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第3章 君の為の世界
起点となる、終わりの物語
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生きるのが辛いと、そう感じるようになったのはいつからだろうか?
『楽に生きる』が『楽になる』になったのは、いつからだろうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日、少年は目が覚めた後、朝食を食べ、喜々として学校という名の教養施設へと足を運んだ。
その少年は、幼少の頃から笑顔が絶えず、1人で遊んでいたり、いじめられている者がいれば手を差し伸べ、助け出した。
その少年は、周りから『優しい』と言う評価を受けていた。
しかし、少年は齢4歳の頃から理解していた…してしまった...
『優しい』、『頼れる』などの言葉は、自分の都合の良い者にしか送られることの無い評価なのだと...
勿論、その評価を贈った周りの者はそのつもりは無い、言うなれば本気の感謝であったが、齢4歳児にその事を分かれと言うのは酷な事で...
その少年は、それを理解しない上で、自分が利用されているという結論に至り、それを受け入れていた。
やがて年月は経ち、少年が小学5年になる始業式の日、運命の出会いというものを果たした。
しかしそれは、恋愛的なものではなく、その少年の運命を大きく挫折させる、後から考えても、絶望的な出会いであった。
これから始まるは、始まりの前の話、プロローグよりプロローグであり、全ての起点となる...
はじまりの、物語
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・」
目が覚めると、自分の部屋の天井が見えた。
「・・・」
ベットからでて、私立小学校の制服を着る。
「・・・」
毎日の日課の一つとして、鏡の前に立ち、笑顔を作る練習をする。
「・・・」
部屋から出て、目の前の階段を降りる。
「・・・おはようございます」
ここで初めて、僕は声を発する。
「あら、いつも起きるのが早いわねぇ、たまには起こさせてくれてもいいのよ?」
「いえ、甘えてばっかりは良くないですので...」
ここは僕の両親の姉の家だ。
両親は今、2人とも出張で出払っている。インドネシアだっけかな?そんな訳で、今はここでお邪魔になっている。
(本当に、僕は恵まれている)
そうして、最後の日課となる、太陽へ祈りを捧げる。
祈りはいつもいつも叶ってくれる。
その願いは、
(絶対に、嫌われませんように)
ある種の執着とも言える願いは、いつも叶ってくれる。
僕は物心が付いた頃から、嫌われないように頑張って来た。
(優しい僕を、何でもしてくれる僕を、便利な僕を、演じなくちゃ)
「そっかー、%*_#@%は教会と幼稚園が合体してるところに通っていたんだよねー」
僕の祈る様子を眺めていたこの家の娘さん(高校生)に声を掛けられ、そしてやはり名前が聞こえない事に顔を顰め、すぐに笑顔に戻して応答する。
「はい、太陽の光は命の光、信仰の対象に申し分ありません」
「・・・本当に%*_#@%は小学生なのかい?」
疑問の声を掛けられるが、こういう時は答えず、笑顔で肩をすくめるのが一番だ。
「はーい、ご飯出来たわよー」
おばさんの元気のいい声で食卓につき、朝食を食べると、ランドセルを背負い、家を出る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
優しい、いい人、これらの言葉を何百回、何千回聞いたか分からない、しかし、これらの賞賛の言葉を僕は嬉しいと思えない。
何故ならそれが、『自分にとって好都合』な者に贈られる言葉だと思ったから。いや、確信したから。
いつだったか、自分が利用されていると感じるようになったのは...
初めて人の仕事を手伝った時だったか、初めて感謝された時だっただろうか、それはもう、思い出せないくらい前のことだけど、もしかしたらそれは、『自分の存在意義』を利用される事だと気づいたが故に、自分自身に嘘を用いた結果なのかもしれない。
「いつも助かるわねぇ、%*_#@%君、有難いけど、無理はしないでね?」
「いいえ、先生、無理はしてませんよ」
担任の先生の手伝いをして、放課後まで残っていたが、別に大した理由はない、宿題が必要ないという考えの学校で、授業態度や、成績で優劣を決める学校であるため、こうして遅くまで学校に残るのも別に悪い事ではない。
「そう?ならいいのだけれど...」
手伝いを済ませ、帰宅する途中、クラスの男子と女子を見つけた、10人ほどで何をやっているのだろうかと気になったが、誘われなかったのだから別にいいかと割り切り、帰路につくと、不意に後ろから声をかけられた。
「おーい、%*_#@%!待ってくれよー!」
不快感を押し殺し、引き攣らないように笑顔を作り、振り返り、何事かを聞いてみると、
「いやー、無理ならいいんだが、うちで晩飯食わねぇか?ほら、明日は休みだろ?」
「何で僕なんだい?」
なるべく優しく、真意を確かめる意図がないように問いかけると、そいつは気恥ずかしそうに顔を背け、
「い、いやー、いつも俺らってお前に頼りっきりじゃん?だから、お礼がしたくって」
「───」
素直に言おう、予想外だと、ただ利用されているだけだと思っていたのに、感謝されていたなんて・・・
「ダメか?」
僕は少し迷うフリをする。
そうすることで、引っ張りあげた時の好感度が上がるのだ。
「うん・・・いいよ、おばさんに伝えてからね」
「おう!絶対来いよ!」
約束してから走り出すそいつ、名前は分からない、と言うか知らない。
その他の女子男子もちりじりに帰っていった。
(うん、大丈夫、壊れてない)
驚愕と呆れで壊れかけた仮面を付け直し、帰路を進む。
その呆れは・・・誰に向けてなのか・・・自分でも、分かっていなかった・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おばさんに夜ご飯を食べて来ると言って、そいつの家に行くと、帰りに見たクラスメイトが出迎えてくれた。
「よーし、今日は騒ぐぞー!近所迷惑にならないくらいに!」
僕を誘ってくれたそいつが仕切り、渾身のボケを決め、僕以外が笑っている中、僕は淡々と食事に手を付けた。
(ん?この料理・・・なんだ?)
ゼリーの様な質感に、肉のような見た目、その見た目からはしてはいけない様な自然な味の物がそこにはあった。
「ねぇ・・・」
これは何?と聞く前に、そいつが俺に言った。
「そう言えば!お前が食べてるやつぜーんぶここにいる女子が作ったんだぜ?」
それを聞いた瞬間、口からこぼれた言葉は・・・
「すっごくおいしーよ」
と言う、皮肉にも賞賛にもなる言葉だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パーティー?が終わり、先に帰ると伝えると、玄関を出たが、持っていったゲーム機を忘れたことに気づき、ドアを開けようとすると、今までの喧騒が嘘みたいに静かになっていることに気づいた。
(いや、食事会は終わったんだ、静かで当たり前だよね)
そう、自己完結したのはよかったが、その後が悪かった。
(ん?何か話しているのかな?)
微かに聞こえた話し声に耳を傾けると、全身が凍り付いた。
「だから、そんな事言うなって、いくら興奮してるからってそれは・・・」
「良いんだよ、『道具』は帰ったんだから」
「辞めなよ!どうしてそんな事言うの!?」
「うるせぇな、どぉせお前らも『便利』だとか『好都合』だとか思ってたんだろ?」
「それは・・・!」
「違うってのか?じゃあお前は何で今日ここにアイツを呼んだんだよ、何かやましい事があったから、罪滅ぼし的な意味で呼んだんだろ?」
「ッ!!」
誰も何も言えなかった。確かに便利だとも思っていたし、正直好都合だった。
だがそれでも、本当に感謝の気持ちがあったから今回の催しをしたのに、そう思わない者はその場に1人しか居合わせなかった。
だが、それを理解して、理解出来なかった者もいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それを見た瞬間、僕の体は回れ右をして、全力で走っていた。
(分かっていたのに・・・こうして上げて落とされると痛いもんなんだなぁ)
公園の水道で顔を濡らし、涙を誤魔化すが、それを熱くなる目頭が許さず、嗚咽混じりの絶叫が、午後10時の公園に谺響すのであった。
家に帰り、シャワーを浴び、復習を終え、おやすみを言うと、最後の日課の『月に祈る』ことを忘れずにした。
だが、今回の祈りは、しばらく叶わない、自らやらなければいけないことであった。
この世から、僕を・・・いや、
俺を・・・殺してくれ・・・
これは、全ての起点となるはじまりの物語、終わりの始まり、否、終わり終わり、そして、
始まりの始まり
####################################
お久しぶりでございます。
こうして閑話紛いの物を書き進めましたが、多少誤字脱字がある事も否めません、大変恐縮ですが、ご指摘いただければ幸いです。
ご質問がある前に、答えさせていただきますと、今回の閑話は小学4年生の頃のお話です。
5年生にある運命の出会いは、別の機会に書かせていただく所存です。
これからも、ご愛読頂けるよう、精進いたしますが、不敬失敬など、ご慈愛頂けたらと思います。
『楽に生きる』が『楽になる』になったのは、いつからだろうか?
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その日、少年は目が覚めた後、朝食を食べ、喜々として学校という名の教養施設へと足を運んだ。
その少年は、幼少の頃から笑顔が絶えず、1人で遊んでいたり、いじめられている者がいれば手を差し伸べ、助け出した。
その少年は、周りから『優しい』と言う評価を受けていた。
しかし、少年は齢4歳の頃から理解していた…してしまった...
『優しい』、『頼れる』などの言葉は、自分の都合の良い者にしか送られることの無い評価なのだと...
勿論、その評価を贈った周りの者はそのつもりは無い、言うなれば本気の感謝であったが、齢4歳児にその事を分かれと言うのは酷な事で...
その少年は、それを理解しない上で、自分が利用されているという結論に至り、それを受け入れていた。
やがて年月は経ち、少年が小学5年になる始業式の日、運命の出会いというものを果たした。
しかしそれは、恋愛的なものではなく、その少年の運命を大きく挫折させる、後から考えても、絶望的な出会いであった。
これから始まるは、始まりの前の話、プロローグよりプロローグであり、全ての起点となる...
はじまりの、物語
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「・・・」
目が覚めると、自分の部屋の天井が見えた。
「・・・」
ベットからでて、私立小学校の制服を着る。
「・・・」
毎日の日課の一つとして、鏡の前に立ち、笑顔を作る練習をする。
「・・・」
部屋から出て、目の前の階段を降りる。
「・・・おはようございます」
ここで初めて、僕は声を発する。
「あら、いつも起きるのが早いわねぇ、たまには起こさせてくれてもいいのよ?」
「いえ、甘えてばっかりは良くないですので...」
ここは僕の両親の姉の家だ。
両親は今、2人とも出張で出払っている。インドネシアだっけかな?そんな訳で、今はここでお邪魔になっている。
(本当に、僕は恵まれている)
そうして、最後の日課となる、太陽へ祈りを捧げる。
祈りはいつもいつも叶ってくれる。
その願いは、
(絶対に、嫌われませんように)
ある種の執着とも言える願いは、いつも叶ってくれる。
僕は物心が付いた頃から、嫌われないように頑張って来た。
(優しい僕を、何でもしてくれる僕を、便利な僕を、演じなくちゃ)
「そっかー、%*_#@%は教会と幼稚園が合体してるところに通っていたんだよねー」
僕の祈る様子を眺めていたこの家の娘さん(高校生)に声を掛けられ、そしてやはり名前が聞こえない事に顔を顰め、すぐに笑顔に戻して応答する。
「はい、太陽の光は命の光、信仰の対象に申し分ありません」
「・・・本当に%*_#@%は小学生なのかい?」
疑問の声を掛けられるが、こういう時は答えず、笑顔で肩をすくめるのが一番だ。
「はーい、ご飯出来たわよー」
おばさんの元気のいい声で食卓につき、朝食を食べると、ランドセルを背負い、家を出る。
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優しい、いい人、これらの言葉を何百回、何千回聞いたか分からない、しかし、これらの賞賛の言葉を僕は嬉しいと思えない。
何故ならそれが、『自分にとって好都合』な者に贈られる言葉だと思ったから。いや、確信したから。
いつだったか、自分が利用されていると感じるようになったのは...
初めて人の仕事を手伝った時だったか、初めて感謝された時だっただろうか、それはもう、思い出せないくらい前のことだけど、もしかしたらそれは、『自分の存在意義』を利用される事だと気づいたが故に、自分自身に嘘を用いた結果なのかもしれない。
「いつも助かるわねぇ、%*_#@%君、有難いけど、無理はしないでね?」
「いいえ、先生、無理はしてませんよ」
担任の先生の手伝いをして、放課後まで残っていたが、別に大した理由はない、宿題が必要ないという考えの学校で、授業態度や、成績で優劣を決める学校であるため、こうして遅くまで学校に残るのも別に悪い事ではない。
「そう?ならいいのだけれど...」
手伝いを済ませ、帰宅する途中、クラスの男子と女子を見つけた、10人ほどで何をやっているのだろうかと気になったが、誘われなかったのだから別にいいかと割り切り、帰路につくと、不意に後ろから声をかけられた。
「おーい、%*_#@%!待ってくれよー!」
不快感を押し殺し、引き攣らないように笑顔を作り、振り返り、何事かを聞いてみると、
「いやー、無理ならいいんだが、うちで晩飯食わねぇか?ほら、明日は休みだろ?」
「何で僕なんだい?」
なるべく優しく、真意を確かめる意図がないように問いかけると、そいつは気恥ずかしそうに顔を背け、
「い、いやー、いつも俺らってお前に頼りっきりじゃん?だから、お礼がしたくって」
「───」
素直に言おう、予想外だと、ただ利用されているだけだと思っていたのに、感謝されていたなんて・・・
「ダメか?」
僕は少し迷うフリをする。
そうすることで、引っ張りあげた時の好感度が上がるのだ。
「うん・・・いいよ、おばさんに伝えてからね」
「おう!絶対来いよ!」
約束してから走り出すそいつ、名前は分からない、と言うか知らない。
その他の女子男子もちりじりに帰っていった。
(うん、大丈夫、壊れてない)
驚愕と呆れで壊れかけた仮面を付け直し、帰路を進む。
その呆れは・・・誰に向けてなのか・・・自分でも、分かっていなかった・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おばさんに夜ご飯を食べて来ると言って、そいつの家に行くと、帰りに見たクラスメイトが出迎えてくれた。
「よーし、今日は騒ぐぞー!近所迷惑にならないくらいに!」
僕を誘ってくれたそいつが仕切り、渾身のボケを決め、僕以外が笑っている中、僕は淡々と食事に手を付けた。
(ん?この料理・・・なんだ?)
ゼリーの様な質感に、肉のような見た目、その見た目からはしてはいけない様な自然な味の物がそこにはあった。
「ねぇ・・・」
これは何?と聞く前に、そいつが俺に言った。
「そう言えば!お前が食べてるやつぜーんぶここにいる女子が作ったんだぜ?」
それを聞いた瞬間、口からこぼれた言葉は・・・
「すっごくおいしーよ」
と言う、皮肉にも賞賛にもなる言葉だった。
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パーティー?が終わり、先に帰ると伝えると、玄関を出たが、持っていったゲーム機を忘れたことに気づき、ドアを開けようとすると、今までの喧騒が嘘みたいに静かになっていることに気づいた。
(いや、食事会は終わったんだ、静かで当たり前だよね)
そう、自己完結したのはよかったが、その後が悪かった。
(ん?何か話しているのかな?)
微かに聞こえた話し声に耳を傾けると、全身が凍り付いた。
「だから、そんな事言うなって、いくら興奮してるからってそれは・・・」
「良いんだよ、『道具』は帰ったんだから」
「辞めなよ!どうしてそんな事言うの!?」
「うるせぇな、どぉせお前らも『便利』だとか『好都合』だとか思ってたんだろ?」
「それは・・・!」
「違うってのか?じゃあお前は何で今日ここにアイツを呼んだんだよ、何かやましい事があったから、罪滅ぼし的な意味で呼んだんだろ?」
「ッ!!」
誰も何も言えなかった。確かに便利だとも思っていたし、正直好都合だった。
だがそれでも、本当に感謝の気持ちがあったから今回の催しをしたのに、そう思わない者はその場に1人しか居合わせなかった。
だが、それを理解して、理解出来なかった者もいた。
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それを見た瞬間、僕の体は回れ右をして、全力で走っていた。
(分かっていたのに・・・こうして上げて落とされると痛いもんなんだなぁ)
公園の水道で顔を濡らし、涙を誤魔化すが、それを熱くなる目頭が許さず、嗚咽混じりの絶叫が、午後10時の公園に谺響すのであった。
家に帰り、シャワーを浴び、復習を終え、おやすみを言うと、最後の日課の『月に祈る』ことを忘れずにした。
だが、今回の祈りは、しばらく叶わない、自らやらなければいけないことであった。
この世から、僕を・・・いや、
俺を・・・殺してくれ・・・
これは、全ての起点となるはじまりの物語、終わりの始まり、否、終わり終わり、そして、
始まりの始まり
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お久しぶりでございます。
こうして閑話紛いの物を書き進めましたが、多少誤字脱字がある事も否めません、大変恐縮ですが、ご指摘いただければ幸いです。
ご質問がある前に、答えさせていただきますと、今回の閑話は小学4年生の頃のお話です。
5年生にある運命の出会いは、別の機会に書かせていただく所存です。
これからも、ご愛読頂けるよう、精進いたしますが、不敬失敬など、ご慈愛頂けたらと思います。
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