこそこの攻撃を受けたんだと思う。
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