17 / 54
第17話 事故物件2
しおりを挟む
「う、うまい……」
「そりゃ、満喫のピザよりは美味しいですよ」
先日俺が友達を助けたお礼としてピザを食べている。
あの聖域に行くたびに食べているので、あそこ以外のピザも食べてみたくなったのだ。
利奈から何かお礼をと催促されたために、ためしに美味いピザが食べたいと言った所、本格ピザが食べれるこのお店に連れて来てくれたという訳だ。
「明菜のこと本当にありがとうございました」
「いいよ、それより、友達の方は大丈夫?」
「はい! この間久々に登校したんですが、いつもの明菜に戻ってました。……まだ渋谷のことは引きずってるみたいですけど」
ふむ、例の金髪ヤンキー君はアレから学校には来ていないらしいしね。
元気にしているといいのだが……
「そういえば、礼土さん! あのですね、ちょっとご相談がありまして」
「何かな、あぁここの支払いは俺持ちだから気にしなくて大丈夫だよ?」
例の事件? を解決してからは財布の中は潤っている。
もっとも銀行にかなりの貯金があるため、元々お金はあるのだが、こうして自分で稼げた金というのは中々素晴らしい。
それにしてもこのマルゲリータとかいうピザうまいな。
「いや、そうじゃなくてですね。実はパパが礼土さんに会いたいって言ってて……」
「パパ?」
え、どういうことだ?
何か失礼なことをしただろうか。
落ち着け、思い出すんだ。
何かしたか? いいや何もしてない。
いや、まて、まさかアレか?
利奈の友達を助けるとか言って気絶させた奴がバレたのか?
「……ちなみにどういうご用件で?」
「実はこの間のことをパパとママに話したの。あ、ホテルのことは言ってないからね! それでその時の話でパパが礼土さんのことを気になってるらしくて、何かパパのお友達に話したらしいの。そうしたら、仕事をお願い出来ないかって言われたらしいよ」
「そうか、いいよ。いつでも連絡してくれ。暇だからさ」
あっぶねぇええええ。
あの憑かれていた女の子の額をかすらせるように頭を弾いたから、後遺症は残らないはずだけど、万が一って事もあるからな。この世界を管理している【サツ】という組織に捕まるかと思ったぜ。
いや、まて一応確認だけしておくか。
「ちなみになんだけどさ、利奈のパパって何してる人?」
「んっと会社経営らしいよ。YooTubeって知ってるかな。その配信事務所の社長なの」
「あぁ、なるほどね」
全然分からん。
背信業ってなんだ? 何かしらの宗教を強制的に鞍替えさせる組織だろうか。
「背信か、なんか凄いね」
「そうなんですよ、実はその事務所で私のお兄ちゃんも配信してて」
「え、お兄さんも背信してるの? すごいね」
「そうなんですよ。登録者がもう直ぐ100万人行きそうらしいです」
「へぇ、100万人に対して背信してるんだ。……こえぇな」
「? 何かいいました?」
「いや、凄いなって思ってさ」
この国は大丈夫なのだろうか。
確か仏教が盛んと聞いてたけど、100万人も背信してんだろ?
それ大丈夫なの?
「その背信ってお金とかどうしてるの?」
「再生回数とか、後は視聴者から投げ銭っていう形でお金がもらえたりするんです」
再生回数? 背信して何を再生させるんだ?
しかし、視聴者っていうのが今一不明だが、つまり信者みたいなものなのだろうか。
つまり背信し、信者からお金を投げさせる……か。
それただの危ない宗教じゃないだろうな。
恐ろしい、だがその程度で元勇者である俺が立ち止まるわけには行かない。
その利奈の父親の友達っていうのも怪しいが、まぁいいだろう。
断っても正直やることが漫画読むくらいしかない。
延々あの場所に篭っていてもいいんだが、流石に身体も動かしたいしな。
一応気を引き締めた方がよさそうだな。
そうして来ました山城家。
相変わらず貴族の家みたいな場所だ。
利奈の案内で玄関まで行くと、そこには俺の知らない人物が二人いた。
「おぉ! 本当にイケメンだね。えーっと日本語は大丈夫かな? 僕は山城和人。利奈や栞の父親だ。どうぞよろしく」
とても爽やかな男性だ。
茶色に染めた髪は綺麗に整えられており、清潔感がある。
この世界で見た男性の中ではかなり顔が整った方だと思う。
「どうも、私は山城沙織といいます。りーちゃんがお世話になったようで本当にありがとうございます」
パーマが掛かったロングの髪、しゃべり方もおっとりしているが、この沙織という女性はかもし出す雰囲気から何かこちらの気を緩くさせるようなオーラを感じる。
というか、微弱だが、妙な力を感じるな。
容姿は利奈や栞の母親というだけあり、非常に胸が大きくかなりの美人さんだ。
「初めまして。俺の名前は勇実礼土といいます。あぁこれ一応これ皆さんで」
よしよし完璧だ。
事前に他人の家に行く時のマナーをネットで検索している。
どうも手土産を持っていくと良いらしい。
その辺はあの世界とさしてかわらないようだ。
今回持ってきたのは、こちらもネットで調べた高級菓子だ。
なんでも【マカロン】という甘い菓子のようで、女性がいる自宅に持っていくにはかなり無難なチョイスらしい。
駅前のデパ地下で並んで買ったのだが、反応はどうだ!?
「まぁまぁ悪いわね。……あら、四越のマカロンじゃない。これ美味しいのよね」
「態々すまないね、さぁ入ってくれ」
小さくガッツポーズを取る。
完璧だ。少しでもいい印象を与えておいた方がいいだろう。
何せ100万人という大きな信者を抱えた組織の代表なのだ。
用心しておくに越したことはない。
というか、この沙織という母親が妙にこちらを見ているのは気のせいだろうか。
「……驚きました。礼土さんは本当に力をお持ちのようですね」
――なぁにいってんだこの人。
「――それは、どういう意味ですか?」
「オーラというのでしょうか。普通ではない力を感じます。どうやら本当に素晴らしい霊能力をお持ちのようですね」
「ははは、参りましたね」
本当に参った、ごめんなさい。違うんです。
霊能力なんてないです。
ただ魔法を使って感知してるだけです。
「そうか! 沙織がそういうならそうなんだろうね。どうかな? 僕にどんな守護霊がついてる!?」
「い、いや――」
和人が妙に目をキラキラさせてこちらに近づいてくる。
やめろ、男に近づかれてもなにも嬉しくない。
というか、まずいぞ。
守護霊ってなに? スタンドと何が違うの?
俺に分かるのは魔物の気配だけだぞ。
考えろ! 何かいい言い訳を――ッ!!
「和人さん、俺は悪霊を滅ぼす力しかありません。そういう一族だったんです。その宿命で俺の両親は――」
「そ、そうか。変にはしゃいでしまってすまないね」
「そうよ、貴方。この人は間違いなく本物よ」
よかった逃げきれたぜ。
そうして俺は以前栞とゲームで遊んだリビングに通された。
紅茶を出され、それをゆっくりと飲む。
やはり紅茶はうまい。ミルクと砂糖をガンガンいれないと飲めないコーヒーとは違うね。
「さて、本当はゆっくり色々話したい所なんだけど、あまり礼土君の時間を奪ってもまずいからね。さっそく本題に入ってもいいかな」
「はい、どうしましたか」
さて、どんな依頼だ?
暗殺依頼じゃなかろうな。さすがに俺でもやっていないぞ。
背信団体のトップなんだ、何が飛び出すか分からんからな。
「実はね、僕の友人に不動産業をやっている人がいるんだが、そこの物件の一つでどうも心霊現象が発生すると思われる部屋があるそうなんだ」
「……心霊現象ですか」
一応漫画で予習しているが、ポルターガイストやラップ音という奴だろうか。
正直それの何が怖いのかさっぱりわからん。
「ああ、先月ね。その物件に住んでいる住民から異臭騒ぎがあったそうでね。そこで確認したところ……」
「どうしたんです?」
「首吊りの遺体があったそうだ。腐敗が進んでいたそうでそれが異臭の原因になっていたらしい」
「……なるほど」
首吊り自殺か。
以前いた世界にはあまりなかった死に方だ。
それにしても危険がない世界であっても自死を選ぶ者はいるということか。
だが――
「ただの自殺ではない、と?」
「ああ。友人によるとね、その部屋で自殺があったのは2度目だそうだ。1度目は今から半年前、そして先日。かなり短い間に連続している。それに自殺にしても妙だったそうだ」
「妙……ですか」
「うん。2件とも遺書は見つからなかったらしい。そればかりか廊下に爪を立てたような跡まで見つかったらしいよ。だから事件性があるとして警察も調べたらしいんだけど、死亡当日は鍵も締まっていて、無理やり開けた形跡も争った形跡もなかったそうだ。結局は事件性なしとなったそうだけど、どう考えても普通じゃない。友人はあまり霊とかを信じるタイプではないのだけど、流石にこうも続けてになると気になるらしくてね」
確かに気になるな。
同じ部屋に住んだ人間が立て続けに自殺。
普通では考えられない。それゆえ、普通ではない事が起きていると考えたという事か。
「詳しい話は僕の友人である田嶋彰に聞いて欲しい。それでどうだろう、引き受けてくれるかな?」
「そうですね」
恐らく悪霊が何か悪さしているのだろう。
どういう霊なのか分からんがまぁそれだけ殺意が高ければ俺でも見えるから滅ぼすのは造作もない。
「そうですね、わかりました。引き受けましょう」
「そうか! 助かるよ。栞に聞いているんだが、報酬は20万円でいいのかい?」
「え、ええ。構いません」
どの程度の強さか分からないが、エルダーリッチより強いという事はまずあるまい。
なら20万円でも貰いすぎな気もする。
「助かるよ。口では出してなかったけど、彰も随分参ってたみたいだしね。さっそくだけど明日ここへ行ってくれるかな」
「わかりました。お任せ下さい」
まぁこれで俺に見えない霊だったらどうしようもないな。
「そりゃ、満喫のピザよりは美味しいですよ」
先日俺が友達を助けたお礼としてピザを食べている。
あの聖域に行くたびに食べているので、あそこ以外のピザも食べてみたくなったのだ。
利奈から何かお礼をと催促されたために、ためしに美味いピザが食べたいと言った所、本格ピザが食べれるこのお店に連れて来てくれたという訳だ。
「明菜のこと本当にありがとうございました」
「いいよ、それより、友達の方は大丈夫?」
「はい! この間久々に登校したんですが、いつもの明菜に戻ってました。……まだ渋谷のことは引きずってるみたいですけど」
ふむ、例の金髪ヤンキー君はアレから学校には来ていないらしいしね。
元気にしているといいのだが……
「そういえば、礼土さん! あのですね、ちょっとご相談がありまして」
「何かな、あぁここの支払いは俺持ちだから気にしなくて大丈夫だよ?」
例の事件? を解決してからは財布の中は潤っている。
もっとも銀行にかなりの貯金があるため、元々お金はあるのだが、こうして自分で稼げた金というのは中々素晴らしい。
それにしてもこのマルゲリータとかいうピザうまいな。
「いや、そうじゃなくてですね。実はパパが礼土さんに会いたいって言ってて……」
「パパ?」
え、どういうことだ?
何か失礼なことをしただろうか。
落ち着け、思い出すんだ。
何かしたか? いいや何もしてない。
いや、まて、まさかアレか?
利奈の友達を助けるとか言って気絶させた奴がバレたのか?
「……ちなみにどういうご用件で?」
「実はこの間のことをパパとママに話したの。あ、ホテルのことは言ってないからね! それでその時の話でパパが礼土さんのことを気になってるらしくて、何かパパのお友達に話したらしいの。そうしたら、仕事をお願い出来ないかって言われたらしいよ」
「そうか、いいよ。いつでも連絡してくれ。暇だからさ」
あっぶねぇええええ。
あの憑かれていた女の子の額をかすらせるように頭を弾いたから、後遺症は残らないはずだけど、万が一って事もあるからな。この世界を管理している【サツ】という組織に捕まるかと思ったぜ。
いや、まて一応確認だけしておくか。
「ちなみになんだけどさ、利奈のパパって何してる人?」
「んっと会社経営らしいよ。YooTubeって知ってるかな。その配信事務所の社長なの」
「あぁ、なるほどね」
全然分からん。
背信業ってなんだ? 何かしらの宗教を強制的に鞍替えさせる組織だろうか。
「背信か、なんか凄いね」
「そうなんですよ、実はその事務所で私のお兄ちゃんも配信してて」
「え、お兄さんも背信してるの? すごいね」
「そうなんですよ。登録者がもう直ぐ100万人行きそうらしいです」
「へぇ、100万人に対して背信してるんだ。……こえぇな」
「? 何かいいました?」
「いや、凄いなって思ってさ」
この国は大丈夫なのだろうか。
確か仏教が盛んと聞いてたけど、100万人も背信してんだろ?
それ大丈夫なの?
「その背信ってお金とかどうしてるの?」
「再生回数とか、後は視聴者から投げ銭っていう形でお金がもらえたりするんです」
再生回数? 背信して何を再生させるんだ?
しかし、視聴者っていうのが今一不明だが、つまり信者みたいなものなのだろうか。
つまり背信し、信者からお金を投げさせる……か。
それただの危ない宗教じゃないだろうな。
恐ろしい、だがその程度で元勇者である俺が立ち止まるわけには行かない。
その利奈の父親の友達っていうのも怪しいが、まぁいいだろう。
断っても正直やることが漫画読むくらいしかない。
延々あの場所に篭っていてもいいんだが、流石に身体も動かしたいしな。
一応気を引き締めた方がよさそうだな。
そうして来ました山城家。
相変わらず貴族の家みたいな場所だ。
利奈の案内で玄関まで行くと、そこには俺の知らない人物が二人いた。
「おぉ! 本当にイケメンだね。えーっと日本語は大丈夫かな? 僕は山城和人。利奈や栞の父親だ。どうぞよろしく」
とても爽やかな男性だ。
茶色に染めた髪は綺麗に整えられており、清潔感がある。
この世界で見た男性の中ではかなり顔が整った方だと思う。
「どうも、私は山城沙織といいます。りーちゃんがお世話になったようで本当にありがとうございます」
パーマが掛かったロングの髪、しゃべり方もおっとりしているが、この沙織という女性はかもし出す雰囲気から何かこちらの気を緩くさせるようなオーラを感じる。
というか、微弱だが、妙な力を感じるな。
容姿は利奈や栞の母親というだけあり、非常に胸が大きくかなりの美人さんだ。
「初めまして。俺の名前は勇実礼土といいます。あぁこれ一応これ皆さんで」
よしよし完璧だ。
事前に他人の家に行く時のマナーをネットで検索している。
どうも手土産を持っていくと良いらしい。
その辺はあの世界とさしてかわらないようだ。
今回持ってきたのは、こちらもネットで調べた高級菓子だ。
なんでも【マカロン】という甘い菓子のようで、女性がいる自宅に持っていくにはかなり無難なチョイスらしい。
駅前のデパ地下で並んで買ったのだが、反応はどうだ!?
「まぁまぁ悪いわね。……あら、四越のマカロンじゃない。これ美味しいのよね」
「態々すまないね、さぁ入ってくれ」
小さくガッツポーズを取る。
完璧だ。少しでもいい印象を与えておいた方がいいだろう。
何せ100万人という大きな信者を抱えた組織の代表なのだ。
用心しておくに越したことはない。
というか、この沙織という母親が妙にこちらを見ているのは気のせいだろうか。
「……驚きました。礼土さんは本当に力をお持ちのようですね」
――なぁにいってんだこの人。
「――それは、どういう意味ですか?」
「オーラというのでしょうか。普通ではない力を感じます。どうやら本当に素晴らしい霊能力をお持ちのようですね」
「ははは、参りましたね」
本当に参った、ごめんなさい。違うんです。
霊能力なんてないです。
ただ魔法を使って感知してるだけです。
「そうか! 沙織がそういうならそうなんだろうね。どうかな? 僕にどんな守護霊がついてる!?」
「い、いや――」
和人が妙に目をキラキラさせてこちらに近づいてくる。
やめろ、男に近づかれてもなにも嬉しくない。
というか、まずいぞ。
守護霊ってなに? スタンドと何が違うの?
俺に分かるのは魔物の気配だけだぞ。
考えろ! 何かいい言い訳を――ッ!!
「和人さん、俺は悪霊を滅ぼす力しかありません。そういう一族だったんです。その宿命で俺の両親は――」
「そ、そうか。変にはしゃいでしまってすまないね」
「そうよ、貴方。この人は間違いなく本物よ」
よかった逃げきれたぜ。
そうして俺は以前栞とゲームで遊んだリビングに通された。
紅茶を出され、それをゆっくりと飲む。
やはり紅茶はうまい。ミルクと砂糖をガンガンいれないと飲めないコーヒーとは違うね。
「さて、本当はゆっくり色々話したい所なんだけど、あまり礼土君の時間を奪ってもまずいからね。さっそく本題に入ってもいいかな」
「はい、どうしましたか」
さて、どんな依頼だ?
暗殺依頼じゃなかろうな。さすがに俺でもやっていないぞ。
背信団体のトップなんだ、何が飛び出すか分からんからな。
「実はね、僕の友人に不動産業をやっている人がいるんだが、そこの物件の一つでどうも心霊現象が発生すると思われる部屋があるそうなんだ」
「……心霊現象ですか」
一応漫画で予習しているが、ポルターガイストやラップ音という奴だろうか。
正直それの何が怖いのかさっぱりわからん。
「ああ、先月ね。その物件に住んでいる住民から異臭騒ぎがあったそうでね。そこで確認したところ……」
「どうしたんです?」
「首吊りの遺体があったそうだ。腐敗が進んでいたそうでそれが異臭の原因になっていたらしい」
「……なるほど」
首吊り自殺か。
以前いた世界にはあまりなかった死に方だ。
それにしても危険がない世界であっても自死を選ぶ者はいるということか。
だが――
「ただの自殺ではない、と?」
「ああ。友人によるとね、その部屋で自殺があったのは2度目だそうだ。1度目は今から半年前、そして先日。かなり短い間に連続している。それに自殺にしても妙だったそうだ」
「妙……ですか」
「うん。2件とも遺書は見つからなかったらしい。そればかりか廊下に爪を立てたような跡まで見つかったらしいよ。だから事件性があるとして警察も調べたらしいんだけど、死亡当日は鍵も締まっていて、無理やり開けた形跡も争った形跡もなかったそうだ。結局は事件性なしとなったそうだけど、どう考えても普通じゃない。友人はあまり霊とかを信じるタイプではないのだけど、流石にこうも続けてになると気になるらしくてね」
確かに気になるな。
同じ部屋に住んだ人間が立て続けに自殺。
普通では考えられない。それゆえ、普通ではない事が起きていると考えたという事か。
「詳しい話は僕の友人である田嶋彰に聞いて欲しい。それでどうだろう、引き受けてくれるかな?」
「そうですね」
恐らく悪霊が何か悪さしているのだろう。
どういう霊なのか分からんがまぁそれだけ殺意が高ければ俺でも見えるから滅ぼすのは造作もない。
「そうですね、わかりました。引き受けましょう」
「そうか! 助かるよ。栞に聞いているんだが、報酬は20万円でいいのかい?」
「え、ええ。構いません」
どの程度の強さか分からないが、エルダーリッチより強いという事はまずあるまい。
なら20万円でも貰いすぎな気もする。
「助かるよ。口では出してなかったけど、彰も随分参ってたみたいだしね。さっそくだけど明日ここへ行ってくれるかな」
「わかりました。お任せ下さい」
まぁこれで俺に見えない霊だったらどうしようもないな。
0
あなたにおすすめの小説
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる