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あの日から、僕の退屈な毎日が、変わった。君が現れたから。君は、キラキラ青く光る幻のように、僕の心に、住み着いた。
君に出会えたから、僕は、救われたんだ。
君と出会ったのは、初雪が降った日の、仕事から帰るいつもの疲れた帰り道の途中だった。僕の住んでいるアパートは、少し小高い、木々に囲まれた、薄暗い部屋で、窓から見る木々が、白いことを予想していた。足元に、コツン、と、何か当たった感触があって、下を見た。青いビー玉が転がっていた。
「あ、ごめんなさい。」
と、澄んだ、女の人の声がした。僕は、びっくりして、でも、落ち着きを、何とか取り戻して、
「これ、君の?」
と、ビー玉を拾って、声のした方を見た。
青い瞳の、細身で、色白な、綺麗な女性と目が合った。
女性は、僕が渡したビー玉を受け取ると、
「私、貴方に会いに来たの。ずっと、遠い所から。」
と、言った。僕は、訳がわからず、言葉が出なかった。
女性は、
「びっくりさせてごめんなさい。でも、貴方、ずっと独りだったでしょう。毎日、孤独と戦っていたでしょう。私は、貴方を救いに来たの。」
と、言った。
僕は、半ば信じられず、夢でもみているのかと、この現実を、受け入れられなかった。ただ、女性の言っていることが、あまりに、真実をついていたことにも驚いて、過去、孤独過ぎて、心が、麻痺している自分を、思い知らされた。
やっと、この孤独を忘れさせてくれる人に出会えた、そのことが、どれ程嬉しいか、一筋の涙が、全てを、語っていた。僕は、涙を、ぐいっと、拭いた。
女性は、ただ、黙って、僕の哀しみを見透かすように、見つめていた。
女性は、
「これから、ずっと、私が側にいるから大丈夫。一緒に暮らしましょう。」
と、言った。
僕は、女性が、人間ではないのを、本能で、気づいていた。だから、こんなに、不思議なことが、次々起きるのだと。それでも、僕は、いいと思った。僕は、孤独から、救われたのだから。
女性を、僕の部屋に案内した。女性は、
「私のことが、何者か、気になる?」
と、聞いたから、
「そうだね。まず、遠い所から来たって言ったけど、どこからきたの?」
と、聞き返した。
「私のいた所は、ずっと北の、森の中の、一年中雪があるところ。他には?」
「何で僕を知ってるの?」
「私の住んでいた所は、その森の中心に、大きな青い水晶があって、それを見ると、自分がいつか、救う人が映る。その人の悩みも見える。見えるのは、自分が救う人だけ。他の救う人は、見えない。だから、貴方のことが、わかった。出会った時使った、青いビー玉も、本当は、ビー玉じゃなくて、私の為の水晶。貴方を見つけるために、使った。」
「君、人じゃないでしょう?」
女性は、頷いた。
「私は、雪の妖精。」
「じゃあ、冬が過ぎて、春になったら、いなくなっちゃうの?」
「大丈夫。夏も平気。」
「良かった。」
「この部屋、いいところね。窓から見える木、みんな真っ白。それに、薄暗い。私の住んでた部屋も、そうだったから、落ち着く。」
「良かった。僕も、この部屋、気に入っているんだ。」
何故、君達は、人間を、救う宿命なのか。一番聞きたい質問を、僕は、聞きそびれた。女性も、どこか、悲しそうな表情を不意にする。気付かれまいと、必死に隠すのが、切なかった。まだ、僕の知らない何かがあると、予感した。
夕食の支度を2人ですりのも、楽しかった。何をするのも、楽しかった。お風呂は、入らなくていいのかと、思っていたら、ちゃんと毎日入るらしい。頭も洗わないと、気持ち悪いらしい。妖精って想像してたのと、違うと思った。だけど、洗いたての、妖精の髪の香りが、あまりに、いい香りで、香水のようで、うっとりした。
夜、いつもは、楽しみもなく、一人過ごしていた。今、彼女がいて、僕は、氷のような、心が、溶けていくのを、感じていた。
妖精は、すやすや眠っていた。僕は、妖精に、本当に、感謝した。明日、仕事を、いつもより、頑張れそうだと、思った。
朝がきて、目が覚めたら、妖精は、まだ、眠っていた。僕は、妖精の、可愛い寝顔を見て、幸せな気持ちになった。
朝御飯を、二人分作っていたら、妖精が起きてきた。
「ごめんなさい。私、朝に弱くて。わー、美味しそう。」
「簡単だけど、一緒に食べよう。」
「ありがとう。」
窓からの外の景色は、あいかわらず、白い木々で、二人は、落ち着いて、たべていた。
「僕は、これから、仕事に行くけど、君は、どうしてる?」
「うん、ここにいる。」
「そう。」
それぞれ、身支度を、整えてから、
「じゃあ、行ってきます。戸締まり、気をつけて。」
「うん。行ってらっしゃい。」
ドアを、パタン、と、閉めて、いつもと違う、いつもの、会社までの道を歩いた。
私は、青い水晶を、鞄から出して、スッと手をかざした。遠い故郷が、映った。懐かしい雪景色が映った。
「無事、私の救うべく人を、みつけました。今のところ、問題ありません。このまま、サポートを、続けます。」
水晶が、青くスッと光って、光が、消えた。妖精は、ふぅ、と、ため息をついた。窓辺まで歩いて、遠い眼差しで、雪景色を眺めた。
「逢いたいよ。」
ポツリと呟いた名前が、静かな部屋に響いた。
仕事は順調、気持ちの方も、安定してきた。
僕の仕事は、色々な画家が描いた絵画を管理して、その中から必要だとオーダーがあった絵を、その場所まで運ぶ、そういう仕事だった。
僕は、この仕事が、自分に向いていると思う。この仕事のおかげで、いろんな感情やいろんな色彩の絵と関わって、それが、自分を保てる、支えになっていると思う。孤独故の、弱さは、あったとしても。
今は、妖精がいて、僕の心を満たしてくれる。僕の人生最大の幸せな日々だった。
長くは続かないだろうことも予感していた。冬が過ぎ、春が来て、二人で、桜の名所を散策した。
夏にぬり、螢が光る、夜の川辺を歩いた。
妖精との暮らしは、相変わらず、弱い僕を、妖精が、支えてくれていた。
でも、その日の晩は、違った。
妖精が、ずっと、楽しみにしていた、一緒に行くはずだったお祭りに、当日になって、
「私は行かない」
と、言って、言うことをきかなかった。
「どうして?」
と、聞いても、理由を教えてくれなかった。
ただ
「今夜、貴方の、人生にとって、どうしても、向き合わなきゃならないことが起きるから、必ず貴方一人で行って。」
僕は、訳がわからなかったけど、妖精の言う通り、一人、祭りに出掛けた。
いつも、妖精と一緒だったから、一人で、賑やかな場所に出向くことが、少し、不安だった。
取り敢えず、ブラブラ歩いていたら、一人の、紫色の瞳の、妖精とよく似た、美しい女性と目があった。その人も、僕を見ていたから、話しかけてみた。
思い返してみれば、今まで、一度も、僕から女性に話しかけるなんて、したことなかった。
女性は、嫌がるかと予想したら、以外にも、笑顔で応えてくれた。それどころか、今まで、人とうまく話せなかった自分が、この女性とは、スムーズに話ができた。
いつの間にか、僕は、過去の、孤独だった自分を、忘れていた。
その女性と、楽しく祭りを過ごして、連絡先も教えあった。
帰り道、嬉しくて、早く、妖精に、いろいろなことを聞いて欲しかった。
でも、もう、妖精の姿は、部屋にはなかった。
何で、どうして。
焦って部屋中を、探し回ったけど、妖精のいた痕跡は消されたように全く無くなっていた。
僕は、大粒の涙を流して、妖精と暮らした日々を、ただ、頭の中で、繰り返し、思い返していた。
あれから、何年経っただろう。
僕は、あの、祭りで知り合った女性と結婚した。
今、僕は、幸せな毎日を送っている。
あれから、妖精のことを、忘れたことは、一度もない。
感謝の気持ちしかない。
妖精が、故郷に帰ったことは、明らかだった。
何故、君達は、人を救う宿命なのか、妖精に聞くことは、容易かったはずなのに、聞けないまま、いなくなったことが、不思議なことだった。
もしかしたら、それは、妖精達にとって、明かせない秘密なのかもしれない。
そんな、妖精達が、今も、何処かで、誰かを支え、救っている。
それは、少し切ない、でも、凄く優しい、かけがえのない出来事だと、僕は思う。
妖精の幸せを、心から、祈る。
妖精の願いはわかる。
僕が、幸せで、いること。
僕の幸せを、いつも、願っていた、妖精に報いる為に、僕は、精一杯生きる。
今、一番大事な人と、ともに。
ありがとう。
さようなら。
思い出すと、たまに、涙も出るけど。
妖精は、僕の心に、生き続ける。
青く、キラキラと。
君に出会えたから、僕は、救われたんだ。
君と出会ったのは、初雪が降った日の、仕事から帰るいつもの疲れた帰り道の途中だった。僕の住んでいるアパートは、少し小高い、木々に囲まれた、薄暗い部屋で、窓から見る木々が、白いことを予想していた。足元に、コツン、と、何か当たった感触があって、下を見た。青いビー玉が転がっていた。
「あ、ごめんなさい。」
と、澄んだ、女の人の声がした。僕は、びっくりして、でも、落ち着きを、何とか取り戻して、
「これ、君の?」
と、ビー玉を拾って、声のした方を見た。
青い瞳の、細身で、色白な、綺麗な女性と目が合った。
女性は、僕が渡したビー玉を受け取ると、
「私、貴方に会いに来たの。ずっと、遠い所から。」
と、言った。僕は、訳がわからず、言葉が出なかった。
女性は、
「びっくりさせてごめんなさい。でも、貴方、ずっと独りだったでしょう。毎日、孤独と戦っていたでしょう。私は、貴方を救いに来たの。」
と、言った。
僕は、半ば信じられず、夢でもみているのかと、この現実を、受け入れられなかった。ただ、女性の言っていることが、あまりに、真実をついていたことにも驚いて、過去、孤独過ぎて、心が、麻痺している自分を、思い知らされた。
やっと、この孤独を忘れさせてくれる人に出会えた、そのことが、どれ程嬉しいか、一筋の涙が、全てを、語っていた。僕は、涙を、ぐいっと、拭いた。
女性は、ただ、黙って、僕の哀しみを見透かすように、見つめていた。
女性は、
「これから、ずっと、私が側にいるから大丈夫。一緒に暮らしましょう。」
と、言った。
僕は、女性が、人間ではないのを、本能で、気づいていた。だから、こんなに、不思議なことが、次々起きるのだと。それでも、僕は、いいと思った。僕は、孤独から、救われたのだから。
女性を、僕の部屋に案内した。女性は、
「私のことが、何者か、気になる?」
と、聞いたから、
「そうだね。まず、遠い所から来たって言ったけど、どこからきたの?」
と、聞き返した。
「私のいた所は、ずっと北の、森の中の、一年中雪があるところ。他には?」
「何で僕を知ってるの?」
「私の住んでいた所は、その森の中心に、大きな青い水晶があって、それを見ると、自分がいつか、救う人が映る。その人の悩みも見える。見えるのは、自分が救う人だけ。他の救う人は、見えない。だから、貴方のことが、わかった。出会った時使った、青いビー玉も、本当は、ビー玉じゃなくて、私の為の水晶。貴方を見つけるために、使った。」
「君、人じゃないでしょう?」
女性は、頷いた。
「私は、雪の妖精。」
「じゃあ、冬が過ぎて、春になったら、いなくなっちゃうの?」
「大丈夫。夏も平気。」
「良かった。」
「この部屋、いいところね。窓から見える木、みんな真っ白。それに、薄暗い。私の住んでた部屋も、そうだったから、落ち着く。」
「良かった。僕も、この部屋、気に入っているんだ。」
何故、君達は、人間を、救う宿命なのか。一番聞きたい質問を、僕は、聞きそびれた。女性も、どこか、悲しそうな表情を不意にする。気付かれまいと、必死に隠すのが、切なかった。まだ、僕の知らない何かがあると、予感した。
夕食の支度を2人ですりのも、楽しかった。何をするのも、楽しかった。お風呂は、入らなくていいのかと、思っていたら、ちゃんと毎日入るらしい。頭も洗わないと、気持ち悪いらしい。妖精って想像してたのと、違うと思った。だけど、洗いたての、妖精の髪の香りが、あまりに、いい香りで、香水のようで、うっとりした。
夜、いつもは、楽しみもなく、一人過ごしていた。今、彼女がいて、僕は、氷のような、心が、溶けていくのを、感じていた。
妖精は、すやすや眠っていた。僕は、妖精に、本当に、感謝した。明日、仕事を、いつもより、頑張れそうだと、思った。
朝がきて、目が覚めたら、妖精は、まだ、眠っていた。僕は、妖精の、可愛い寝顔を見て、幸せな気持ちになった。
朝御飯を、二人分作っていたら、妖精が起きてきた。
「ごめんなさい。私、朝に弱くて。わー、美味しそう。」
「簡単だけど、一緒に食べよう。」
「ありがとう。」
窓からの外の景色は、あいかわらず、白い木々で、二人は、落ち着いて、たべていた。
「僕は、これから、仕事に行くけど、君は、どうしてる?」
「うん、ここにいる。」
「そう。」
それぞれ、身支度を、整えてから、
「じゃあ、行ってきます。戸締まり、気をつけて。」
「うん。行ってらっしゃい。」
ドアを、パタン、と、閉めて、いつもと違う、いつもの、会社までの道を歩いた。
私は、青い水晶を、鞄から出して、スッと手をかざした。遠い故郷が、映った。懐かしい雪景色が映った。
「無事、私の救うべく人を、みつけました。今のところ、問題ありません。このまま、サポートを、続けます。」
水晶が、青くスッと光って、光が、消えた。妖精は、ふぅ、と、ため息をついた。窓辺まで歩いて、遠い眼差しで、雪景色を眺めた。
「逢いたいよ。」
ポツリと呟いた名前が、静かな部屋に響いた。
仕事は順調、気持ちの方も、安定してきた。
僕の仕事は、色々な画家が描いた絵画を管理して、その中から必要だとオーダーがあった絵を、その場所まで運ぶ、そういう仕事だった。
僕は、この仕事が、自分に向いていると思う。この仕事のおかげで、いろんな感情やいろんな色彩の絵と関わって、それが、自分を保てる、支えになっていると思う。孤独故の、弱さは、あったとしても。
今は、妖精がいて、僕の心を満たしてくれる。僕の人生最大の幸せな日々だった。
長くは続かないだろうことも予感していた。冬が過ぎ、春が来て、二人で、桜の名所を散策した。
夏にぬり、螢が光る、夜の川辺を歩いた。
妖精との暮らしは、相変わらず、弱い僕を、妖精が、支えてくれていた。
でも、その日の晩は、違った。
妖精が、ずっと、楽しみにしていた、一緒に行くはずだったお祭りに、当日になって、
「私は行かない」
と、言って、言うことをきかなかった。
「どうして?」
と、聞いても、理由を教えてくれなかった。
ただ
「今夜、貴方の、人生にとって、どうしても、向き合わなきゃならないことが起きるから、必ず貴方一人で行って。」
僕は、訳がわからなかったけど、妖精の言う通り、一人、祭りに出掛けた。
いつも、妖精と一緒だったから、一人で、賑やかな場所に出向くことが、少し、不安だった。
取り敢えず、ブラブラ歩いていたら、一人の、紫色の瞳の、妖精とよく似た、美しい女性と目があった。その人も、僕を見ていたから、話しかけてみた。
思い返してみれば、今まで、一度も、僕から女性に話しかけるなんて、したことなかった。
女性は、嫌がるかと予想したら、以外にも、笑顔で応えてくれた。それどころか、今まで、人とうまく話せなかった自分が、この女性とは、スムーズに話ができた。
いつの間にか、僕は、過去の、孤独だった自分を、忘れていた。
その女性と、楽しく祭りを過ごして、連絡先も教えあった。
帰り道、嬉しくて、早く、妖精に、いろいろなことを聞いて欲しかった。
でも、もう、妖精の姿は、部屋にはなかった。
何で、どうして。
焦って部屋中を、探し回ったけど、妖精のいた痕跡は消されたように全く無くなっていた。
僕は、大粒の涙を流して、妖精と暮らした日々を、ただ、頭の中で、繰り返し、思い返していた。
あれから、何年経っただろう。
僕は、あの、祭りで知り合った女性と結婚した。
今、僕は、幸せな毎日を送っている。
あれから、妖精のことを、忘れたことは、一度もない。
感謝の気持ちしかない。
妖精が、故郷に帰ったことは、明らかだった。
何故、君達は、人を救う宿命なのか、妖精に聞くことは、容易かったはずなのに、聞けないまま、いなくなったことが、不思議なことだった。
もしかしたら、それは、妖精達にとって、明かせない秘密なのかもしれない。
そんな、妖精達が、今も、何処かで、誰かを支え、救っている。
それは、少し切ない、でも、凄く優しい、かけがえのない出来事だと、僕は思う。
妖精の幸せを、心から、祈る。
妖精の願いはわかる。
僕が、幸せで、いること。
僕の幸せを、いつも、願っていた、妖精に報いる為に、僕は、精一杯生きる。
今、一番大事な人と、ともに。
ありがとう。
さようなら。
思い出すと、たまに、涙も出るけど。
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青く、キラキラと。
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