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旅館経営、そして実りの秋へ
第26話 泊まるのではなく泊めれば一石二鳥ではなくて?
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フォレスタに戻ってから、ネーヴェは早速、アントニオ達と共に貝殻の粉を配り始めた。
配布にあたっては、シエロを通して教会の助力を得られた。教会のお墨付きということで、貝殻の粉は魔物を祓う聖なる粉として配布される。
リグリス州の全てのオリーブ農家に、まんべんなく貝殻の粉を配布し、その結果を見届けるために、ネーヴェはしばらくリグリス州に留まることにした。
「長期間滞在するため、宿を確保しなければなりません……」
夕食の席で、ネーヴェはカルメラとシエロに今後のことを相談した。
さながら託宣を下す巫女のように、厳かに言うネーヴェに、カルメラとシエロは、少し引き気味だ。ちなみにシエロは、当分ネーヴェに協力してくれるらしい。どちらにせよ、一人だけモンタルチーノにさっさと帰るような性格ではないのは分かっている。
「そこで……宿を経営しようと思います」
ネーヴェの発言を聞いた、シエロとカルメラは驚愕した。
「宿に泊まるのではなく、泊めるだと……?!」
「さすが姫、冴えてるぅ!」
これぞ逆転の発想、泊まるのではなく泊める。
シエロは自分の顎をさすりながら「お前といると退屈せんな」と呟いた。
「だが、どうやって宿泊施設に使う家を手に入れる? 部屋数がそれなりにあって、水回りが便利でないと話にならんぞ」
「領主様に相談しに行こうと思いますわ」
「王子に追放された氷薔薇姫に協力してくれるのか? 王族に歯向かうことになる」
氷薔薇姫はモンタルチーノで謹慎中ということになっている。
身分を明かして協力を仰げば、その相手も王家への反逆者と見られるだろう。
しかし、ネーヴェには秘策があった。
「大丈夫ですわ。私、ここの領主様とは、知り合いですの」
配布にあたっては、シエロを通して教会の助力を得られた。教会のお墨付きということで、貝殻の粉は魔物を祓う聖なる粉として配布される。
リグリス州の全てのオリーブ農家に、まんべんなく貝殻の粉を配布し、その結果を見届けるために、ネーヴェはしばらくリグリス州に留まることにした。
「長期間滞在するため、宿を確保しなければなりません……」
夕食の席で、ネーヴェはカルメラとシエロに今後のことを相談した。
さながら託宣を下す巫女のように、厳かに言うネーヴェに、カルメラとシエロは、少し引き気味だ。ちなみにシエロは、当分ネーヴェに協力してくれるらしい。どちらにせよ、一人だけモンタルチーノにさっさと帰るような性格ではないのは分かっている。
「そこで……宿を経営しようと思います」
ネーヴェの発言を聞いた、シエロとカルメラは驚愕した。
「宿に泊まるのではなく、泊めるだと……?!」
「さすが姫、冴えてるぅ!」
これぞ逆転の発想、泊まるのではなく泊める。
シエロは自分の顎をさすりながら「お前といると退屈せんな」と呟いた。
「だが、どうやって宿泊施設に使う家を手に入れる? 部屋数がそれなりにあって、水回りが便利でないと話にならんぞ」
「領主様に相談しに行こうと思いますわ」
「王子に追放された氷薔薇姫に協力してくれるのか? 王族に歯向かうことになる」
氷薔薇姫はモンタルチーノで謹慎中ということになっている。
身分を明かして協力を仰げば、その相手も王家への反逆者と見られるだろう。
しかし、ネーヴェには秘策があった。
「大丈夫ですわ。私、ここの領主様とは、知り合いですの」
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