「学園美女四天王は必ず俺が堕とす!!!」

きりきりまい

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1話

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「ごめんなさい」

「あんまりそういうことは考えられなくて」

「キモッ、どっかいって」

「申し訳ないのですが」


入学して3か月、春の桜が潮風を感じ始める前に俺は誰も見ない足元の桜の花びらのように散った。あぁ落ちてる桜ってきれいだなぁ。




「ちくしょう!!!」

教室の右後ろ廊下側にもっとも近い席で俺は悲痛な叫びを頭を抱えながら叫ぶ。

―――――――――――――――――――――――
入学して3か月経ったこの日、楳本出灰《むめもと いずる》はある覚悟をもって登校した。
俺は高校入学前から入念にこの学園をリサーチした。
都内有数の進学校である「青藍坂《せいらんざか》学園」は一昔前までは女学園であったためか、共学化が進んでからも男子生徒の割合は少ない。
学園の立地上の関係からなのか、上流階級の生徒が多く在籍するがそのほとんどは女生徒だ。
勉学に秀でたもの、両親がスポーツ選手や芸能関係、有名企業の孫も、この学園では珍しくない。
それ故なのか、学園での立場や卒業後の進路に「派閥」なるものが大きく関係する。

現在、青藍坂学園に4大派閥が存在する。
そしてその4大派閥の頂点に立つ者こそ「学園四天王」なのである!
容姿端麗、文武両道、おまけに実家は大企業のお偉いさんもいるときた。この四天王の一角でも落とすことができれば今後の将来は約束されたも同然だ。
四天王とその派閥に関しては俺はこの3か月で調べてきた。


〇4大派閥四天王

・琴原 麗香 (ことはら れいか)


琴原派閥 1年生が多く所属している新進気鋭の新派閥
1年2組 入学して3か月ですでに派閥を形成。青藍坂学園理事長の孫娘で本人はとても優しくおしとやかな性格。
誰とでも分け隔てなく姿は神性さえも感じる。理事長の孫ということもあって1年生の中心的存在。
自ら派閥を作ったというよりも周りからの推薦が多すぎて断れなくて仕方なくという印象。友達がぁ~勝手に応募しちゃって~パターンだな。アイドルかよ。


・子御簾 美依南 (こみす みいな)

子御簾派閥 スポーツ系部活動所属が多くを占める体育会系派閥
2年1組 スポーツの世界に産み落とされた超人 彼女は決まった部活動には所属していないにも関わらず、ありとあらゆるスポーツジャンルで助っ人として出場しそのすべてを優勝で納めている。
学園でのすべてのスポーツ系部活動の出場権が認められており、派閥内人員もスポーツ系部活動所属のものが大部分である。まさに超人たぶんウルトラマンかなんか。


・水瀬田 姫子 (みなせだ ひめこ)

水瀬田派閥 モデル、アイドル、歌手に女優など学園内外で活躍する生徒が多く在籍する芸能系派閥
2年3組 トップ女優の一人娘で2歳から子役デビュー母親の経営する大手芸能事務所に所属し現在はモデルとして活躍
見た印象はとんでもなく顔の整ってるギャル。いつカツアゲされのか俺は怖い。
いいか。オタクに優しいギャルなどいないそもそも相性が悪い。



・前条原 凛 (ぜんじょうばら りん)

前条原派閥 生徒会役員を主軸として主に成績上位者が連なる生徒会派閥
3年1組 生徒会会長 成績は常にトップで彼女が以外が一番上になるのを入学から見たものはいないといわれるほど。
この派閥間ひしめく学園を統治し学園内での権力は一教師よりもあるという。
生徒会室の重く大きな扉の先には軍隊顔負けの敬礼をした生徒会役員が並び、奥の椅子には総司令官を思わせる生徒会長が鎮座している。
この人たち銃とか持ってないよね?
ぜんたーい!まわれみぎ!こわいのでてったい!


青藍坂学園の女子生徒は派閥が学園の地位に直結するといっても過言ではない。
では、男子生徒の地位はどうなるのか。
もともと男子生徒数が少ないこともあり、派閥に所属しない男子生徒の学園での地位はその辺の石ころと変わらない。
美女四天王とお近づきになりたいと思うものの、もしもその逆鱗に触れようものなら学園内の立場はなくなり、そこらか将来も危ぶまれる真っ暗な学園生活を送ることになる。
肩身狭くひっそりと、生きていくしかないのだ。


だがしかし、そんな覚悟でこの高校に入学したわけではない!


「美女四天王の男」になればその派閥を丸々入手したことと同義。
ハイリスクハイリターン。
美女とお付き合いでき、学園の地位も安泰、お付き合いから結婚なんて話になれば婿養子で将来も安泰ときた!
これはリターンのほうが大きいとみた!俺は必ず四天王を落としてみせる。
見てろ!教室の隅で女子の機嫌を伺いながら談笑する男子諸君!俺は抜けるぜその螺旋から!

――――必ず、告白を成功してやる――――



「ごめんなさい」

「あんまりそういうことは考えられなくて」

「キモッ、どっかいって」

「申し訳ないのですが」




楳本出灰《むめもといずる》は四天王を倒す勇者ではなく愚者であったと。
教室に戻って悔しげに叫ぶ楳本を見て、教室の男子生徒達はそう思った。
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