足枷《あしかせ》無しでも、Stay with me

ゆりえる

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バスの座席と…

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 バスの座席は、休憩時に、 詩奈しいなと若葉のように、 瑞輝みずきと 凌空りくも入れ替わった事により、通路を挟み 詩奈しいなと 凌空りくが隣り合った。

「昨日、心配で眠れなかったとかなかった?」

 再びバスが動き出し、バスガイドから行程についての説明後、 凌空りくが尋ねた。

「心配と楽しみな気持ちで眠れなかった! 北岡君も?」

「僕も、いつもより寝付きが悪かったから少し眠い」

  瑞輝みずきは窓の方を見て早速寝ている様子で、若葉もまた今にも寝入りそうだった。

「皆、やっぱり、昨日は眠れなかった人が多そうだね。北岡君は、バスの中では寝ないの?」

「眠くても乗り物の中では、なかなか寝付けないんだ。牧田さんは?」

「私は、家の車で遠出する時とかは、気が緩んだら寝るけど。バスの中では、人目も気になるし、なんか緊張しているから眠れないかも」

 今まで、 凌空りくとゆっくり話した事は無かった 詩奈しいな
 ふと、強い視線を感じ、バスの後方を見ると、バスの後部席に座っている 芽里めりだった。

芽里めり……北岡君が好きだから、こんな風に私が話しているだけでも、抜け駆けしているように思われているのかも……)

 もう友達には戻れないとは分かっていたが、クラスメイトとしても、 芽里めりにこれ以上、 うとまれないよう、 凌空りくと話すのを止めた 詩奈しいな
 若葉は、バスに揺られ気持ち良さそうに寝入っていた。
 車窓を見るにも、揺ら揺らしている若葉が目に入って落ち着かず、リュックから林間学校のパンフレットを出して見た。

「文字読んでいて、酔わない?」

 再び 凌空りくが尋ねて来て、 芽里めりの視線は気になっても、無視する事は出来ない 詩奈しいな

「もう少しガタガタ道とかで、長い時間見ていたら、酔うかも知れないけど、これくらいなら大丈夫そう」

 その時、 芽里めりが、前方の2列目に座っていた担任の方にフラフラと歩いて来た。

「先生、バスに酔いました!」

「酔いやすい人は、前の席を希望するように言っただろう? なんで、最後部席に座ったんだ?」

「大丈夫だと思ってたから……」

  芽里めりが車酔いする事など、小学校でバス旅行の機会が何度か有ったが初耳だった。
 担任と入れ替わり、 芽里めりが、 凌空りくの後ろの席に座った。

「ここも最前列よりは揺れるから、 詩奈しいな、替わってくれない?」

 気分悪そうに俯いている 芽里めりに言われ、車酔いしてない 詩奈しいなは、変わろうとした。

「バス動いている時に、牧田さんが動くのは、危ないから、僕が入れ替わるよ」

 バスが突然揺れた時の事を考え、 凌空りくが助け船を出した。

「ありがとう、北岡君」

 立ち上がろうとしていたのを止め、お礼を言った 詩奈しいな
  凌空りくが立ち上がり、 芽里めりと席を替わろうとした時、 芽里めりがフラフラしながら、 凌空りくの方によろけてきた。
 両二の腕部分を 凌空りくの両手で支えられ、バランスを取り戻した 芽里めり
 その時、これ見よがしに、 詩奈しいなの方を見て、ニヤッと笑った 芽里めり

芽里めり、今のわざとだったんだ……そんな事してまで、北岡君に接近したいなんて……)

「小畑さん、大丈夫?」

 演技とは気付かず、 芽里めりを気遣う 凌空りく

「うん、何とか……ありがとう、北岡君」

 わざと苦し気な表情を浮かべた 芽里めり

「何、どうしたの?」

 騒がしさで目覚めた若葉と 瑞輝みずき

「 芽里めりが、車酔いで、前に移って来たの」

「良かったら、窓際と変わるよ。そしたら、 瑞輝みずきの隣だし~」

 若葉が言うと、 瑞輝みずきがさっさと変わった。

「お前が動くと、牧田にぶつかったりして危ないから、俺が動くのが正解!」

「ありがとう、矢本君、そんな事まで考えてくれて」

「 瑞輝みずきにしては、レディファーストだな~!」

  瑞輝みずきの背後の席から、 凌空りくが冷やかした。
  瑞輝みずきと入れ替わり、窓際の席に移った 芽里めりは、人気者の男子達2人が揃って 詩奈しいなに気を遣っているのが しゃくに触った。 
  芽里めりにしてみると、せっかく仮病まで使い、 凌空りくに接近したのも束の間、いつの間にか壁を隔てたような状態にされていた。
 自分が完全に部外者的扱いにされているにもかかわらず、三貴神に取り巻かれ中心にいる 詩奈しいなの立場が羨ましく、今すぐにでも取って代わりたかった。
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