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終章

覚醒

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 カールの体は虹色に光りを放っていた。
 皮膚の至る所がひび割れていて、そこから眩い光が漏れ出ている。
 周囲にあふれ出た魔力は台風のように周囲の瓦礫を吹き飛ばしていた。

「あっはははははっ!やりおった!これやろ!?あんたが望んでたんはこれなんやろ!?あ~っはっはっはぁ」

 高らかに笑うカルロスの声だけがあたりに鳴り響く。
 サトシとルークスはその不快な声に眉を寄せながら固唾をのんで状況を見守っている。

「おい!カールはどうなったんだよ!?どうなっちまったんンだ!?」
 オットーはルークスの肩を揺すりながら喚いている。エリザはその場にへたり込んでカールの変わり果てた姿をただ見つめる事しかできなかった。

 会議室の画面にはカルロスの姿をじっと見つめるカールが映っていた。

 カールはゆっくりと視線をカルロスに向ける。

「なんや!?やんのか!無駄無駄ぁ。俺に攻撃したところで全部無効化され……」
 カルロスは不意に言葉を区切ると、ぴたりと動きを止める。

「おい。どういうこっちゃ。もう一遍言(ゆ)うてみぃ。今更何寝ぼけたこと言(ゆ)うてんねん!?」
 カルロスの目が泳ぎ、激しく動揺していることが窺えた。

 カールはそんな様子に構うことなく、ゆったりとした動作で掌をカルロスの方へ向ける。
 指先から一条の光が放たれると、その軌跡がカールの手の動きに合わせて虹色に輝く光の扇型となって行く。

「!?」
 殺気を伴わないその動きはフリードリヒの行動を鈍らせた。扇型の光がフリードリヒの体をかすめカルロスの方へと進む。

 フリードリヒの両足をかすめた光の筋は、囮のオットー・ヨハンと共にカルロスを横断していた。

 一瞬の静寂の後、激しい閃光と爆風が会議室の画面からも伝わる。

「何が起こった!?」
 うろたえるオットーに、ルークス、サトシは視線を向ける。
「おい!?なんだよ。お前達なにか知ってるんだろ?どうなってるんだ!?」
 
 オットーの悲痛な叫びにサトシが静かに答える。

「あれは……もうカールさんじゃ……ありません」

 会議室の画面に表示されていたカールのステータスが、ノイズと共に書き換わる。

『カール 職業:特殊個体 LV:FFFFFFFFFFFFFFFF HP:FFFFFFFFFFFFFFFF/FFFFFFFFFFFFFFFF MP:FFFFFFFFFFFFFFFF/FFFFFFFFFFFFFFFF MPPS:FFFFFFFFFFFFFFFF STR:FFFFFFFF ATK:FFFFFFFF VIT:FFFFFFFF INT:FFFFFFFF DEF:FFFFFFFF RES:FFFFFFFF AGI:FFFFFFFF LUK:FFFFFFFF
 スキル:創世「極」 結晶操作「極」 観念動力「極」 剣:Lv FFFF 棍棒:Lv FFFF 槍:Lv FFFF 斧:Lv FFFF 体術:Lv FFFF 魔術 火:Lv FFFF 闇:Lv FFFF』
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