中途半端なソウルスティール受けたけど質問ある?

ミクリヤミナミ

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生方蒼甫の譚

再挑戦

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 床の棘はサトシが念じれば消すことが出来た。
 一安心だ。

 というか、サトシが念じない限り消せなかった。ある意味とんでもないトラップになりえるんじゃなかろうか。まあ、知らんけど。

 さて、一分一秒でも早くレベル上げをしたいサトシが、俺たちに回復をかけまくる。
 いや、確かに疲労は取れたけどさ。精神的な疲労がね。休もうよ。少し落ち着いて。

「で、準備はできましたか?」
 エサを前にした犬か!お前は。なんだかぶんぶん振り回されているしっぽが見える気がする。

 流石にサトシの希望とあっては、アイも断り切れないようだ。渋々と言った表情で準備を始める。
 仕方ない、俺も付き合うか。まあ、確かに、サトシの超合金イモータライトがどこまで通用するか見たい気もするがな。

「ああ、サトシ」
「なんです?」
「さっきの超合金なんだが、」
「超合金って、イモータライトですよ。」
「どうでもいいわ!で、それだけどさ。足止めにも使えそうか?」
「足止めですか。」
「ああ、手前に壁を作ったり、相手の体を超合金で固めたり……みたいな。」
「できると思いますけど、スピード勝負ですね。熟練度が低いせいか、まだ作るのに時間が掛かるんですよね。」
「それも練習次第ってことか……」
「ですよ。ですから早くいきましょうよ。」
「わかった。わかったから落ち着け!」

 そんなやり取りを煩わしそうに眺めながら、準備のできたアイが近寄って来る。
「ホントに行くの?」
「ああ、練習しないとさ!」
 サトシはノリノリである。なんだよ。このテンション。見てるだけで疲れるんですけど。

「ああそうだ!骸骨騎士たちも復活してくれると、レベル上げ捗りそうですね!」
 何言ってんの?この人。
 バカじゃない?
「お前……」
 ん?これはチャンスなのでは?
「もしかしたら、一晩寝ると復活してるかもしれんぞ。なあ、少し休んでから行かんか?」
「!?そうね。それが良いんじゃない?」
 珍しくアイが俺の意見に乗ってきた。
 
「休む。ですか。いや、一度確認しに行きましょう。で、一晩戦って復活するか確認しましょう。」

 なに、さらっと「一晩戦って」ってパワーワードぶっこんで来てんだよ。バカか!バカなのか!いや、バカなんだろうな。ああ、データ壊れてたか。
 あ、アイもあきらめた目をしてる。
「アイ!あきらめるな。説得するんだ!」
「無理でしょ?これ。」
 ああ、AIに冷静に判断されちゃったよ。
 仕方ない。付き合うか。

「さ!行きましょう!」
 元気なのはサトシだけだったが、意気揚々と転移の魔法陣を地面に広げる。俺とアイはうなだれながら目的地へと飛ぶ。


 と、

 坑道入り口だ。いきなりかよ。せめて町の外れくらいにしてくれよ。

 すると、坑道の中に虚ろに光る眼が複数見えた。

「やっちまった……」
 つい心の声が……。

「よっしゃぁ!!復活してる!!」

「もう、このバカ黙らせてくれよ、アイ。」
「無理でしょ。もうテンションマックスだもの。止められないよ。」
 アイのボヤキをよそに、サトシは肩をぐるぐる回しながら準備運動中だ。

 ああ、助けて。眠らせて……
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