会社員だった俺が試しに選挙に出てみたら当選して総理大臣になってしまった件

もっちもっち

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第1巻 1期目 特別会

開会式

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 国会に入る前からいろいろやってしまったが、朝からここまで忙しいのは今日くらいだろう。
 これから特別会の開会式が行われるのだが、初日に行うという決まりはないらしく2日目に行われることが多いようだが、今回は初日に行われた。
 開会式は参議院本会議場で行われるのが通例であるので、衆議院議員の俺も参議院本会議場に移動した。
 開会式が始まると会場の前の扉が開き、ぞろぞろと大勢の男性が出てきた。その後、天皇陛下が入場し衆議院議長が演壇より議場に向かって式辞を述べたあと、天皇陛下が御席から議場に向かっておことばを述べられた。

 この間、真ん中の席が空席なのは共産党の席で共産党が開会式に欠席するのは戦後間もないころからの慣例であるらしい。
 そして、天皇陛下が退席され開会式は終了となった。

 開会式の後、衆議院本会場に入った俺は、自分の席を確認した。

 国会の議席は既に協議会とやらで決められており、議長席から見て右側から議席数の多い政党から並ぶ決まりのようだ。今回の選挙の結果、民自党、民衆党、創明党、共産党の順に議席数が多かったので、その順番に並び、社由党のような少数政党と俺のような無所属の議員はその後という順番だった。

 また、政党内の席次は当選回数の少ない順に前から並ぶようだが、俺は少数政党との順番で真ん中ぐらいであった。

 自分の左後ろの方に先日、首相指名を依頼してきた沼田隆二と社由党の人たちが座っていた。社由党の衆議院議員の総数は3名だった。

 自分の席に座ると机の右前の方に氏名標という黒い長方形に白字で氏名を書いたものが置いてあり、もちろん、古味良一と書かれていた。これまで何度も自覚を喚起された国会議員の地位だが、自分の名前が整然とした文字で書かれていると直一層、自分がここの一員であるという感情を湧き立たせてくれた。

 自分の左隣りには朝一番乗りをしてマスコミに囲まれたいた女性議員が座っていて、彼女の名は小宮出江(こみやしずえ)といい消費者が奮い立つ会という少数政党の一員のようだ。

「今日、一番乗りの方ですね。私も一番乗りしたいなと考えたんですが、結局しませんでした。本当に一番乗りするなんてすごいですね」
何気なく今日一番乗りだったことを尋ねてみた。

「あれは周囲の人達の勘違いなんですよ。本当に時間を間違えただけでレポーターに囲まれてしまって大変でした。あなたは古味さんというのですね。これから隣の席ですが以後よろしくお願いします」
と氏名標で俺の名前を確認しながら笑顔で言葉が返ってきた。

 この女性は美人ではあるが目尻にシワが寄っていて多分40代ぐらいだろう。政党の名に恥じず主婦を代表して言うべきことは言ってくれそうなタイプだ。この政党の党首は参議院議員らしく衆議院議員は彼女ひとりだった。また、個人的にもなんとなく悪い人ではなさそうだ。

 与党席の民自党の方を見てみると、池山議員は自分からみて左奥の前の方だった。かなり緊張した面持ちで議長席の方に顔を向けて固まっていた。その他にテレビでよく見るような大物議員が後ろの方に座っていた。少し俺からのいわくがある渦川俊郎は後ろから3番目の席に座っていた。壮年のがっちりした顔つきで笑うわけでもなく議長席の方を眺めていた。

 ついに自分の国会議員としての仕事が始まるわけだ。

「ここからはテレビ中継だってされているわけだし、居眠りなんかして恥かかないようにしないとな」
そう自分に言い聞かせて気合を入れなおした。
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