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第1話 〜それぞれの思惑〜
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こちらの台本をお使いいただく際には、最下部に記載されている注意事項をお読みいただいた上でご利用いただきますようにお願いします。
所要時間 20分
登場人物
・怪盗777(スリーセブン)
・盗賊トルッカー
・マフィアのボス バブルス・ヴァーロップ
・ボスの右腕 キース・シュナイダー
・ミラーズシティ市長、その他モブキャラ
777(ナレ)市長に化けて、新聞の一面を完璧に盗み出した私は、アジトで一人祝杯をあげていた。
777「ふふっ・・・ やはり怪盗777は、盗むことに関しては天才的と言わざるを得ない・・・!!」
777(ナレ)盗みを成功させた時の快感は、他のどんなことよりも心地よく、私の心の安らぎに変化する・・・。
777「どんな小さな盗みでも、私の存在がこの世に知られているということ・・・ こんなに充実した時間は他にはないだろう!!」
777(ナレ)しかし、私の心の安らぎの気持ちは、いつもすぐに別の心情へと変化を遂げるのだ・・・
777「私の盗みは・・・本当に人を笑顔にできているのか・・・私は何のために、10年も盗み続けてこれたんだ・・・」
777(ナレ)約15年前・・・ 正確に言うと、14年と11ヶ月前、私の父は謎の失踪を遂げた。 15才になる年の寒い冬の日・・・ 私の父、怪盗77(ダブルセブン)は当時、全世界から注目を浴びるほどの大怪盗だった・・・ 行方をくらまして1週間もすると、マスコミは怪盗77の行方がどうなったのかを報道し始め、約3年間は度々ワイドショーに取り上げられるようになっていた。
各ゆえ私も、その動向をテレビで追い続けていたが・・・
明確な答えは見えぬまま、10年が経っていた。
777「父さん・・・」
777(ナレ)きっと私は、華々しく盗みを働く父に対して、ある種ファンのような眼差しで見ていた。
父の豪華絢爛な盗みは、まさにエンターテインメントであった・・・ 私は父に、魅了されていたのだ・・・
777「何か私の盗みは、エンターテインメントではないような気がする・・・・」
777(ナレ)私が怪盗777を名乗り始めたのは、父が失踪してから5年ほど経ったときだった。 父のことを見様見真似で演じた結果、マスコミからは「怪盗77が復活した!!」と報じられたのが事の始まりだ・・・
そして私は、怪盗77を名乗らず新たに怪盗777を名乗り、世界のありとあらゆる地へ向かい、盗み続けた・・・
777「ある種、私は怪盗77がいなくなって寂しくなってしまったのかもしれない・・・ 私の楽しみは、あれしかなかった・・・」
777(ナレ)怪盗77を世界に忘れさせないために、新たな怪盗として私は生まれた・・・ 怪盗77が世界の中心だったような、あの頃のように・・・
777「私は、父のことを世界から忘れさせたりはしない!! あの頃の、輝かしかった77を忘れさせないために!! そのためには、盗み続けるしかないんだ・・・」
777(ナレ)使命感とも、責任感とも似た何か・・・ ちゃらんぽらんなように見える777でも、少なからずプレッシャーを感じている・・・ そんなとき、つけっぱなしにしていたテレビから、昨日の私の仕事についてのニュースが流れてきた・・・
777「おぉ・・・!! 私のニュースじゃないか!! さて、何と報道するか・・・」
アナウンサ「次のニュースは、昨日市内を騒がせたあの事件です。 昨日19時頃、怪盗777が突如として現れ、市内を大パニックに陥れました。 あろうことかこの怪盗は、支持率99%を誇る、あのマルボナ・ペルフェクト市長に化けて現れたのです。」
777「はっはっはっはっ!! あれで街中てんやわんやだったからねぇ!! 一面大見出し記事となったよねぇ!!」
アナウンサ「この件に関して、ペルフェクト市長が記者会見を行いましたので、そちらの映像をご覧ください。」
777「さて市長さん、あなたはこの件に関してどう答えるんでしょうね・・・ ふっふっふっふっ」
市長「えっへん・・・ えぇ、ミラーズシティの皆様。 昨日は大変大騒ぎとなってしまったこと、大変申し訳ございませんでした。 まさか、この私に化けて出てくるとは思っても見ませんでした・・・ 今回の一件は、警備のしようもなくある種事故のようなもので市民の安全を守れなかったこと、本当に悔しく思っております・・・ 重ねてお詫びを申し上げる次第であります・・・」
777「ふっ・・・ まるで、きれいに原稿にでもおこしたのかと言わんばかりのお言葉ですねぇ・・・」
市長「しかしながら皆様・・・ このまま、あのコソ泥を野放しにするというわけではございません!! 恐らくは、私に化けて選挙戦でのイメージを下げるのが狙いなのでしょうが、そうは問屋がおろしません!! あのコソ泥の尻尾を掴み、警察と協力して、必ずや皆様の前に手錠をかけた姿をお目にかけてみせます!! これからも、私マルボナ・ペルフェクトをよろしくお願い申し上げます!!」
アナウンサ「以上、市長による記者会見の様子をお伝えいたしました」
777「なるほど・・・私に手錠をかけると・・・怪盗777に手錠がかかった画を、私もぜひ見てみたいですよ・・・市長・・・ふっふっふっふっ・・・」
アナウンサ「続いては、ミラーズシティの街角レポートです!! 現場のレポーターにお伝えいただきましょう!!」
レポーター「はい!! 私は今、明日からオープンする『シュバイツ近代美術館』に来ています!! 今回こちらで一大特別イベントがあるんです!! それがこちら!! エジプトで発掘された幻のお宝『エンペラーリング』をオープン記念として、期間限定公開されるのです!!」
アナウンサ「そ、それはとてもすごいような気がするんですが??」
レポーター「すごいなんてものじゃないんですよ!! 古代エジプトのファラオが実際に権力の象徴として指にはめていたということで、考古学者の間で注目されていた幻のお宝なんです!!」
アナウンサ「それはとても楽しみですね!!」
レポータ「えぇ!! それ以外にも、世界遺産級の品物が多数展示されるそうなので、ぜひ皆様一度足を運んでみてください!! 現場からは以上です!!」
アナウンサ「以上、街角リポートでした!!」
777「エンペラーリング、か・・・ これは、とても興味深い品だねぇ・・・」
(一息おき、シーンが変わります)
ヴァ―ロップ「キース、準備はできたのか」
キース「はい。 すべて順調でございます。」
ヴァ―ロップ「明日はいよいよ、シュバイツ近代美術館のオープン記念イベントだ。 これから我々の世界侵略の第一歩がスタートするのだ・・・」
キース「えぇ。 私も胸が高鳴っております」
ヴァ―ロップ「興奮するではないか、キース・・・ いよいよだ・・・」
キース「それはそうですが、私には一つ心配事がございまして・・・」
ヴァ―ロップ「何だ・・・ まさかこの先のことを考えて怖じ気づいたのか」
キース「いいえ・・・ 私めは嫌な胸騒ぎが致します・・・ 何か、恐ろしいことが起こりそうな気が・・・」
ヴァ―ロップ「ふんっ。 私の部下でありながら弱気な発言をするとは・・・ 何が気になるのか言ってみろ・・・」
キース「まず、エンペラーリングはもともとファラオが身につけていた神聖なるものだと言う文献を見つけました。 その文献には、『不当にこの指輪に触れしものは、ファラオの名のもとに滅せられる』と・・・」
ヴァ―ロップ「何だ、そんなことか・・・ それは古代ファラオの権力の象徴だからであろうに。 古代エジプト人は、神聖なもの故に触れることは許されなかった。 ただそれだけのことだ・・・」
キース「もう一つなんですが・・・ 最近テレビで報道していた、あの怪盗・・・」
ヴァ―ロップ「怪盗・・・?? あぁ、あのスリーセブンとかいう怪盗か・・・ ふんっ!! コソ泥だか怪盗だか知らんが、あの美術館の警備システムはカンペキだ!! アリの入れる隙間もない・・・ あの警備システムを破るには、様々なトラップをかい潜らねばなるまい・・・」
キース「そう、でしょうか・・・」
ヴァ―ロップ「キースよ・・・ お前が気にすることは何もない。 私の言うとおりにしていれば、必ず明るい未来は見える・・・ 今はただ無事にこの計画が終わることだけ考えれば良い。不安なことはそれから取り除けばよいではないか」
キース「かしこまりました!! 必ず計画を成功させてみせます!!」
ヴァ―ロップ「それでよいのだキース・・・ さぁ、明日は早い。 しっかりと休息を取るが良い。 明日からは、忙しくなるぞ!!」
キース「かしこまりました!! ヴァーロップ様!!」
ヴァ―ロップ「(多少の不安要素は拭えんことは分かるが・・・ この我々の計画は誰にも邪魔はさせん!! 私の大いなる力を全世界に知らしめるために、この計画は絶対成功させねばならんのだ!!)」
(一息おき、シーンが変わります)
トルッカー「まったくよぉ!! こいつは一体なんだってんだ...!!」
トルッカー(ナレ)俺は昨日あった騒動のことのことが気になったこともあり、その辺に落ちていた新聞を拾い、公園に座って眺めていた...
トルッカー「『怪盗777、市内の広場に現れ市長に化ける』・・・一体何がしてぇんだこの怪盗は・・・」
トルッカー(ナレ)怪盗777の名前はたしかに聞いたことはあった... ただそれは、俺が警察を辞めてから聞いた名前だ... そんな怪盗が15年前からいたかと言われると、正直記憶が曖昧だ...
トルッカー「たしかに、盗みは金になるかもしれねぇが新聞の一面記事だけ盗んでいくとは・・・ んまぁたしかに、ここんとこ最近この市内でもろくなニュースはなかったから退屈だといえば退屈だが... こいつの狙いは一体なんだってんだ...」
トルッカー(ナレ)警察をやっていたこともあったためか、探究心というか追求心というか、とにかく気になってしょうがなかった...
トルッカー「どうすりゃいいもんかね...」
トルッカー(ナレ)しかしそれよりも先に目先のことが気になってしまう事案が俺を襲っていた。
トルッカー「さぁてと、今月の帳簿でも確認すっかな... って!! なんだこの預金残高はよぉ!!」
トルッカー(ナレ)俺を襲っていたのは、通帳の残高の減りが異常に早くなっていたということだ...
ミラーズシティは、そこそこ発展した都市であったがまだまだ発展途上な街だ。 そこで市長がすこし税金をあげて、様々なテーマパークや商業施設を建てるために徴収している税金があった。
トルッカー「今月はそれの引き落としだったってわけか... トホホ・・・ 今月の月末に入る支援金が最後の支援金だ・・・ 月末までどうやって過ごしゃいいってんだよ・・・」
トルッカー(ナレ)そんな俺の脳裏に、余計な閃きが浮かび上がってしまった・・・
トルッカー「・・・!! そっ、そうか・・・!! 盗みは確かに金になる!! 宝石の一個でも盗んで売っちまえば、それこそ金には困らねぇかもしれねぇ!! って、いやいやいやいや・・・ 何を考えてるんだおれは!!」
トルッカー(ナレ)生活苦っていうのに鈍感になっていた俺は、正気を失っていた・・・ そうやって悶え苦しんでいると、俺の目の前にあった新聞のページが風にめくられてとある記事を目につけさせた。
トルッカー「ん・・・?? なんだこりゃ・・・ 『シュバイツ近代美術館のお披露目イベント』だと?? 展示品は・・・エジプトファラオの私物、『エンペラーリング』だと!? こ、こんなもん売ったら、本当に生活に困らなくなっちまいそうだ!!」
トルッカー(ナレ)前代未聞のお宝が市内の美術館に展示されるというのを目撃した俺は、錯乱した頭の中でありとあらゆる企てが脳内を駆け巡っていた。
トルッカー「こ、こいつを盗み出してやる・・・ 絶対に・・・ 生活することができなきゃ、人は生きていけねぇんだ。 悪いが、これは俺のもんにさせてもらうとするぜ!!」
トルッカー(ナレ)盗みを心の中で正当化させることを完了した俺は、展示品のプレオープンがあるという噂を聞きつけて、下見に向かうことにした・・・
トルッカー「まずは、どこから侵入してどうやって盗むか・・・だな・・・ まずは、下見をして侵入経路を確認させてもらうとしよう・・・」
トルッカー(ナレ)俺の心が悪に染まっていくのが分かる。 今まで盗みを働いてきた極悪人たちも、こうして盗みを正当化していったのだろう・・・ 警察をやめた俺が、悪人の気持ちがわかるようになるとは、落ちぶれたもんだ。 だが、もうやると決めた俺に、逃げ道は残されていなかった・・・
トルッカー「さてと、シュバイツ近代美術館に向かうとするか!! はっはっはっはっ!!」
(一息おき、シーンが変わります)
トルッカー(ナレ)シュバイツ近代美術館前に到着した俺は、プレオープンの整理券を手にし、ウキウキな気分になっていた・・・
トルッカー「こんだけの美術館だから、警備も厳重かと思ったが、外はそんなでもなさそうだな・・・」
トルッカー(ナレ)少なくとも真正面から突破するつもりはない・・・警備の手薄な部分があるだろう。 たとえば、関係者用の通路とか・・・ あるいは、裏口・・・ だが今回のお宝はあのエンペラーリングって代物だ、そう易易と行くわけはなかろう・・・
トルッカー「んまぁ、中に入ってみりゃわかるだろ・・・」
トルッカー(ナレ)整理券を警備員に渡し、俺はそそくさとお宝の展示室に歩を進めた。
トルッカー「こ、こいつはとんでもねぇ品物だなぁ... まさかこんな形で展示されてるとは...」
トルッカー(ナレ)俺は目を疑った・・・ 間違いなくエジプトのファラオが身につけていたと確信できる状態で展示されているとは思わなかった・・・ なんと発掘されたミイラごと展示されていたのだ・・・
トルッカー「こ、こんなもん子どもが見たら泣いちまうぞ・・・」
トルッカー(ナレ)感心と少しの恐怖を感じたあと、俺は辺りを見回した。 出入り口を探す・・・・
トルッカー「あっ・・・ あれだ・・・ あそこからなら侵入できる・・・」
トルッカー(ナレ)ミイラに気を取られていた俺とは別人になった・・・ ミイラの腐敗を防ぐための空調設備・・・ あそこから侵入することに決めた・・・
トルッカー「大体の建物はあそこから下水道にのびていて、マンホールの下に抜けられる・・・ 行けそうだな・・・」
トルッカー(ナレ)ある程度の計画を立て、十分に鑑賞したあと家に帰り泥棒する準備を整える・・・
トルッカー「さて、こんな感じの服装なら夜の闇に紛れそうかねぇ...」
トルッカー(ナレ)夜の闇に消えちまえるように、身支度整えて俺は美術館へ歩を進めた・・・
トルッカー「さぁて、このマンホールからあの幻のダイヤをいただかせてもらおうかね・・・ イッヒッヒッヒ・・・」
777「そこで何をしているんだい・・・ コソ泥さん・・・」
トルッカー「だっ、誰だ・・・!?」
to be continues・・・
台本使用における注意事項
1.著作権放棄してませんので、商用目的の場合はご遠慮ください。
2.skypeやLINEなどでの使用は可ですが、ご一報いただけますと嬉しいです。
3.配役の性転換・それに伴う名前の変更、語尾の変更、一人称の変更は自由とさせていただきますが台本の大幅な改変は禁止いたします。
4.ツイキャス等の配信サイトでの使用に関しては、必ずご一報をお願いいたします。無断での使用はご遠慮ください。
所要時間 20分
登場人物
・怪盗777(スリーセブン)
・盗賊トルッカー
・マフィアのボス バブルス・ヴァーロップ
・ボスの右腕 キース・シュナイダー
・ミラーズシティ市長、その他モブキャラ
777(ナレ)市長に化けて、新聞の一面を完璧に盗み出した私は、アジトで一人祝杯をあげていた。
777「ふふっ・・・ やはり怪盗777は、盗むことに関しては天才的と言わざるを得ない・・・!!」
777(ナレ)盗みを成功させた時の快感は、他のどんなことよりも心地よく、私の心の安らぎに変化する・・・。
777「どんな小さな盗みでも、私の存在がこの世に知られているということ・・・ こんなに充実した時間は他にはないだろう!!」
777(ナレ)しかし、私の心の安らぎの気持ちは、いつもすぐに別の心情へと変化を遂げるのだ・・・
777「私の盗みは・・・本当に人を笑顔にできているのか・・・私は何のために、10年も盗み続けてこれたんだ・・・」
777(ナレ)約15年前・・・ 正確に言うと、14年と11ヶ月前、私の父は謎の失踪を遂げた。 15才になる年の寒い冬の日・・・ 私の父、怪盗77(ダブルセブン)は当時、全世界から注目を浴びるほどの大怪盗だった・・・ 行方をくらまして1週間もすると、マスコミは怪盗77の行方がどうなったのかを報道し始め、約3年間は度々ワイドショーに取り上げられるようになっていた。
各ゆえ私も、その動向をテレビで追い続けていたが・・・
明確な答えは見えぬまま、10年が経っていた。
777「父さん・・・」
777(ナレ)きっと私は、華々しく盗みを働く父に対して、ある種ファンのような眼差しで見ていた。
父の豪華絢爛な盗みは、まさにエンターテインメントであった・・・ 私は父に、魅了されていたのだ・・・
777「何か私の盗みは、エンターテインメントではないような気がする・・・・」
777(ナレ)私が怪盗777を名乗り始めたのは、父が失踪してから5年ほど経ったときだった。 父のことを見様見真似で演じた結果、マスコミからは「怪盗77が復活した!!」と報じられたのが事の始まりだ・・・
そして私は、怪盗77を名乗らず新たに怪盗777を名乗り、世界のありとあらゆる地へ向かい、盗み続けた・・・
777「ある種、私は怪盗77がいなくなって寂しくなってしまったのかもしれない・・・ 私の楽しみは、あれしかなかった・・・」
777(ナレ)怪盗77を世界に忘れさせないために、新たな怪盗として私は生まれた・・・ 怪盗77が世界の中心だったような、あの頃のように・・・
777「私は、父のことを世界から忘れさせたりはしない!! あの頃の、輝かしかった77を忘れさせないために!! そのためには、盗み続けるしかないんだ・・・」
777(ナレ)使命感とも、責任感とも似た何か・・・ ちゃらんぽらんなように見える777でも、少なからずプレッシャーを感じている・・・ そんなとき、つけっぱなしにしていたテレビから、昨日の私の仕事についてのニュースが流れてきた・・・
777「おぉ・・・!! 私のニュースじゃないか!! さて、何と報道するか・・・」
アナウンサ「次のニュースは、昨日市内を騒がせたあの事件です。 昨日19時頃、怪盗777が突如として現れ、市内を大パニックに陥れました。 あろうことかこの怪盗は、支持率99%を誇る、あのマルボナ・ペルフェクト市長に化けて現れたのです。」
777「はっはっはっはっ!! あれで街中てんやわんやだったからねぇ!! 一面大見出し記事となったよねぇ!!」
アナウンサ「この件に関して、ペルフェクト市長が記者会見を行いましたので、そちらの映像をご覧ください。」
777「さて市長さん、あなたはこの件に関してどう答えるんでしょうね・・・ ふっふっふっふっ」
市長「えっへん・・・ えぇ、ミラーズシティの皆様。 昨日は大変大騒ぎとなってしまったこと、大変申し訳ございませんでした。 まさか、この私に化けて出てくるとは思っても見ませんでした・・・ 今回の一件は、警備のしようもなくある種事故のようなもので市民の安全を守れなかったこと、本当に悔しく思っております・・・ 重ねてお詫びを申し上げる次第であります・・・」
777「ふっ・・・ まるで、きれいに原稿にでもおこしたのかと言わんばかりのお言葉ですねぇ・・・」
市長「しかしながら皆様・・・ このまま、あのコソ泥を野放しにするというわけではございません!! 恐らくは、私に化けて選挙戦でのイメージを下げるのが狙いなのでしょうが、そうは問屋がおろしません!! あのコソ泥の尻尾を掴み、警察と協力して、必ずや皆様の前に手錠をかけた姿をお目にかけてみせます!! これからも、私マルボナ・ペルフェクトをよろしくお願い申し上げます!!」
アナウンサ「以上、市長による記者会見の様子をお伝えいたしました」
777「なるほど・・・私に手錠をかけると・・・怪盗777に手錠がかかった画を、私もぜひ見てみたいですよ・・・市長・・・ふっふっふっふっ・・・」
アナウンサ「続いては、ミラーズシティの街角レポートです!! 現場のレポーターにお伝えいただきましょう!!」
レポーター「はい!! 私は今、明日からオープンする『シュバイツ近代美術館』に来ています!! 今回こちらで一大特別イベントがあるんです!! それがこちら!! エジプトで発掘された幻のお宝『エンペラーリング』をオープン記念として、期間限定公開されるのです!!」
アナウンサ「そ、それはとてもすごいような気がするんですが??」
レポーター「すごいなんてものじゃないんですよ!! 古代エジプトのファラオが実際に権力の象徴として指にはめていたということで、考古学者の間で注目されていた幻のお宝なんです!!」
アナウンサ「それはとても楽しみですね!!」
レポータ「えぇ!! それ以外にも、世界遺産級の品物が多数展示されるそうなので、ぜひ皆様一度足を運んでみてください!! 現場からは以上です!!」
アナウンサ「以上、街角リポートでした!!」
777「エンペラーリング、か・・・ これは、とても興味深い品だねぇ・・・」
(一息おき、シーンが変わります)
ヴァ―ロップ「キース、準備はできたのか」
キース「はい。 すべて順調でございます。」
ヴァ―ロップ「明日はいよいよ、シュバイツ近代美術館のオープン記念イベントだ。 これから我々の世界侵略の第一歩がスタートするのだ・・・」
キース「えぇ。 私も胸が高鳴っております」
ヴァ―ロップ「興奮するではないか、キース・・・ いよいよだ・・・」
キース「それはそうですが、私には一つ心配事がございまして・・・」
ヴァ―ロップ「何だ・・・ まさかこの先のことを考えて怖じ気づいたのか」
キース「いいえ・・・ 私めは嫌な胸騒ぎが致します・・・ 何か、恐ろしいことが起こりそうな気が・・・」
ヴァ―ロップ「ふんっ。 私の部下でありながら弱気な発言をするとは・・・ 何が気になるのか言ってみろ・・・」
キース「まず、エンペラーリングはもともとファラオが身につけていた神聖なるものだと言う文献を見つけました。 その文献には、『不当にこの指輪に触れしものは、ファラオの名のもとに滅せられる』と・・・」
ヴァ―ロップ「何だ、そんなことか・・・ それは古代ファラオの権力の象徴だからであろうに。 古代エジプト人は、神聖なもの故に触れることは許されなかった。 ただそれだけのことだ・・・」
キース「もう一つなんですが・・・ 最近テレビで報道していた、あの怪盗・・・」
ヴァ―ロップ「怪盗・・・?? あぁ、あのスリーセブンとかいう怪盗か・・・ ふんっ!! コソ泥だか怪盗だか知らんが、あの美術館の警備システムはカンペキだ!! アリの入れる隙間もない・・・ あの警備システムを破るには、様々なトラップをかい潜らねばなるまい・・・」
キース「そう、でしょうか・・・」
ヴァ―ロップ「キースよ・・・ お前が気にすることは何もない。 私の言うとおりにしていれば、必ず明るい未来は見える・・・ 今はただ無事にこの計画が終わることだけ考えれば良い。不安なことはそれから取り除けばよいではないか」
キース「かしこまりました!! 必ず計画を成功させてみせます!!」
ヴァ―ロップ「それでよいのだキース・・・ さぁ、明日は早い。 しっかりと休息を取るが良い。 明日からは、忙しくなるぞ!!」
キース「かしこまりました!! ヴァーロップ様!!」
ヴァ―ロップ「(多少の不安要素は拭えんことは分かるが・・・ この我々の計画は誰にも邪魔はさせん!! 私の大いなる力を全世界に知らしめるために、この計画は絶対成功させねばならんのだ!!)」
(一息おき、シーンが変わります)
トルッカー「まったくよぉ!! こいつは一体なんだってんだ...!!」
トルッカー(ナレ)俺は昨日あった騒動のことのことが気になったこともあり、その辺に落ちていた新聞を拾い、公園に座って眺めていた...
トルッカー「『怪盗777、市内の広場に現れ市長に化ける』・・・一体何がしてぇんだこの怪盗は・・・」
トルッカー(ナレ)怪盗777の名前はたしかに聞いたことはあった... ただそれは、俺が警察を辞めてから聞いた名前だ... そんな怪盗が15年前からいたかと言われると、正直記憶が曖昧だ...
トルッカー「たしかに、盗みは金になるかもしれねぇが新聞の一面記事だけ盗んでいくとは・・・ んまぁたしかに、ここんとこ最近この市内でもろくなニュースはなかったから退屈だといえば退屈だが... こいつの狙いは一体なんだってんだ...」
トルッカー(ナレ)警察をやっていたこともあったためか、探究心というか追求心というか、とにかく気になってしょうがなかった...
トルッカー「どうすりゃいいもんかね...」
トルッカー(ナレ)しかしそれよりも先に目先のことが気になってしまう事案が俺を襲っていた。
トルッカー「さぁてと、今月の帳簿でも確認すっかな... って!! なんだこの預金残高はよぉ!!」
トルッカー(ナレ)俺を襲っていたのは、通帳の残高の減りが異常に早くなっていたということだ...
ミラーズシティは、そこそこ発展した都市であったがまだまだ発展途上な街だ。 そこで市長がすこし税金をあげて、様々なテーマパークや商業施設を建てるために徴収している税金があった。
トルッカー「今月はそれの引き落としだったってわけか... トホホ・・・ 今月の月末に入る支援金が最後の支援金だ・・・ 月末までどうやって過ごしゃいいってんだよ・・・」
トルッカー(ナレ)そんな俺の脳裏に、余計な閃きが浮かび上がってしまった・・・
トルッカー「・・・!! そっ、そうか・・・!! 盗みは確かに金になる!! 宝石の一個でも盗んで売っちまえば、それこそ金には困らねぇかもしれねぇ!! って、いやいやいやいや・・・ 何を考えてるんだおれは!!」
トルッカー(ナレ)生活苦っていうのに鈍感になっていた俺は、正気を失っていた・・・ そうやって悶え苦しんでいると、俺の目の前にあった新聞のページが風にめくられてとある記事を目につけさせた。
トルッカー「ん・・・?? なんだこりゃ・・・ 『シュバイツ近代美術館のお披露目イベント』だと?? 展示品は・・・エジプトファラオの私物、『エンペラーリング』だと!? こ、こんなもん売ったら、本当に生活に困らなくなっちまいそうだ!!」
トルッカー(ナレ)前代未聞のお宝が市内の美術館に展示されるというのを目撃した俺は、錯乱した頭の中でありとあらゆる企てが脳内を駆け巡っていた。
トルッカー「こ、こいつを盗み出してやる・・・ 絶対に・・・ 生活することができなきゃ、人は生きていけねぇんだ。 悪いが、これは俺のもんにさせてもらうとするぜ!!」
トルッカー(ナレ)盗みを心の中で正当化させることを完了した俺は、展示品のプレオープンがあるという噂を聞きつけて、下見に向かうことにした・・・
トルッカー「まずは、どこから侵入してどうやって盗むか・・・だな・・・ まずは、下見をして侵入経路を確認させてもらうとしよう・・・」
トルッカー(ナレ)俺の心が悪に染まっていくのが分かる。 今まで盗みを働いてきた極悪人たちも、こうして盗みを正当化していったのだろう・・・ 警察をやめた俺が、悪人の気持ちがわかるようになるとは、落ちぶれたもんだ。 だが、もうやると決めた俺に、逃げ道は残されていなかった・・・
トルッカー「さてと、シュバイツ近代美術館に向かうとするか!! はっはっはっはっ!!」
(一息おき、シーンが変わります)
トルッカー(ナレ)シュバイツ近代美術館前に到着した俺は、プレオープンの整理券を手にし、ウキウキな気分になっていた・・・
トルッカー「こんだけの美術館だから、警備も厳重かと思ったが、外はそんなでもなさそうだな・・・」
トルッカー(ナレ)少なくとも真正面から突破するつもりはない・・・警備の手薄な部分があるだろう。 たとえば、関係者用の通路とか・・・ あるいは、裏口・・・ だが今回のお宝はあのエンペラーリングって代物だ、そう易易と行くわけはなかろう・・・
トルッカー「んまぁ、中に入ってみりゃわかるだろ・・・」
トルッカー(ナレ)整理券を警備員に渡し、俺はそそくさとお宝の展示室に歩を進めた。
トルッカー「こ、こいつはとんでもねぇ品物だなぁ... まさかこんな形で展示されてるとは...」
トルッカー(ナレ)俺は目を疑った・・・ 間違いなくエジプトのファラオが身につけていたと確信できる状態で展示されているとは思わなかった・・・ なんと発掘されたミイラごと展示されていたのだ・・・
トルッカー「こ、こんなもん子どもが見たら泣いちまうぞ・・・」
トルッカー(ナレ)感心と少しの恐怖を感じたあと、俺は辺りを見回した。 出入り口を探す・・・・
トルッカー「あっ・・・ あれだ・・・ あそこからなら侵入できる・・・」
トルッカー(ナレ)ミイラに気を取られていた俺とは別人になった・・・ ミイラの腐敗を防ぐための空調設備・・・ あそこから侵入することに決めた・・・
トルッカー「大体の建物はあそこから下水道にのびていて、マンホールの下に抜けられる・・・ 行けそうだな・・・」
トルッカー(ナレ)ある程度の計画を立て、十分に鑑賞したあと家に帰り泥棒する準備を整える・・・
トルッカー「さて、こんな感じの服装なら夜の闇に紛れそうかねぇ...」
トルッカー(ナレ)夜の闇に消えちまえるように、身支度整えて俺は美術館へ歩を進めた・・・
トルッカー「さぁて、このマンホールからあの幻のダイヤをいただかせてもらおうかね・・・ イッヒッヒッヒ・・・」
777「そこで何をしているんだい・・・ コソ泥さん・・・」
トルッカー「だっ、誰だ・・・!?」
to be continues・・・
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連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
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神崎未緒里
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Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
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