25 / 28
揺るぎない願い②
しおりを挟む
「ぐっ……!」
低いうめき声に、咄嗟に閉じていた目を開けた。
信じがたい光景に息を呑む。
――アレンの脇腹が血に染まり、ライナーの短剣が深々と突き刺さっていたのだ。
「アレン!?」
心臓がぎゅっと鷲掴みされたような心地がする。
私はアレンの前に立っていたはずなのに。それなのにどうして――……?
動いた自覚もないのに、なぜか私は後方に取り残されていた。
そしてアレンがいるのは、つい今しがたまで私がいたはずの場所……。
(転移魔法!? 体の位置を入れ替えたの!?)
「うわぁぁぁぁっ!!」
アレンに駆け寄ろうとした瞬間、ライナーが絶叫して崩れ落ちる。アレンの血で汚れた自身の両手を見下ろし、ガタガタと震え出す。
「ち、違う……っ。僕は、僕は……!」
「――ライナー! その場から一歩も動かないで!!」
鋭く叫べば、ライナーの肩がビクッと跳ねた。
私は彼を睨み据えたまま、血の気を失ったアレンの顔を覗き込む。
「アレン、部屋にかけた障壁を解きなさい!」
「…………」
アレンは一瞬ためらったが、ややあって諦めたように頷いた。キィン、という甲高い音が部屋中に響き渡る。
私はすぐさま扉を開け放ち、すうっと大きく息を吸った。
「――誰か! 急いで医者を呼んできて、怪我人がいるの!!」
慌てたように使用人や警備兵が駆けつけてくる。
いまだうずくまったままのライナーを一瞥し、私は警備兵に向かって手を振り上げた。
「ライナー・オーレインを拘束なさい! この男は剣を持ってわたくしを害そうとしたわ!――さあ、今すぐによ!!」
◇
王城は上を下への大騒ぎとなった。
お父様はおろおろするばかりで話にならない。泣き出しそうに私にすがりつくお父様を、私は「しっかりしなさい!」と怒鳴りつけた。
「お父様が動揺すれば臣下も浮足立つでしょう! 演技でいいから、どっしり構えておくのよ!」
「で、でもリディアや。臣下から聞かれたら、一体なんて答えれば」
「今調べさせているところだ、とでも不機嫌に答えておきなさい! いい? この件はわたしが預かる、と重々しく宣言するのよ!」
一喝し、私はお父様を放って奔走した。
アレンの怪我は命に関わるものではないらしく、ひとまず胸を撫で下ろす。本心ではすぐにでも彼を見舞いたいものの、私には先にすべきことがある。
王立病院のライナーの部屋を徹底的に捜索させ、隠し戸棚にあった薬物を押収した。アレンの言葉通りなかなかの量で、よくもまあこれだけ集めたものだとあきれてしまう。
「信じられません。まさか、あのライナー殿下が……」
沈痛な表情を浮かべる王立病院の院長を重々口止めし、私は急ぎ王城へと戻る。
ヒールの音も高らかに廊下を進んでいると、背後から慌てたように名を呼ばれた。
「リディア殿下! お急ぎのところ申し訳ございません、殿下の従者殿についてご報告があるのですが」
「――まさか、容態が急変したの!?」
私を呼び止めたのは王城勤務の医師だった。
真っ青になって詰め寄ると、彼は目を白黒させた。激しく震える私を見て、申し訳なさそうに眉を下げる。
「い、いえ。ご安心ください、体調は落ち着いていらっしゃいます。ですが、そのう……一度も目覚めないのです」
「……え?」
ぽかんとする私に、彼は深々と頷いた。
「怪我のせいではありませんよ。何と申しますか、心身ともに疲れ果てているご様子なのです。よほど張りつめた日々を送っていたのか、体が休息を求めておられるのでしょう」
ライナーに刺された日から、アレンはこんこんと眠り続けているというのだ。
胸に鋭く痛みが走る。
(そうよね……。ずっと、私のために気を張ってくれていたのよね……)
繰り返す三年間、彼に気の休まる時が果たしてあったのだろうか?
アレンの長い戦いを思うと、すっかり弱くなった涙腺からまたも涙がにじみそうになる。……でも、私には泣いている暇なんてない。
乱暴に目尻をぬぐい、懐からド派手な扇を取り出した。
「そう、知らせてくれて感謝するわ! きっとお邪魔でしょうけど、気の済むまで寝かせてあげてくれるかしら。全くお寝坊な従者で困りますこと、ホーッホホホホホ!!」
高笑いする私に、医師もつられたように苦笑する。
くれぐれもよろしくと頼めば、お任せくださいと胸を叩いて請け合ってくれた。
ひとまず安心して、私は次の目的地へと向かうことにする。
王城の奥深く、王族を拘束するための特別な牢。見張りの兵士に頷きかけ、扉の鍵を開けさせる。
鉄格子に囲まれているものの、牢とは思えない豪奢な作り。部屋の中央の椅子に、ライナーがうなだれて座り込んでいた。
「……ライナー叔父様」
聞こえているだろうに、彼は顔を上げようとしない。
私は見張りの兵士に二人きりにするよう命じ、鉄格子の中のライナーに向き直る。
「アレンは無事よ。今はぐっすり眠っているわ」
「…………」
「あなたの執務室から薬物は全て押収したわ。何か申し開きがあるなら聞くけど、どう?」
ようやく、ライナーがゆるゆるとこちらを見る。
その姿にはっと胸を衝かれた。
美しい顔は別人のようにやつれ果て、目は深く落ちくぼんでいる。苦しげに顔を歪めると、彼は激しく首を横に振った。
「……使うつもりなど、なかったんだよ」
絞り出すように声を上げる。
「様々な毒をうっとり眺め、馬鹿みたいな夢想に浸っていただけさ。……これさえあれば、全てを変えられる。僕は臣民に歓迎され、歴代で最高の王となれるのだ、と」
「…………」
「けれど、そんな未来が訪れることはない。僕はもう、以前の完璧で清廉な僕じゃない。この手で剣を振りかざし、人を殺そうとしたのだから……!」
爪を立ててこぶしを握り締め、狂ったように己の体を打ち据える。
「あの、肉を突き刺す嫌な感触! 心底ゾッとしたよ。寝ても覚めてもあの感触が離れなくて、僕は必死で考え続けたんだ。アレン・クロノスの記憶の中の僕は、どうしてこんな冷酷な行いができたんだ?と」
ぼろぼろと涙を流しながら、ライナーの懺悔が続く。
「きっとその時の僕は、自分で手を下した自覚が足りなかったんだ。だってそうだろう?『一度目』の君の処刑だって、死に目に立ち会うことすらしなかった。『二度目』の兄上と君を殺した時は、眠るように死ねる薬を使った。二人とも病気だったのだから仕方ないさ、と自分を誤魔化していたに違いない……!」
椅子から崩れ落ちて、ライナーが慟哭した。
私は彼に一歩近付き、ひんやりした鉄格子に手を掛ける。
やつれた顔を上げ、ライナーは悲しげに微笑んだ。
「アレンは僕のことを、性根の腐った卑劣な人間と評していたね。……僕はね、リディア。アレンを刺したことで、図らずも彼の正しさを証明してしまったことになるんだよ」
――だからこの上は、牢の中で生涯を終えようと思う。
きっぱりと告げられた決意に、私は驚き息を呑む。
ライナーの表情は凪いでいて、今のが本心からの言葉だと窺えた。
(……でも……)
ぎゅっと鉄格子を握り締める。
「ライナー叔父様。つまりあなたは、戦わずして降参するとおっしゃるわけですね? それはそれは、随分と腰抜けですこと」
唇を歪めてせせら笑えば、ライナーが不可解そうにこちらを見た。
私はお腹に力を込めて、彼をきつく睨み据える。
「あなたと私は似ているわ。巻き戻る前の未来では、道を間違え悪行に手を染める――」
でもね、と声を大きくする。
「だからこそ私は変わると決めたの! 今度こそ間違えないで、皆が幸せになれる道を歩いていくのだと。普通だったら起こった出来事は変えられない。間違ったことを、なかったことになんかできるはずがない。――でも、私はアレンにチャンスをもらったから!」
ライナーの瞳が見開かれる。
そう、私の敵はライナーなんかじゃない。
私の敵はいつだって、他ならぬ私自身だったのだ。
「私はこれからも自分と戦い続けるわ。弱い心なんかねじ伏せて、高笑いしながらひたすら前に突き進んでやる! ライナー叔父様、あなたはどうするの?『時戻しの魔法』は平等に全ての人の時を戻すわ。せっかくやり直せるチャンスがそこに転がっているのに、あなたは戦いもせず運命を受け入れるつもりなの?」
「……っ」
「だったら知らない。好きになさい。――私の話はこれで終わりよ」
素っ気なく踵を返す。
そのまま振り返りもせずに牢を後にした。
低いうめき声に、咄嗟に閉じていた目を開けた。
信じがたい光景に息を呑む。
――アレンの脇腹が血に染まり、ライナーの短剣が深々と突き刺さっていたのだ。
「アレン!?」
心臓がぎゅっと鷲掴みされたような心地がする。
私はアレンの前に立っていたはずなのに。それなのにどうして――……?
動いた自覚もないのに、なぜか私は後方に取り残されていた。
そしてアレンがいるのは、つい今しがたまで私がいたはずの場所……。
(転移魔法!? 体の位置を入れ替えたの!?)
「うわぁぁぁぁっ!!」
アレンに駆け寄ろうとした瞬間、ライナーが絶叫して崩れ落ちる。アレンの血で汚れた自身の両手を見下ろし、ガタガタと震え出す。
「ち、違う……っ。僕は、僕は……!」
「――ライナー! その場から一歩も動かないで!!」
鋭く叫べば、ライナーの肩がビクッと跳ねた。
私は彼を睨み据えたまま、血の気を失ったアレンの顔を覗き込む。
「アレン、部屋にかけた障壁を解きなさい!」
「…………」
アレンは一瞬ためらったが、ややあって諦めたように頷いた。キィン、という甲高い音が部屋中に響き渡る。
私はすぐさま扉を開け放ち、すうっと大きく息を吸った。
「――誰か! 急いで医者を呼んできて、怪我人がいるの!!」
慌てたように使用人や警備兵が駆けつけてくる。
いまだうずくまったままのライナーを一瞥し、私は警備兵に向かって手を振り上げた。
「ライナー・オーレインを拘束なさい! この男は剣を持ってわたくしを害そうとしたわ!――さあ、今すぐによ!!」
◇
王城は上を下への大騒ぎとなった。
お父様はおろおろするばかりで話にならない。泣き出しそうに私にすがりつくお父様を、私は「しっかりしなさい!」と怒鳴りつけた。
「お父様が動揺すれば臣下も浮足立つでしょう! 演技でいいから、どっしり構えておくのよ!」
「で、でもリディアや。臣下から聞かれたら、一体なんて答えれば」
「今調べさせているところだ、とでも不機嫌に答えておきなさい! いい? この件はわたしが預かる、と重々しく宣言するのよ!」
一喝し、私はお父様を放って奔走した。
アレンの怪我は命に関わるものではないらしく、ひとまず胸を撫で下ろす。本心ではすぐにでも彼を見舞いたいものの、私には先にすべきことがある。
王立病院のライナーの部屋を徹底的に捜索させ、隠し戸棚にあった薬物を押収した。アレンの言葉通りなかなかの量で、よくもまあこれだけ集めたものだとあきれてしまう。
「信じられません。まさか、あのライナー殿下が……」
沈痛な表情を浮かべる王立病院の院長を重々口止めし、私は急ぎ王城へと戻る。
ヒールの音も高らかに廊下を進んでいると、背後から慌てたように名を呼ばれた。
「リディア殿下! お急ぎのところ申し訳ございません、殿下の従者殿についてご報告があるのですが」
「――まさか、容態が急変したの!?」
私を呼び止めたのは王城勤務の医師だった。
真っ青になって詰め寄ると、彼は目を白黒させた。激しく震える私を見て、申し訳なさそうに眉を下げる。
「い、いえ。ご安心ください、体調は落ち着いていらっしゃいます。ですが、そのう……一度も目覚めないのです」
「……え?」
ぽかんとする私に、彼は深々と頷いた。
「怪我のせいではありませんよ。何と申しますか、心身ともに疲れ果てているご様子なのです。よほど張りつめた日々を送っていたのか、体が休息を求めておられるのでしょう」
ライナーに刺された日から、アレンはこんこんと眠り続けているというのだ。
胸に鋭く痛みが走る。
(そうよね……。ずっと、私のために気を張ってくれていたのよね……)
繰り返す三年間、彼に気の休まる時が果たしてあったのだろうか?
アレンの長い戦いを思うと、すっかり弱くなった涙腺からまたも涙がにじみそうになる。……でも、私には泣いている暇なんてない。
乱暴に目尻をぬぐい、懐からド派手な扇を取り出した。
「そう、知らせてくれて感謝するわ! きっとお邪魔でしょうけど、気の済むまで寝かせてあげてくれるかしら。全くお寝坊な従者で困りますこと、ホーッホホホホホ!!」
高笑いする私に、医師もつられたように苦笑する。
くれぐれもよろしくと頼めば、お任せくださいと胸を叩いて請け合ってくれた。
ひとまず安心して、私は次の目的地へと向かうことにする。
王城の奥深く、王族を拘束するための特別な牢。見張りの兵士に頷きかけ、扉の鍵を開けさせる。
鉄格子に囲まれているものの、牢とは思えない豪奢な作り。部屋の中央の椅子に、ライナーがうなだれて座り込んでいた。
「……ライナー叔父様」
聞こえているだろうに、彼は顔を上げようとしない。
私は見張りの兵士に二人きりにするよう命じ、鉄格子の中のライナーに向き直る。
「アレンは無事よ。今はぐっすり眠っているわ」
「…………」
「あなたの執務室から薬物は全て押収したわ。何か申し開きがあるなら聞くけど、どう?」
ようやく、ライナーがゆるゆるとこちらを見る。
その姿にはっと胸を衝かれた。
美しい顔は別人のようにやつれ果て、目は深く落ちくぼんでいる。苦しげに顔を歪めると、彼は激しく首を横に振った。
「……使うつもりなど、なかったんだよ」
絞り出すように声を上げる。
「様々な毒をうっとり眺め、馬鹿みたいな夢想に浸っていただけさ。……これさえあれば、全てを変えられる。僕は臣民に歓迎され、歴代で最高の王となれるのだ、と」
「…………」
「けれど、そんな未来が訪れることはない。僕はもう、以前の完璧で清廉な僕じゃない。この手で剣を振りかざし、人を殺そうとしたのだから……!」
爪を立ててこぶしを握り締め、狂ったように己の体を打ち据える。
「あの、肉を突き刺す嫌な感触! 心底ゾッとしたよ。寝ても覚めてもあの感触が離れなくて、僕は必死で考え続けたんだ。アレン・クロノスの記憶の中の僕は、どうしてこんな冷酷な行いができたんだ?と」
ぼろぼろと涙を流しながら、ライナーの懺悔が続く。
「きっとその時の僕は、自分で手を下した自覚が足りなかったんだ。だってそうだろう?『一度目』の君の処刑だって、死に目に立ち会うことすらしなかった。『二度目』の兄上と君を殺した時は、眠るように死ねる薬を使った。二人とも病気だったのだから仕方ないさ、と自分を誤魔化していたに違いない……!」
椅子から崩れ落ちて、ライナーが慟哭した。
私は彼に一歩近付き、ひんやりした鉄格子に手を掛ける。
やつれた顔を上げ、ライナーは悲しげに微笑んだ。
「アレンは僕のことを、性根の腐った卑劣な人間と評していたね。……僕はね、リディア。アレンを刺したことで、図らずも彼の正しさを証明してしまったことになるんだよ」
――だからこの上は、牢の中で生涯を終えようと思う。
きっぱりと告げられた決意に、私は驚き息を呑む。
ライナーの表情は凪いでいて、今のが本心からの言葉だと窺えた。
(……でも……)
ぎゅっと鉄格子を握り締める。
「ライナー叔父様。つまりあなたは、戦わずして降参するとおっしゃるわけですね? それはそれは、随分と腰抜けですこと」
唇を歪めてせせら笑えば、ライナーが不可解そうにこちらを見た。
私はお腹に力を込めて、彼をきつく睨み据える。
「あなたと私は似ているわ。巻き戻る前の未来では、道を間違え悪行に手を染める――」
でもね、と声を大きくする。
「だからこそ私は変わると決めたの! 今度こそ間違えないで、皆が幸せになれる道を歩いていくのだと。普通だったら起こった出来事は変えられない。間違ったことを、なかったことになんかできるはずがない。――でも、私はアレンにチャンスをもらったから!」
ライナーの瞳が見開かれる。
そう、私の敵はライナーなんかじゃない。
私の敵はいつだって、他ならぬ私自身だったのだ。
「私はこれからも自分と戦い続けるわ。弱い心なんかねじ伏せて、高笑いしながらひたすら前に突き進んでやる! ライナー叔父様、あなたはどうするの?『時戻しの魔法』は平等に全ての人の時を戻すわ。せっかくやり直せるチャンスがそこに転がっているのに、あなたは戦いもせず運命を受け入れるつもりなの?」
「……っ」
「だったら知らない。好きになさい。――私の話はこれで終わりよ」
素っ気なく踵を返す。
そのまま振り返りもせずに牢を後にした。
1
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる