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第四章 夜が終わる前に
19.切れない可能性(奏汰視点)
高層ビルの谷間を、奏汰は足早に歩いていた。この二週間、毎日分刻みで詰め込んでいた都内での営業回りは今日で全て終了し、明日には京都に戻る。
最後のアポを取っていた卸先を回り終えたころには、空はすでに夜の帳に包まれていた。日中よりも気温が落ちたとはいえ、革靴にはアスファルトが日中に蓄えた熱が伝わってくる。
――思ったよりも時間を食っちまったな。
奏汰は腕時計に視線を落とし、重いため息を吐き出した。当初の予定では、営業回りを終えたらその足ですぐに晴菜のマンションへ向かうつもりだった。だが、この時間では彼女はもう勤務先のバーへと出勤してしまっているだろう。
――晴菜……少しは前を向けただろうか。
昨日の高坂醸造での出来事を思い出すだけで、胸の奥にざらついた不快な感触が広がる。
江戸時代から続く氷室酒造に生まれ育った奏汰の幼少期の記憶といえば、兄と一緒に厳格な父から代々の酒造りの失敗談を叩き込まれたことしか覚えていない。誰がどの年に天候を読み違え、どの判断が蔵にどれほどの損害を与えたか。同年代の子供が経験するはずの手遊びや旅行の記憶など、あるはずもない。
だからこそ、嫌というほど分かっている。伝統という名の重圧に耐え、時代の荒波の中で酒蔵を生き残らせることが、どれほど過酷なものであるかを。
――あの女は、何もわかっちゃいねぇ。
『ただ酒を注ぐだけ』と、麗奈は鼻で笑い、晴菜の仕事を、そして彼女の存在そのものを蔑んだ。けれど、酒は、誰かの手を通って初めて「酒」として完成する。流通を担う人間、酒を提供する人間、酒の成り立ちを語る人間。その過程のどれか一つが欠けてしまえば、酒はただの水に成り下がってしまう。
それを一番分かっていないのが、自分と同じく伝統ある酒蔵に生まれた麗奈だという事実。笑えない冗談にも程がある。昨日の麗奈の勝ち誇ったような、それでいて傲慢な表情を思い返した奏汰は、込み上げる苛立ちと共に盛大な舌打ちをした。
その瞬間、スラックスのポケットの中のスマホが大きく振動した。奏汰は苛立ちを拭えぬままスマホを取り出し、青白く光るディスプレイに視線を落とす。
「兄貴……」
表示された名前に、奏汰は露骨に眉をひそめた。ざらりとした嫌な予感が走り、足が自然と止まる。
ディスプレイをスワイプするまで、一拍の空白を置いた。肺の奥まで都心の乾いた空気を吸い込み、頭の中で荒ぶる感情を無理やり振り落とした。
「はい」
『回っている最中に悪いな。少し時間はあるか』
電話口から聞こえる兄――隆之の声は、驚くほど平坦だった。事務所のデスクで、数字と契約書の山に囲まれているときの声だ。
「営業は全て終わった。これからホテルに戻って荷造りするところだ」
奏汰の端的な言葉に、隆之は『そうか』と短く返し、一切の前置きもなく言葉を続けた。
『麗奈さんから連絡があった。穂乃果さんとの縁談を、再び検討してほしいと』
目の前を通り過ぎるタクシーの騒音が、一瞬遠のいた気がした。晴菜の、あの少しだけ淋しそうに微笑む横顔が脳裏を過ぎり、奏汰は痛むほどに奥歯を噛み締める。
隆之のこの落ち着き払った雰囲気。恐らく昨日、奏汰と晴菜が帰った後すぐに、麗奈から隆之へ根回しが入っていたのだろう。なんともまぁ手が早いことだ。
「……正気か、兄貴。福寿さんへの面子はどうなる」
思わず鋭くなった声に、隆之は一瞬の沈黙を挟んだ。その沈黙が、さらに奏汰の神経を逆撫でしていく。
「……兄貴!」
『晴菜さんとの縁談を軽んじるつもりはない。だが、現実的に見て時東家との接点はそれ以上の価値を持つ。それに、時東の会長からも連絡があった。もう一度考え直す余地はないかと思ってな』
奏汰は低く、拒絶の意思をこれ以上なく込めた声で返す。
「そもそも穂乃果本人が嫌がって流れた話だ。俺にもその気は一切ねぇ!」
『それはわかっている。氷室家としても正式な婚約を結んだ覚えはない。けれども、経営者として今回の話を無下にするのは無理がある』
隆之は淡々と、事務的に落ち着いた口調で言葉を続ける。
『時東家は大手旅行社だ。全国にネットワークを持ち、インバウンド需要も取り込んでいる。最近、酒蔵の見学ツアーや宿泊体験を強化したいと考えているらしい。時東家と提携すれば、うちの酒を全国のホテルやツアーに卸すルートが一気に広がる。奏汰、お前も副社長としてそれは理解しているはずだ』
ビジネスという名の正論。冷たい数字に裏打ちされたメリット。それらは確かに、『副社長としての氷室奏汰』を納得させるのに十分な要素を持っていた。
奏汰は苛立ちを隠そうともせず、地を這うような低い声で応じた。
「だからといって、俺の人生を材料にするのか?」
『結婚、とまでは言っていない。まずは包括的な業務提携だ。だが、そこに穂乃果さんとの縁談が絡めば、その関係はより強固なものになるだろう、と麗奈さんは言っていた』
麗奈の言いそうなことだ、と吐き気がした。隆之の言葉を受けながら、奏汰は左手の拳を固く握りしめた。絞り出すような声が、自分でも驚くほど震えを帯びる。
「……俺は反対だ。晴菜がいる」
『福寿さんも商人だ。筋を通し、相応の配慮をすれば、こちらの決断にも理解は示してくれるだろう』
思わず、乾いた笑いが奏汰の喉からこぼれた。筋を通す――恐らく時東の巨大な利権の一部を福寿酒店にも回すよう便宜を図る、といったことだろう。そうすればあちらにも損はない。全てを金と利害で解決しようとする、吐き気を催すような合理性。
「便利だな。筋を通すなんて言葉、そんな風に使えるなんて知らなかった」
『落ち着け、奏汰。感情を切り離すための言葉だ。そうしなければ……全ては守れない』
隆之の声に、一瞬だけ、兄としての疲弊が混じった気がした。だが、それはすぐに淡々とした声音へと戻っていく。
『時東家との繋がりは、氷室酒造が次の一世紀を生き残るための大きな物になる。まだ決定ではない。だが、経営判断として……その可能性を完全に否定することは、今の俺にはできない』
可能性。隆之がその言葉を口にする時は、すでに彼の心の中で天秤が傾いていることが多い。
「兄貴……本気で言ってるのか? 俺を売ってまであいつらの資本に跪くつもりなのかよ」
『お前を売るつもりはない。だが、家を背負う立場として、個人的な感情だけで断を下せない局面もある。……明日、京都に帰ってきたら、一度膝を突き合わせてゆっくり話をしよう。切るぞ』
ツー、ツー、という無機質な切断音が耳元で虚しく響く。奏汰はスマートフォンの画面を射抜くように睨みつけたまま、光が沈まない街の雑踏の中に立ち尽くした。
視界の端を、無数の人間が無機質な影となって通り過ぎていく。都心の熱気に満ちた空気の中にいるはずなのに、足元からじわじわと重い泥に沈み、全身を縛り付けられていくような錯覚を覚えた。
伝統ある蔵を維持するには、清廉な理想だけではやっていけない。原材料の確保、販路の開拓、そして何より働く杜氏や蔵人たちの生活を守ること。
時東グループとの繋がりが持てれば、普段苦労して捻出している機材の膨大な修繕費もそこまで頭を悩ませる必要がなくなるかもしれない。
「くそ……」
奏汰はやり場のない憤りを隠すように自分の髪を握り締めた。頭皮がじり、と痛む。
内側から湧き上がる激しい怒りと、底知れない焦燥。それが濁流となって押し寄せ、眩暈と共に奏汰の世界を歪ませていった。
最後のアポを取っていた卸先を回り終えたころには、空はすでに夜の帳に包まれていた。日中よりも気温が落ちたとはいえ、革靴にはアスファルトが日中に蓄えた熱が伝わってくる。
――思ったよりも時間を食っちまったな。
奏汰は腕時計に視線を落とし、重いため息を吐き出した。当初の予定では、営業回りを終えたらその足ですぐに晴菜のマンションへ向かうつもりだった。だが、この時間では彼女はもう勤務先のバーへと出勤してしまっているだろう。
――晴菜……少しは前を向けただろうか。
昨日の高坂醸造での出来事を思い出すだけで、胸の奥にざらついた不快な感触が広がる。
江戸時代から続く氷室酒造に生まれ育った奏汰の幼少期の記憶といえば、兄と一緒に厳格な父から代々の酒造りの失敗談を叩き込まれたことしか覚えていない。誰がどの年に天候を読み違え、どの判断が蔵にどれほどの損害を与えたか。同年代の子供が経験するはずの手遊びや旅行の記憶など、あるはずもない。
だからこそ、嫌というほど分かっている。伝統という名の重圧に耐え、時代の荒波の中で酒蔵を生き残らせることが、どれほど過酷なものであるかを。
――あの女は、何もわかっちゃいねぇ。
『ただ酒を注ぐだけ』と、麗奈は鼻で笑い、晴菜の仕事を、そして彼女の存在そのものを蔑んだ。けれど、酒は、誰かの手を通って初めて「酒」として完成する。流通を担う人間、酒を提供する人間、酒の成り立ちを語る人間。その過程のどれか一つが欠けてしまえば、酒はただの水に成り下がってしまう。
それを一番分かっていないのが、自分と同じく伝統ある酒蔵に生まれた麗奈だという事実。笑えない冗談にも程がある。昨日の麗奈の勝ち誇ったような、それでいて傲慢な表情を思い返した奏汰は、込み上げる苛立ちと共に盛大な舌打ちをした。
その瞬間、スラックスのポケットの中のスマホが大きく振動した。奏汰は苛立ちを拭えぬままスマホを取り出し、青白く光るディスプレイに視線を落とす。
「兄貴……」
表示された名前に、奏汰は露骨に眉をひそめた。ざらりとした嫌な予感が走り、足が自然と止まる。
ディスプレイをスワイプするまで、一拍の空白を置いた。肺の奥まで都心の乾いた空気を吸い込み、頭の中で荒ぶる感情を無理やり振り落とした。
「はい」
『回っている最中に悪いな。少し時間はあるか』
電話口から聞こえる兄――隆之の声は、驚くほど平坦だった。事務所のデスクで、数字と契約書の山に囲まれているときの声だ。
「営業は全て終わった。これからホテルに戻って荷造りするところだ」
奏汰の端的な言葉に、隆之は『そうか』と短く返し、一切の前置きもなく言葉を続けた。
『麗奈さんから連絡があった。穂乃果さんとの縁談を、再び検討してほしいと』
目の前を通り過ぎるタクシーの騒音が、一瞬遠のいた気がした。晴菜の、あの少しだけ淋しそうに微笑む横顔が脳裏を過ぎり、奏汰は痛むほどに奥歯を噛み締める。
隆之のこの落ち着き払った雰囲気。恐らく昨日、奏汰と晴菜が帰った後すぐに、麗奈から隆之へ根回しが入っていたのだろう。なんともまぁ手が早いことだ。
「……正気か、兄貴。福寿さんへの面子はどうなる」
思わず鋭くなった声に、隆之は一瞬の沈黙を挟んだ。その沈黙が、さらに奏汰の神経を逆撫でしていく。
「……兄貴!」
『晴菜さんとの縁談を軽んじるつもりはない。だが、現実的に見て時東家との接点はそれ以上の価値を持つ。それに、時東の会長からも連絡があった。もう一度考え直す余地はないかと思ってな』
奏汰は低く、拒絶の意思をこれ以上なく込めた声で返す。
「そもそも穂乃果本人が嫌がって流れた話だ。俺にもその気は一切ねぇ!」
『それはわかっている。氷室家としても正式な婚約を結んだ覚えはない。けれども、経営者として今回の話を無下にするのは無理がある』
隆之は淡々と、事務的に落ち着いた口調で言葉を続ける。
『時東家は大手旅行社だ。全国にネットワークを持ち、インバウンド需要も取り込んでいる。最近、酒蔵の見学ツアーや宿泊体験を強化したいと考えているらしい。時東家と提携すれば、うちの酒を全国のホテルやツアーに卸すルートが一気に広がる。奏汰、お前も副社長としてそれは理解しているはずだ』
ビジネスという名の正論。冷たい数字に裏打ちされたメリット。それらは確かに、『副社長としての氷室奏汰』を納得させるのに十分な要素を持っていた。
奏汰は苛立ちを隠そうともせず、地を這うような低い声で応じた。
「だからといって、俺の人生を材料にするのか?」
『結婚、とまでは言っていない。まずは包括的な業務提携だ。だが、そこに穂乃果さんとの縁談が絡めば、その関係はより強固なものになるだろう、と麗奈さんは言っていた』
麗奈の言いそうなことだ、と吐き気がした。隆之の言葉を受けながら、奏汰は左手の拳を固く握りしめた。絞り出すような声が、自分でも驚くほど震えを帯びる。
「……俺は反対だ。晴菜がいる」
『福寿さんも商人だ。筋を通し、相応の配慮をすれば、こちらの決断にも理解は示してくれるだろう』
思わず、乾いた笑いが奏汰の喉からこぼれた。筋を通す――恐らく時東の巨大な利権の一部を福寿酒店にも回すよう便宜を図る、といったことだろう。そうすればあちらにも損はない。全てを金と利害で解決しようとする、吐き気を催すような合理性。
「便利だな。筋を通すなんて言葉、そんな風に使えるなんて知らなかった」
『落ち着け、奏汰。感情を切り離すための言葉だ。そうしなければ……全ては守れない』
隆之の声に、一瞬だけ、兄としての疲弊が混じった気がした。だが、それはすぐに淡々とした声音へと戻っていく。
『時東家との繋がりは、氷室酒造が次の一世紀を生き残るための大きな物になる。まだ決定ではない。だが、経営判断として……その可能性を完全に否定することは、今の俺にはできない』
可能性。隆之がその言葉を口にする時は、すでに彼の心の中で天秤が傾いていることが多い。
「兄貴……本気で言ってるのか? 俺を売ってまであいつらの資本に跪くつもりなのかよ」
『お前を売るつもりはない。だが、家を背負う立場として、個人的な感情だけで断を下せない局面もある。……明日、京都に帰ってきたら、一度膝を突き合わせてゆっくり話をしよう。切るぞ』
ツー、ツー、という無機質な切断音が耳元で虚しく響く。奏汰はスマートフォンの画面を射抜くように睨みつけたまま、光が沈まない街の雑踏の中に立ち尽くした。
視界の端を、無数の人間が無機質な影となって通り過ぎていく。都心の熱気に満ちた空気の中にいるはずなのに、足元からじわじわと重い泥に沈み、全身を縛り付けられていくような錯覚を覚えた。
伝統ある蔵を維持するには、清廉な理想だけではやっていけない。原材料の確保、販路の開拓、そして何より働く杜氏や蔵人たちの生活を守ること。
時東グループとの繋がりが持てれば、普段苦労して捻出している機材の膨大な修繕費もそこまで頭を悩ませる必要がなくなるかもしれない。
「くそ……」
奏汰はやり場のない憤りを隠すように自分の髪を握り締めた。頭皮がじり、と痛む。
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